日本外国語専門学校 海外芸術大学留学科 芸術留学プログラム

イギリス（スコットランド）のグラスゴー・スクール・オブ・アートで銀細工とジュエリーを学ぶ海外芸術大学留学科の卒業生が、一時帰国中に来校し、留学の様子を語ってくれました。

イギリス(スコットランド）　グラスゴー・スクール・オブ・アート
銀細工＆ジュエリー専攻
2006年 海外芸術大学留学科 卒業　
神奈川県立横浜平沼高校出身　

Ｑ　芸術留学をしようと思ったきっかけは？ 　

Ａ　絵を描くのが好きで、高校では美術部に所属していました。その頃はジュエリーには全く興味がありませんでしたねえ。美大は学費が高いから無理だよ、と親に言われていたので諦めていました。海外に興味があったので、大学で日本語教育を勉強したのですが、どうしても楽しめなくて。やっぱり自分がやりたい事をやろうと思い、見つけたのが海外芸術大学留学科です。芸術留学という道があることを知り、働いて学費を稼いでから入学しました。今も毎年一時帰国中にアルバイトをして、留学先の学費を出しているんですよ。

Ｑ　どうしてジュエリーデザインに興味を持ったの？

Ａ　海外芸術大学留学科の夏休みに、自分が何に対して一番興味を持っているのかをリサーチするプロジェクトがあったんです。自分は平面的な絵よりも立体を作ること、金属やガラスといった素材に惹かれることが分かりました。ちょうどその頃に、海外のジュエリーデザイナーの作品を目にする機会があり、これが目からウロコのような体験でした。それまで私にとってジュエリーは単なる装飾品、見た目が綺麗で美しいものというイメージでしたが、実は必ずしも美しいとは限らない。海外アーティストのジュエリーはメッセージ性が強く、作り手の内面を秘めていることに気付いたんです。奥が深くておもしろいな、と思いました。

Ｑ　留学先や大学について教えて

型を作り、シルバーを流しこみます

Ａ　グラスゴーという街はすごくのびのびしています。着いて最初に思ったのが、人が温かいということ。街全体が大らかな感じなので、とても生活しやすいですよ。グラスゴー・スクール・オブ・アートは学生の意思に任せていて、のびのびとやらせてくれます。意欲ある学生には色々なアドバイスをくれるし、やりたい事をサポートする環境が整っていますね。

Ｑ　大学ではどんな勉強をしているの？

Ａ　1年目はファウンデーションコースのようなもので、デザインの基礎やドローイングを習います。ちょっとした立体を作ることもありました。2年目になると、金属を加工するための薬品の使い方、道具の使い方などテクニックを教えてもらいます。3年目では結構自由にジュエリーのデザインをやらせてもらえます。コンペティションやプロジェクトを通して、アイディアの発展法を学びます。

Ｑ　芸術留学をしてよかったと思う点は？

森崎さんの作品たち

Ａ　日本にいたら知らないで終わっていた世界にいること。海外はアートの情報量もすごく多いし、何より人の考え方が大きいというか、幅広いところが自分にとっては大きなプラスです。例えば作品を作る時、日本では他人の評価を気にする部分が大きかったんですよ。‘うまく’‘きれい’に見せなきゃって。でも、海外では自分に自信を持って自分を出していかないとやって行けないので、‘自分はこれで勝負をするんだ’っていう覚悟を持って作品を作れるようになりましたね。

Ｑ　海外芸術大学留学科で学んだことで、今の留学生活に役立っていることは？

Ａ　プレゼンテーションの授業が色々な面で力になりました。それまでは自分の作品を人に見せる機会はなく自己完結していたのですが、作品を介して人と意見を交わすことができるようになりました。自分の作品を客観的に捉えられるようになったので、次の課題も見つけやすくなりましたね。それから英語。海外に行きたいけれど英語は嫌い、というタイプだったのですが、大学に入るのに必要なIELTSのスコアをクリアできたのはここで勉強したお陰ですね。

Ｑ　将来の夢は？

Ａ　ずっとジュエリーを作り続けていくこと。場所を問わず。ストーリーを持っているジュエリーを作っていきたいと思っています。

Ｑ　芸術留学を考えている人へのメッセージ

Ａ　不安に思うことはいっぱいあると思うけれど、一番大事なのは頭で悩むより実際やってみること。やってみると悩んでいた程大変なことでなかったり、違う風に捉えることができたりして、実はそれが成長の過程になったりもします。気持ちがあれば、周りが助けてくれることも多いですし、案外いけちゃうものだと思います！