イギリスのイーストアングリア大学で開発学を学ぶ卒業生が遊びに来てくれました。在学中に英検1級を取得し、留学先にもファウンデーションコース(学部入学の準備コース)を経ずストレートで入学したという友光さん。ディスカッションやフィールドワーク(野外調査)など、刺激的な留学生活を満喫しているようです。
イギリス・イーストアングリア大学 開発学専攻
英語本科・上級英語専攻 07年卒業
東京都立大泉高校出身
A 簡単に言ってしまうと、‘貧困はなぜ起こるのか?’解消の鍵を探る学問です。一口に貧しいと言っても、原因が色々と絡み合っているんですよね。宗教対立があったり、利益を巡る抗争があったり。私のいる大学では、開発経済、開発社会、天然資源、と3つの専攻があり、それぞれの視点から現状を分析し何ができるのか考えていきます。1年の前期は3分野の導入部分を学び、後期に2分野を選択、最終的に1つに絞ります。
A 英語本科を卒業後、海外の大学で学ぼうとは考えていたのですが、最初は学費の安いカナダで勉強しようと思っていました。イギリスを選んだのは、結婚した相手がイギリス人だったからです。笑)
英語本科での勉強がきっかけで途上国について興味を持ち、グアテマラ人の友人に誘われてインドのスタディツアーに参加したりしました。現場を見て感じたのが、経済的な面から変革を起こせないかということです。貧困地では目先の収入を得るために伐採や乱獲などが起こりがちで、持続可能な資源の利用が行われていないんです。その結果資源が枯渇し貧しくなってしまう。その悪循環を断ち切る方法を見つけたいと思いました。
A 専門科目ばかりなので面白いです。どの授業もレクチャー(講義)と小グループで行うセミナーで構成されていて、セミナーではプレゼンテーションや議論を行います。学生参加型の授業です。フィールドワークもあり、大学の外に出て調査をすることもあります。特に面白かったのは大学の裏手で土堀りをしたこと。天然資源の授業の植林プロジェクトの一環で、地層を分析し、どういう土にどういう木を植えるのが効果的か学ぶのが目的でした。
A 今はイギリス東南部にあるNorwichという街に住んでいます。ロンドンから2時間、ケンブリッジから1時間ほどの所です。何でもある便利な街ですが、ちょっと郊外に出ると牧草地が広がっていて、イギリスの田舎らしい景色が望めます。休みの日は家族でエリザベス女王の別荘のあるクロマという港町でお茶をしたり、footpath(イギリス全土に張り巡らされている、公共・私有地の区別なく通行の権利が認められた散策路)を散歩したりとのんびり過ごしています。
A なるべく開発学に携われる仕事をイギリスで見つけたいと思っています。イギリスでは新卒採用は一般的でないので大変だと思いますが、頑張って探していきたいですね。
A 漠然と海外に行きたいというのではなく、海外就職なのか留学なのかワーキングホリデーなのか、まずはどんな形態で行くのが一番自分に合っているのかよく検討して準備を進めることが大切だと思います。日本にいる間にどれだけ準備できるかがその後の展開を左右してきますので、チャンスを有効に使ってください。英語本科は、先生方が手取り足取り力を伸ばす方法や進路の選び方を教えてくれる所です。私も英語本科があってこそ今の自分があると思っています。身になるアドバイスや課題を沢山もらえるこの期間を大切にして、頑張ってください!