日本外国語専門学校 海外芸術大学留学科 芸術留学プログラム

卒業生
イギリスの古都でテキスタイルデザインを
学ぶ先輩が来校!

グラスゴー美術大学でプロダクトデザインを学ぶ卒業生来校!

ロンドンで暮らしながらウィンチェスターの大学でテキスタイルを学んだ井口さんが、来校してくれました。自分のスタイルを見つけるために留学中たくさん悩んだ井口さん。後輩にもその経験を語ってくれました。

芸術留学・アメリカ・アートセンター、College of Design留学
ウィンチェスター美術大学
Fashion & Textile Design学科卒
2006年 海外芸術大学留学科 卒業 
女子美術大学付属高校出身

井口さんについて

後輩にアドバイス

井口さんは、女子美術大学付属高校卒業後に1年間JCFLでアート&デザインと英語学び、英国Winchester School of Art(ウィンチェスター美術大学)に進学しました。そこで3年制のBA (Hons) Fashion & Textile Design(ファッション&テキスタイルデザイン)を卒業し最近帰国しました。

イングランドのかつての首都であった、古都ウィンチェスターにあるこの大学は、町のシンボルであり、特にテキスタイルデザインで有名です。

ロンドンにもアクセスがよく、井口さん自身も2年生からは住居をロンドン市内に移し、そこから通学していました。落ち着いた雰囲気と、学生一人ひとりを丁寧に育てる環境の中で、井口さんは身近で親しみのあるテキスタイルデザインの世界を生み出すことができました。

ディグリーショー(卒業制作展)

ファッション

英国の芸術大学では、最終学年の1年間すべての時間をディグリーショーの準備に費やします。井口さんはその取材先にイタリアを選びました。テキスタイルデザインは現在、デジタル技術を多用したものが主流となっています。しかし井口さんは、デジタルでは表現することのできない、素材の持つ親密なコンテキストを生かす仕事を志向していました。そのため、イタリアのテキスタイルをリサーチすることで、手作りの可能性を再発見したかったのです。

イタリアのマーケットで偶然に出会ったシンプルな「刺繍」に目が留まりました。それは普通のおばあさんが趣味と実益を兼ねて作ったもので、家庭生活の中で身の回りの物事への愛情を素直に感じさせるものでした。そこで「クロスステッチ」という技法による表現に焦点を定め、制作に入りました。

テキスタイル従来のテキスタイルデザインは、1つのモチーフから複数のバリエーションを作り出し、それを布地として制作していました。しかし井口さんは「テキスタイル」独自の温かみを、生活に密着した表現として展開することを目指しました。そのため展示会場では小さな部屋の一部を再現し、そこにさまざまなテキスタイルデザインの可能性を展示しました。

 

競争と親密さ

ロンドン井口さんは3年間を過ごし、ウィンチェスター大学で学び卒業できたことを、誇りに思っています。しかし悩みがなかったわけではありません。大都市にある大規模な芸術大学と比較して、小規模なウィンチェスターでは、機材の使用やチューターの指導が、十分に行き届いています。そのため、学生は常にマイペースで制作することができます。そしてそのような環境では、学生が厳しい競争にさらされることはありません。しかし、競争の厳しい他大学の作品を見ると、自分たちの大学ではあまり見ることのできない、強い作品に出会います。そのため、自分自身の可能性を高めるために、より競争の厳しい、刺激の多い大学への転入することを考えた時期があったそうです。

最終的にウィンチェスターに残ることを決意した理由は、十分な機材を自由に使用できる恵まれた作業環境と、丁寧に指導してくれるチューター、そして多くのインスピレーションを与えてくれる、のどかな古都ウィンチェスターという環境でした。自分自身の方向性がまだ見出せないときは、競争的な中でアイデアを見出すことができると考えていました。しかし、ひとたび自分自身の方向性が定まると、ウィンチェスターでの制作が何よりも重要に感じられたそうです。




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