オーストラリア留学現地レポート

REPORTER

神奈川県立横浜国際高校出身 
オーストラリア留学コース2011年卒

グリフィス大学 ツーリズム/ホテルマネジメント専攻(3年制)

2014年1月

 

真夏のクリスマス!

クリスマスが近くなってきたので、街にはクリスマスの飾りつけが増えてきました!でも、オーストラリアのクリスマスは夏なのであまりクリスマスという実感は湧きませんが…

少し前になりますが、南半球にあるオーストラリアは真夏のクリスマスを迎えました。ショッピングセンターや街には、クリスマスツリーやクリスマスの飾りつけがされますが、どうもクリスマスといえば冬とういうイメージが強い私には、何年経っても夏のクリスマスに違和感を感じてしまいます(笑)
 
そんなクリスマス気分?が高まる季節に大学は学期末テストが終わり、夏休みに入りました。
 
年末年始は日本に帰国する予定もなかったので、夏休みは以前から勤めている日本食レストランでのアルバイトに明け暮れていました。そこで、今回はオーストラリアでのアルバイト事情についてレポートしたいと思います。

オーストラリアでのアルバイト事情

アルバイト先での様子。このように、レストランでは浴衣を着て接客しています。ちなみに、私の隣に写っているのはJCFLオーストラリア留学科の一つ上の先輩!こちらで偶然会ったのですが、アルバイトをすることによって人との出会いも増えますね。

まず、オーストラリアでは留学生がアルバイトできる時間が週に20時間以内と定められています。これは勉強に支障をきたさない為に定められているのですが、働く場所や職種についてはレストラン、カフェ、キッチンハンド(シェフのサポート)、レジ、クリーナー(掃除担当)など大学外でさまざまな職種に就くことができます。ちなみに、私は現在働いているレストランの前にブリスベン市内にあるホテルでハウスキーパー(ホテルの部屋を掃除する人)として働いたことがあります。
 
それから、仕事を得るためにはResumeと呼ばれる履歴書を作成しなければいけません。Resumeは日本の履歴書とは少し違い、顔写真や年齢などは不要でワープロで一枚にまとめて作成するのが基本です。このResumeを作成するときは、職歴(アルバイト経験)、学歴、資格を箇条書きにし、簡潔で読みやすいものを作るように心がけるのがポイントです。
 
また、アルバイトの探し方・応募方法については、現地の求人サイトか日本人向けのサイトを使って応募するのが一般的です。しかし、こちらでは求人募集の張り紙が貼ってあるお店に直接Resumeを持っていくという積極的なアプローチも主流です。
 
なので、気になるお店があったらすぐにResumeを渡せるように何枚も印刷しておいた方が良いと思います。

アルバイトで使える資格

大学の休みを利用して、友達とゴールドコーストの近くにある、Mt.Tamborineと呼ばれる山にハイキングに行ったときの風景。緑がたくさんあり、とてもリフレッシュできた一日でした。

気になるお給料についてですが、もちろん就く仕事によって給料は異なりますが、全体の平均的な時給はだいたい$15~$25(約1400円~2300円)くらいになります。日本のアルバイトと比べるとかなり良い時給だなと感じるかもしれませんが、その分オーストラリアは物価が高いので(コーラ500ml 一本 $3.5くらい)日本より高いお給料をもらうことができます。また、オーストラリアはアメリカのようにウェイターやウェイトレスに対してチップをあげるという文化はそれほど根強くありませんが、中にはチップをくれるお客さんもいます。そういったチップでお給料のプラスアルファを稼ぐこともできますし、チップをもらうことによってより良いサービスを提供しようというやる気にもつながります。
 
と、こんな感じでオーストラリアでのアルバイトの探し方、Resumeのポイント、お給料についてざっと紹介しましたが、アルバイトをするにあたり必要な資格もあります。例えば、レストランで仕事をするならRSA (Responsible Service of Alcohol)というお店でお酒を販売、提供するために必要な資格を持っていないと働くことができません。また、カフェで仕事をするにはバリスタというコーヒーを作る資格を持っている人の方が、持っていない人より断然有利に職に就くことができます。
 
こうした資格は各学校やオンラインで1日で簡単に取得することができるので、オーストラリアでアルバイト経験をしてみたいという方は現地到着後、早めにこういった資格を取得された方が良いと思います。

アルバイトで学校では学べないことを学ぼう

海外でアルバイトを経験することによって、私自身授業では学ぶことのできない実践的な英語が得られたなと感じます。お客さんとのやりとりはもちろんのこと、日本料理の説明、食べ方などをすべて英語で提供することによって、かなり英語力が鍛えられます。また、英語力が高ければ高いほどさまざまな職に就けるチャンスが増えますし、十分な英語力があればローカルのお店(現地の人が経営しているお店)で働くことだってできるようになるはずです。
 
ただ、ひとつ気をつけてほしいのは現地到着後すぐにアルバイトを始めてほしくないことです。というのも、アルバイトに専念してしまって肝心な学業に支障を来してほしくないからです。やはり海外で仕事をするというのは、母国で仕事をするのと勝手が違いますし、私自身、大学の課題で忙しい時期は学業とアルバイトの両立で苦しむことが多々あります。なので、留学後に現地でアルバイト経験を積みたいと考えている方は、学生生活に十分慣れて、さらに英語力にある程度自信がついてから開始することをお勧めします。そうすれば、より濃い留学経験を得られると思います。

2014年5月

 

いよいよ卒業地前最後のオーストラリアの夏休み

キュランダ高原列車に乗って、いざキュランダ村へ出発!キュランダ村へはこの列車で2時間程かかります。

1月の初めに41度という記録的な暑さを観測したブリスベンは、夏も終わりに近づき徐々に朝、晩と冷え込むようになってきました。とはいえ、日中は暑い…。大学の図書館や映画館が夏休み中の私の避暑地になっていました(笑)。そんな暑い夏休み、アルバイト以外に私は何をしていたかというと、大学で行われる「サマーコース」というものを受講していました。ということで、今回はそのサマーコースの様子と、日本帰国前に訪れたケアンズについて書きたいと思います。

サマーコ-スでワインについて学ぶ

これが「世界の車窓から」のオープニングを10年間務めていたキュランダ鉄道の全貌。どことなく、見覚えがありますよね。

サマーコースとは日本語でいう夏期講習みたいなもので、夏休みの期間に集中して授業を行います。この授業で得た単位は普通の学期で得る単位と同等に扱われるので、私は大学の最後の授業として1月の下旬からこのサマーコースを取っていました。
 
サマーコースでは“Wine Studies”というオーストラリアのワインについて学ぶ少し変わった授業をとっていて、授業ではブドウの木の栽培方法やワインの作り方について学ぶ学問的な部分と、実際にワインを試飲してワインの種類について学ぶ実践的な授業が行われました。
 
通常13週間で行う授業内容を2週間で短期集中で行うので、ほぼ毎日のように大学に通い朝から夕方まで授業を受け、さらに通常の科目のようにグループワークやテストなどもあったりしてかなりハードな部分もありましたが、最後の授業で行ったワインのテイスティングテストでブドウの種類を見ずに、味覚と嗅覚だけで当てることができた時はとてもうれしかったですし、少しでもワインについて知識を増やすことができたのでとても良い経験でした。

卒業旅行でケアンズへ

シュノーケリングをしたフランクランドアイランドの風景。残念ながら、水が濁っていてあまり魚を見ることは出来なかったのですが、無人島でのんびりとした一日を過ごせました。

サマーコース終了後、日本帰国前に卒業旅行としてオーストラリアの東北部にあるケアンズに旅行をしに行きました。ケアンズはブリスベンと同じクイーンズランド州にあるのですが、亜熱帯地域にあるのでブリスベンとは違ってとても蒸し暑く、まるで日本の夏のようでびっくりしました。
 
ケアンズでは、「キュランダ高原列車」という「世界の車窓から」のオープニングを10年間務めた有名な列車に乗ってキュランダ村へ行ったり、「フランクランドアイランド」という世界遺産のグレートバリアリーフの一部で一日100人しか上陸することのできない無人島に行って、シュノーケリングに挑戦したりと観光客気分でオーストラリアで過ごす最後の数日を楽しみました。

留学で手に入れたもの

大学のすべての授業を取り終えたので日本に帰国しましたが、振り返ってみるとオーストラリアで過ごした2年8ヵ月という月日は本当にあっという間でした。正直、留学中は楽しいことだけでなく辛いことも多く、途中何度もめげそうになり、本当にここに来て良かったのかなと思い悩む時もありました。しかし、そのたびに周りにいる人が「大丈夫、あなたならできるよ」と励ましてくれたおかげで諦めずに最後まで辿り着くことができました。そしてなにより、この留学を通して人として成長することができ、どんな困難にも耐えうるタフな精神力を身に付けることができました。今は、日本の旅行会社への就職を目指して就職活動中。JCFL時代の担任の藤原先生やJCFL「就職キャリアセンター」にも相談しており、心強いです。
 
この貴重な経験は今後私の人生において役に立つと思いますし、思い切って留学という道を選択して良かったなと思います。確かに、母国を離れ知り合いもいない新しい環境の中で生活をしながら現地の学校に通うというのは勇気がいるし、不安もあると思います。しかし、勇気を振り絞って海外へ飛び出してみると、今まで気付かなかった考えや価値観、そして新しい光景に出会えると思います。なので、今少しでも留学という道を考えている方は、勇気を振り絞ってぜひ一歩踏み出して欲しいと思います。

2014年11月

 

いよいよ大学を卒業!今回が最後のレポートです!

大学でのすべての学びを終え、8月の卒業式を待つのみとなり、2月にいったん日本に帰国してから早くも半年が過ぎました。私はこの半年間、主に日本で就職活動を行っていたのですが、今回はその就職活動の様子と、待ちに待った大学の卒業式の様子を報告して留学現地レポートの最後を締めくくりたいと思います。

卒業前の就職活動・情報収集が大切

まず日本での就職活動についてですが、私は日本帰国後に本格的に就職活動を始めました。とはいえ、いくらマイペースな性格の私でも、就職のことを何も考えずにのんきに帰国したわけではありません(笑)。以前のレポートで少し触れましたが、長期休暇などで日本に一時帰国中にキャリアフォーラム(合同企業説明会)や会社説明会などに参加したり、留学中に現地ブリスベンで開かれた、オーストラリアの大学で勉強をしている日本人学生を対象にした就職セミナーに参加し、大学在学中から日本での就職に関していろいろと情報を集めていました。
 
その甲斐あってか、日本帰国後すぐに就職活動を開始することができたので、現在海外の大学に留学している方、またはこれから海外の大学へ留学をする方は、ぜひ留学生を対象にしたキャリアフォーラムや現地で開催される就職イベントなどが今はたくさんありますから、そういうところに積極的に行き情報収取を行っておくことをお勧めします。

「海外大学卒」での不利は全然ありません。
帰国して3ヵ月で内定を獲得できました!

私の場合は2月に学位課程をすべて終えているので「大学卒業者」として就活に挑みました。正直、就活を始める時には、日本の新卒の大学生とは異なる”既卒”という扱いに不安がありました。日本の就職というと、どうしても新卒の学生を重要視するものだと思い込んでいたんです。でも、実際に履歴書やエントリーシートを書いて送ってみると問題はありませんでしたね。
 
そして、幸いにも履歴書で興味を持っていただいた数社から面接のお誘いを頂き、採用面接を受け、5月下旬に無事に旅行会社から内定をもらいました!晴れて来年の4月から社会人として働き始めます!

就職活動で学んだこと。「正規留学」の経験で普通の学生との差別化ができた。

今回の就職活動を経て私は、自分の固定観念で物事を捉えてはいけないこと、そしてあきらめずに熱意を持ってアプローチをすることの大切さを学びました。そうしたスタンスを実行できたのも、留学を通して得た持ち前の積極性と行動力のおかげかもしれません。そして、面接までたどり着いたら自分がいかに日本の学生と違うことを行ってきたのかを話し、差別化を図ることです。
 
正規留学というのは、誰もができる経験ではないですし、留学生活の中で得たもの感じたものは必ずあると思います。また、人それぞれどうして海外大学留学という道を選んだのかその理由があると思います。そうした事柄を掘り下げて具体的に話すことが面接では大事なのかなと思います。私はオーストラリアで観光学を専攻していたので、やはり「旅行会社で働きたい」という思いが強くありました。結果として希望通り旅行会社で働くことが決まって今は嬉しさでいっぱいです。
 
これもやはり私の「正規留学経験」を評価してもらえたのだと思います。

待ちに待った卒業式。達成感でいっぱいです!

さて、話は変わって待望の卒業式についてですが、8月の上旬に行われた卒業式のために、一週間程ブリスベンに戻っていました。もう大学生ではないので勉強のプレッシャーから解放され、観光客気分で一週間のブリスベン滞在を楽しむことができました(笑)。また式では久しぶりに友人たちと再会し、お互いの3年間の頑張りをたたえ合うことができ本当に良い一日となりました。
 
やはり海外の大学は入るのは簡単だが卒業するのが大変と言われている通り、勉強漬けの日々だったのでたくさんの苦労がありましたが、その分とても充実した大学生生活だったので、卒業式ではすべてをやり終えた達成感でいっぱいでした。また、半年ぶりにブリスベンに住むホストファミリーとも再会することができ、本当に良い夏の思い出になりました。

【左】卒業式の様子。壇上にいる赤いアカデミックガウンを着ている人たちは
大学の教授たちです。また卒業生も学士課程、修士課程、博士課程と
どの課程を修了したかによって微妙に着ているガウンの形が異なります。
【右】卒業式会場にて母親も卒業式のために一緒にブリスベンまで来てくれました。

最後に、今まで読んでくださったみなさんへ。

ブリスベンリバーの前で。このオーストラリアの青い空がとても恋しいです。

つたない文章ではありますが、今まで私の留学現地レポートを読んでくださりありがとうございました。
 
このレポートを通して少しでも海外留学やオーストラリアについて興味を持ってもらえたら嬉しいです。また、このレポートを読んで現在留学中の方の励みになれば光栄です。
 
時々、JCFLで行われる留学科の卒業生ライブに卒業生として出席しているので、機会があればぜひそこでお会いしましょう。
 
それでは、みなさんの留学生活が実りあるものになりますように。