カナダ留学現地レポート

REPORTER

栃木県立宇都宮北高校出身 
アメリカ・カナダ留学コース2008年卒

メディスン・ハット・カレッジ
Child & Youth Care専攻

BACKNUMBER

2008年5月

 

憧れのカナダに到着

Friday Night ホストファミリーと夕食

カナダに来てから半月が過ぎました。
 
メディスンハットはきれいな町です。空が大きくて、家のすぐ近くに野生の鹿、リス、プレーリードッグのような動物がいます。牧場が果てしなく広がっています。車があればデパートや映画館、プールにもすぐ行けます。

ホストファミリー

バンクーバーからの先生、ESLの日本人2人抽選でTシャツが当たった!

私はホストファミリーに恵まれ、ここでの生活を満喫しています!ホストマザーはヨガの先生で、週に一度彼女のスタジオに通っています。前回は、バンクーバーから有名な先生が来てLaughter Yogaをしました。みんな1時間狂ったように笑い続けました(笑)お腹の底から笑うことで、心も体も健康にしようというレッスンです。みんなたくさん汗をかいて、頭痛が治った人も何人かいました。先生は、普段の生活でも物事を真剣に考えすぎず、笑い飛ばせばいいと言っていました。私たち留学生にとっても大切な言葉だと感じます。
 
ホストファザーはカヌー、スキー、シューティングなどのコーチで、私も1度カヌーを体験しました。腕が疲れたけれど、とても気持ちが良かったです。ビーバーも泳いでいました!先住民の女の子も参加していて、「コンニチハ」と言ってくれました。今度カヌーのキャンプを予定しているので楽しみです。
 
家にはポケモンが大好きな5歳と7歳の男の子がいます。事前にメールで彼らの好きなものを聞いていたので、お土産をすごく喜んでくれました。パンダのぬいぐるみに自分のパンツをはかせて楽しんでいる面白い子供たちです。

ESLがスタート

ヒルスプリング(ペットボトルを隣の人に渡していって、音楽が止まったときに持っていたら輪から抜けるという)ゲーム。最後まで残っていた人が勝ち

10日前からESLが始まりました。初日に、みんなでヒルスプリングという山へ行ってカナダの伝統的なダンスを7つ踊りました。積極的に話しかけて、たくさん友達を作りました。私と、同じJC出身の女性は無事トップのクラスに入りました。ここには全部で10人もの日本人がいて、毎日日本語を話す機会があります。でも、私と彼女はいつも英語で会話することを心がけています。全て自分たちの努力次第です。JCFLでの勉強のおかげで、日常会話をスムーズにでき、授業中もたくさん発言できます。本当に1年頑張って良かったです。

2008年6月

 

すっかり夏になりました

この場所は2日前まで散歩道!川の水位が急に上がり、ファミリーと安全にカヌー

6月の中旬からすっかり夏らしくなりました。ここは砂漠地帯なので朝晩は少し冷えますが、日中は日焼け止めが欠かせません。週末は、近所の子供たちと庭のプールで遊んだり、友達とビリヤードや卓球をしに行ったり、ホストファミリーとサイクリングやローラーブレードをしたりしています。

ESLの授業

小学校のお祭りにて。この子は新聞のトップ記事を飾ったアヒルの子供!なんて平和なんだメディスン!

今週でESL一学期が終了します。JCFLでは毎日たくさんの単語を覚えるのに必死でしたが、ここでは一つの単語をあらゆる場面で使いこなせるよう訓練しています。リーディングや映画鑑賞の授業では、先生の言った答えを覚えるのではなく、自分たちでそれを導き出します。また、小説や論文は持ち込み不可なので、内容を全て頭に入れて試験に臨みます。

ボランティア行事に参加

コネクションで仲良くなったアシュトンと。ちらりと見える男性は日本人留学生のホストファザー。私たちのチームはレースで最下位(泣)

カナダではお金をあまり使わずに1日楽しめる活動がたくさんあります。カナダ人の友達を作ろうと思い、コネクションという若者の交流を深めるボランティア行事に参加しました。グループに分かれ、手がかりから目的地を探してミッションをクリアし、最終目的地に最初に到着したチームの勝利です。最初の手がかりは “The biggest court that has no lines, hoops or nets”. Law court(裁判所)ではないかと提案すると、みんなそれだ!と車を走らせましたが、次の手がかりが見当たりません。するとメンバーのステファニーがFood courtだ!と。急いでモールへ行くと女性が待っていて、第一ミッションが告げられました。「各自フードコートにいる知らない人に自分の恥ずかしい話をせよ。」これが私たちの一番恥ずかしい思い出になりました(笑)

人々が生き生きと暮らすカナダ

なんと私たち3人共抽選が当たり、オーストラリアの登山家、ウォレン マクドナルドさんとロッククライミングできることに!

カナダに来て強く感じるのは、みんなが「ふつうに」生活しているということです。バスの運転手と会話するダウン症の人、お祭りではしゃぐ妊婦さんたち、気管開口術を受けたおしゃべりな隣人さん、毎日学校やバスで会う小人症の人たち。
 
彼らを見て、私は自分に差別の心があることに気が付きました。日本では、障害者のドキュメンタリー番組は観られますが、彼らのコメディー番組はありません。全ての人が自由に生き生きと過ごせる点が、カナダの美しさだと思います。

2008年7月

 

キャンプで乗馬体験

7月1日カナダデイで、ファッションショーのモデルに。韓国、コンゴ、ナイジェリア、カナダ(カウボーイ)などの民族衣装

“If there is a will, there is a way” をスローガンに、ファミリーと隣のサスカチュワン州へ4日間キャンプに行きました。ここで乗馬初体験!3歳の男の子も一人で乗っていて驚きました。何の説明もなく15頭の馬が列をなして歩き始め、そのまま道なき道を1時間ほど散歩しました。最初は怖くてたまりませんでしたが、だんだん慣れてくると風が心地よく感じられました。

アクティブなホストファミリー

ハワイアンパーティー。夕食はなぜかタイ料理。右からキム、ドーン、ローレン、私、メリッサ、ゆりな

また、マニトバ州で1週間バイアスロンキャンプに参加しました。カルガリーから飛行機で1時間半かかります。これはホストファザーが毎月主催している強化合宿で、年齢の近い人がたくさんいて楽しかったです。ここではシューティングに挑戦しました。はるか遠くから5センチの的を狙うのには多大な集中力を要しましたが、5つの的全てを連続で打てた時は感動でした。
 
その後イチゴ、ブルーベリー、ラズベリー摘みに出かけ、夜はみんなで薪をくべる古風なサウナ(100度!)と湖を行ったりきたりしました。湖は水深3メートルですが、ホストブラザー(6歳と7歳)は何度も飛び込んでいて、カナダの子供たちは度胸があるなと感じました。

前回紹介したコネクションのイベントで。写真はウェイクボード。100人が参加し、他にウォータースキー、ジェットスキー、チュービングを楽しみました。昼食夕食込みで1,000円!

私たちが宿泊したコテージは全てがオーナーの手作りで、ブラザーと外にあるヒノキのおふろが気入り、1時間浸かっていました。そして、コテージから見える遠くの小さな島へカヌーで行きました。カヌーはこれで4回目です。帰りはなんとファザーが泳いで戻ると言い出し、ライフジャケットなしでコテージまで泳いだのです!しかも途中で子供たちも加わりました。本当にクレイジーなファミリーです。

トラブルに負けず頑張ってます

左ポリーナ(メキシコ)と毎週末会ってます。おすし屋さんに行ったり、サルサを教わったり、メキシカン料理を作ったり、お泊まり会をしたりました

今年は志願者が多いため、予定していたChild and Youth Careを専攻できなくなってしまいました。代わりにジェネラルスタディーズでこの専攻に必要な科目をいくつかとり、冬学期に空きが出たら入れます。この件に関して大学の留学生アドバイザーとトラブルがあり、悲しい思いをしましたが、たくさんの友達に励まされ、そして何より、カナダ留学科の先生には速やかに対応して頂けただけでなく、大きな心の支えとなって頂きました。こうして今笑っていられるのも先生のおかげです。本当にありがとうございました。

2008年10月

 

新しいホストファミリー

ボーリング場を貸し切って仮装パーティー。私のチームは女性用パンツをかぶりました

9月に入って急に寒くなったと思っていたら、10月中旬にもう初雪が降りました。少し前までは見事な紅葉に目を奪われていましたが、今では木々も裸で少し寂し気な様子です。
 
ホストファミリーの事情により、新しいファミリーのもとへ越してきました。料理上手なマザーと、明るく元気な6歳の女の子の家庭です。メディスンハットでは離婚率が80パーセント以上で、シングルのホストマザーは全く珍しくありません。中国人のルームメイトがいるのですが、もうすぐ引っ越してしまいます。シスターと美容師やメイクアップごっこをしたり、マザーと映画や買い物に行ったりして楽しんでいます。

チャイルドケアのコースに入れました!!

これがメディスンハットカレッジ

さて、私は無事にChild & youth care counselor を専攻することができました!オリエンテーションの次の日に辞退した人がいたからです。なので、学科全員で行く1泊2日のキャンプに間に合いました。学校からバスで1時間のところにあるエルクウォーターで、信頼ゲーム、ジップライン(綱渡りとバンジージャンプのようなもの)、劇などを通じてクラスメイトとの親交を深めました。夜は、暖炉の周りで各人が持参した「自分を表す物」を使い、自分はどんな人かを発表しました。私は日本食の料理本を見せながら、日本食と日本人の特徴における共通点と、他のアジア、欧米文化との比較を自分なりに分析してみました。みんなとても感動してくれて、日本のことを少しでも理解してもらえたことを嬉しく思いました。驚いたのは、たくさんの生徒が涙ながらに大切な人の形見について話をしたことです。先生は「自分のつらい過去や弱さを出せるということは、周りの人たちも、あなたにそういう面を見せられるということよ」と私たちに伝えてくれました。

大学での勉強

サンクスギビング。親戚一同が集合し、お腹が痛くなるまで食べました

最近の生活は、ひたすら読んで打っているという感じです。青少年と子供のケア、心理学、セラピーコミュニケーション(講義とグループワーク)、文学、パソコンの授業を取っています。
 
中でも大変なのは、カナダ人でも単位を落としやすいという文学。最初の講義で進度の速さと難しさに圧倒され、授業にいくのが憂鬱でした。しかし、3回目の講義で、教授の「文学を学ぶ意義」についての話に感銘を受け、私は読書が好きで、国語が得意だったことを思い出しました。それからは楽しんで授業に参加しています。積極的に発言もできるようになりました。授業後は必ず教授に質問をしにいき、帰宅が夜の9時半を回ることもしばしばです。

エルクウォーターにて

また、80人の学生がいるコミュニケーションの前回の講義では、麻薬中毒患者の番組を観ました。あまりに悲惨な現実に体が震えてしまうほどでした。逆に、グループワークでは8人の仲間たちと、言葉の言い換えや感情の反映を和気藹々と練習しています。毎週エッセーの宿題があり、普段の生活の中で、どれほど授業で培ったスキルを使いこなせているかについて論じます。
 
私の今週の目標は、相手に意見したり、責任感なく相手を安堵させたりせずに話を聞くことです。この学科では、自分の意見を主張することよりも、人を受け入れることの方が重要なのです。みなさん留学先で授業についていけるか心配だと思います。私もその一人でした。しかし、努力をすれば留学生でも良い成績を修めることができると、この2ヶ月で実感しました。

2008年12月

 

半年での英語力の変化

チャイルドケアの授業で、1時間のプレゼンの準備。左からスカイラ、ダン、マーセラ、私

さむーい!!12月に入り連日マイナス30度を下回り、外に出て間もなく鼻の中まで凍ります(笑)。バスの待ち時間がかなり苦しいです。
 
カナダに来て半年が経ち、早くも秋学期が終了しました。期末試験はとてもハードで、同時に大きな課題が2つ出された時は驚きました。英語力はというと、書く力は伸びたかなと思います。文法のミスが減りました。スピーキングは、英語を話さない人からするとペラペラに聞こえるかもしれませんが、日本語を話す時に比べると断然静かです。1年カナダにいれば、ネイティブみたいになれるという考えは甘かった(笑)。自分の気持ちをカナダ人のノリに合わせると話しやすいです。読んだり聞いたりはあまり変わっていない気がします。

新しいクラブ活動を始めました

チャイルドケアクラブ”Trick or Eat!”

2つのクラブに入部しました。ひとつはチャイルドケアクラブ。人の役に立つことなら何でも行います。ハロウィーンでは”Trick or Eat!”と言いながら、グループごとに家を回ってフードバンクに寄付する食べ物を募りました。楽しそうな仮装パーティーに誘われて迷いましたが、少しでも多くの人がお腹いっぱいになればいいなと思い、こちらの活動に参加しました。実際とても有意義な夜でした。カナダ人の大らかさと温かさに触れることができ、同じ分野で学ぶ仲間たちと情報交換をしました。一夜で80キロ近くの食べ物が集まりました!

インターナショナルクラブのソーラン節。この時学校に日本人は全部で20人以上いました

もうひとつは、様々な文化をみんなに知ってもらおうというインターナショナルクラブ。11月第2週目のインターナショナルウィークでは、タイや中華料理のレストランからもらった食事を配ったり、世界各国のファッションショーを行ったりしました。私たち日本人はソーラン節を踊りました。1ヶ月にわたる練習はハードで、細かいところまで指導されました。当日は手作りのTシャツにはちまきの巻き方も揃え、カフェテリアは大いに盛り上がりました。終わった瞬間は達成感でいっぱいでした。最初は、日本語で日本人の価値観の中で生活することに違和感を覚えましたが、その分本物の日本をみんなに披露できて良かったです。また、見に来ていたコネクション(レポート第1回参照)のリーダーに是非と言われ、150人が参加したクリスマスパーティーでも踊りました。

ボランティアをはじめました

コネクション主催のクリスマスパーティー。左にいるのはJCFL出身者

そしてBig Brothers& Sistersのボランティアも始めました。これは両親、または自身が問題を抱えている(ドラッグ、暴力、対人恐怖症など)子供たちと一緒に週に1度遊ぶというものです。始めるにあたって、揃えなければならない書類がたくさんあったり、2時間に及ぶ面接を受けたりと大変でした。カナダのボランティア団体を色々調べましたが、どれもとても真剣に取り組んでいるものばかりです。前回は、ショッピングモールでポップコーンを売りながら、クリスマスのプレゼントをラッピングしました。子供たちに折鶴をあげたら、喜んでお返しの工作をくれた子や、無言でずっと鶴を見ている子もいました。ツリーやサンタが折れたら良かったなと思います。やはり渡航前に日本文化を知っておくことは大切です。JCFLで学んだ日本庭園と日本の心理学の知識はこちらでとても役に立っています。