カナダ留学現地レポート

REPORTER

新潟県立巻高校出身 
アメリカ・カナダ留学コース2007年卒

ナイアガラ・カレッジ
Applied Business Hospitality Operation Management専攻(4年制)

2009年3月

 

2月のカナダ

気合いの入ったクリスマス

皆さん、お元気ですか? 冬もようやく本格化してきましたね。前回のレポートを書いた頃は、外の景色はまだ「うっすらと雪化粧」だったのに、今ではもう完璧に「厚化粧」状態です。(カナダ本領発揮!!) 特にWellandは周辺のNiagara FallsやNiagara-on-the-Lakeと比べると、今年は降雪量が圧倒的に多い気がします。
 
でも僕は雪国、新潟県出身者として雪に負ける訳には参りません。ここ最近では、雪の中、吹雪の中、力強く自転車のペダルをこぎ続ける学校までの15分は、まさに雪との真剣勝負です(笑)さぁ、こんなMachikaが今回もカナダ、ウェランドからNiagara Collegeのエキスがたくさん詰まったレポートをお届けします。

ラストスパート!!

ワインピラミッドと一緒に

いよいよ最後の学期がスタートしました。今学期はCookingの様な実習系の授業がなく、ほとんどがレクチャー系の授業なのでリスニングが苦手な僕にとっては少し厳しい学期になりそうです(汗
 
それでもマクロ経済学やワイン醸造学など内容的には非常に興味のある授業ばかりなので、これから残り3ヶ月とても楽しみです。特にワイン醸造学の授業はユニークで、近くのワイナリーにクラスで見学に行ったり、授業中にワインテイスティングをしたりとNiagara Collegeならではの授業です。

【上】広大なブドウ畑
【下】バーレル(貯蔵用の樽):ワイン醸造中

さすがカナダで唯一ワイン醸造学を学べる学校なだけあります。ちなみに先日もNiagara-on-the-Lakeにある3大ワイナリーの1つに行き、白ワイン2本、赤ワイン1本、そしてナイアガラ名物のアイスワインをテイスティングしてきました。初めてのアイスワインだったので、あのワインとは思えない甘さには少々感動してしまいました。
 
また、今学期は最後の学期と言う事で、ラストスパートとして通常の時間帯のクラスに加えてミクロ経済学を夜間で受講しています。僕のプログラムではマクロ経済学しかカリキュラムに組み込まれていないのですが、「せっかく経済学を勉強するならミクロも勉強するべき」という友人の勧めもあり、忙しい学期になりますが頑張ってこなしています。ただ、留学生が1人なのと教授が経済の話の中でやたらと日本を出すので、たまにいろんな意味で恥ずかしくなります 笑)

英語の上達

ナイアガラ産アイスワイン

もうカナダに来て何ヶ月が経ったでしょうか… 長期留学と呼べるだけの期間を既にカナダで過ごしている訳ですが、自分は英語力をつけてきているのだろうか… 最近しばしばこんな事を考えます。もちろん、カナダに来たばかりの頃と比べれば、コミュニケーション能力などはだいぶ良くなったと思います。ただ、Niagara Collegeは少人数制のため、対話、ディスカッション形式の授業が多いのですが、聴き取って内容を理解する事はできても、現地の人達みたいに積極的に発言していくことはまだ少し難しい感じです。
 
まぁ、性格上の問題もあるのかも知れませんが。でも英語力が無いと嘆いてばかりもいられません。いくつかの授業では、Case Studyなどのグループワークが頻繁にあるので、自分の発言、積極性がグループの評価に大きく関わってきます。正直、前学期はグループのメンバーに迷惑をかけてしまった部分が多分大きいので、今学期はなんとか迷惑をかけないように予習などを上手く利用しながら、もっと積極的に質問、発言していきたいと思います。そして英語力だけでなく、その問題に対する背景知識、論理的な思考力を同時に高めることも質の高い意見を交換するために必要だと思っています。

2009年8月

 

Happy Graduation from Niagara College

With 日本人留学生仲間

一昨年の夏、僕は何をしていた? あぁ、カナダに来てまだわからない事だらけで、コミュニケーションもままならないまま、ESLの一番上のクラスでもがいていたっけ? 去年の夏はどうしてた? 憧れのプリンスエドワードアイランドで実習してたよなぁ。それじゃあ今年は? 今の僕には何が見える?
 
この夏、僕の目に映るのは青々と茂るメープルの木々や赤土の美しい海岸じゃありません。まだ梅雨はあけず、空は夏らしい「快晴」という笑顔を見せてはくれませんが、大地を見渡せばそこにはまだ若い「コシヒカリ」達が美しい緑のカーペットとなって広がっています。そう、僕は今、地元新潟県にいます。
 
卒業式先月6月10日、遂にNiagara College: Hospitality Management Hotel and Restaurant コースを卒業することが出来ました。「卒業」、言葉にすればたった2文字ですが、言語の壁、文化の壁、人種差別など、ここまで来るのに非常に多くの試練があり、それを乗り越えるための努力と根性、そして自分を支えてくれる多くの先生、友人、家族があって初めてたどり着く事のできた到達点だと思います。

ホストマザーと一緒に

この2年間、常に「挫折」という言葉と隣り合わせで、無我夢中にここまで全力で走ってきました。走っている時は自分の選んだ進路に不安を抱く事もしばしばでした。
 
しかし、卒業式でDiplomaをお世話になった教授から授与して頂き、初めて自分の努力の軌跡を振り返った時、胸に感じたのは今まで味わった事の無い感動と今まで自分のやってきた事、「正規留学」に挑戦した事、Niagara Collegeを選んだ事、全てが間違いでは無かったのだと言う確信でした。

Turning Point~更なる高みへ~

クラスメイト&教授

「正規留学」という形でカナダにおいて勉強を続けてきましたが、Diploma獲得と言う形で今ようやく一段落つきました。それと同時に僕は今一度人生の岐路に立っています。就職、進学、いくつかの選択肢が僕の前に広がっていますが、果たして自分に「最も良い選択」とはどれなのか? そもそも「最も良い選択」の定義とは? この問いを自分自身にした時に僕の場合、「後悔の無い選択」こそが「最も良い選択」だと常に思っています。
 
自分に正直になった時、もっとカナダでHospitalityを学びたいという気持ちが心のどこかでくすぶっています。 映画「Rocky」じゃありませんが、この気持ちに背いて後悔しないため、僕は再び挑戦者としてNiagara Collegeの4年制の3年時に編入し、もう2年間、Hospitality Managementを学ぶことに決めました。授業は難しくなり、今度もうまく行く保証なんてありはしませんが、この選択が現時点では僕にとって「後悔の無い選択」であり「最も良い選択」であると信じています。

2年間の留学を終えて…

ESLのショーンさん

最後に留学を通して最もプラスになった事は、英語の上達でもカナダの文化を学べた事でもなく、日本を外の世界から見つめる事ができたことです。今日、日本が世界でどのように思われているのか? 日本語、日本人の良さとは? 日本国内からではなかなか見えない、普段意識しないような事に自然と目が向くようになり、僕の場合結果として自分が日本人であることを誇りに思えるようになりました。
 
また、日本から留学をしてみて思うのは、アメリカやヨーロッパに行ってただ英語が少し話せるようになったり、欧米でただ生活ができるでは意味が無いということです。留学するという事は「欧米化」するのではなく、「国際化」して初めて価値あるものになるのではないでしょうか。日本人としての自覚と誇りを持ち、他国の良いところを吸収し応用する。偉大なる先人達はそのようにして今日の日本の文化を築いてきたし、これからの時代を担う僕達もそのような姿勢は大切にしていくべきだとこの2年間を通じ強く思いました。 

2009年12月

 

Happy Graduation from Niagara College

授業で飲んだ赤ワイン

Niagara Collegeの2年制のプログラムを6月に卒業し、2年間の留学生活を振り返ってレポートを書いてから早くも半年が過ぎようとしています。今日、僕の目の前には地元新潟の雪景色ではなく、去年と同じくカナダ、ウェランドの雪景色が広がっています。
 
そして相変わらずの豪雪と極寒の中、「まだいける、まだいける」と心で唱えながらマウンテンバイクのペダルをこいでいます 笑)まだ今年の冬は始まったばかりですが、「雨にも負けず! 風にも負けず!! 雪にも負けず!!!」の精神で残り数ヶ月間、相棒のマウンテンバイク(3代目:過去の2台は再起不能となりスクラップになりました 泣)と共に頑張っていきたいと思います。本当はスノーストームにも負けたく無いのですが、ホストマザーに「死ぬから止めなさい!!」と言われてからはさすがにスノーストームの日だけは乗らないようにしています 笑)

Welcome back to Niagara College!!

白ワインとそれに合う料理

前回のレポートに書いた通り、この10月から僕は再びNiagara Collegeで勉強を始めました。Bachelor of Applied Business Hospitality Operation Managementプログラムの3年時に編入し、新しい教授陣、新しいクラスメイト達と共に日々勉強に勤しむ生活を送っています。
 
クラスは全員合わせても30人くらいで時間割も一種類しかないので、まるで高校時代に戻ったみたいに皆それなりに仲が良いです。教授もとてもフレンドリーな方々が多く、学生との距離もかなり近くて快適です。もう既に編入して最初の秋学期が終わってしまったのですが、全体的な感想としてより高度な内容を学んでいる感じがして非常に魅力的なプログラムだと思います。

Machika's Christmas 2009

前のプログラムでは主にホテルやレストランに関する実技や即戦力のための基本的な知識に重点が置かれていたような印象でしたが、 今のプログラムはより経営に重点を置いた内容となっている気がします。ただ実技系の授業が全く無い訳ではなく、例えば今学期では、実際にワイン(50種類程飲みました)と料理を食べながら行う「ワインとフードマッチング」の授業などNiagara College独特の授業も展開されました。
 
また、 前のプログラムからの一つの大きな変化として、扱う対象がホテルやレストランだけでなくワイナリーや旅行会社なども本格的に含むようになり、より学習する幅が広がったのを実感します。このプログラムも夏に長期のインターンシップを含んでいるのですが学習範囲が観光業界やワイナリーも若干含むようになった事で、ホテルやレストランだけでなく一部の旅行会社やワイナリーでもインターンシップができる可能性が出てきたのも魅力の一つです。

3度目のMerry Christmas & Happy New Year

クリスマス用のデコレーション

さて、先日こちらカナダでもクリスマスと新年の行事が一通り終わりました。僕は他の留学生の中では大変珍しく、もう既に同じホームステイ先に3年近く住んでいます。カナダでのクリスマスと新年を迎えるのも今回で3度目となりました。
 
クリスマスと新年はホストマザーのお兄さんの家に一族大集合し、ご飯を食べ、その後に皆でゲームをするのが毎年の恒例となっています。今年はWii SportsとTabooとターキー解体ショーいうゲームを10人くらいでやりました。最初の年は緊張してほとんど喋ったりできなかった自分も、今ではすっかり一緒にゲームに参加し、腹の底から大笑いできるようになりました。

ターキー解体ショー

これは英語力の上達だけでなく、やはり3年近く一緒に過ごして築き上げてきたそれなりの信頼関係のおかげかなと思っています。
 
友達は不便だから早くセントキャサリンに引っ越した方が良いと僕によく言いますが、こうした機会に年々関係が良くなっているのを実感すると簡単には引っ越しはできませんよね? そう思いませんか?