アイルランド留学現地レポート2008年1月
休暇にゴールウェイへ
【上】イニシュモア島の険しい崖。波によって下の方が侵食されています フェリーでイニシュモア島という小さな島に行き、そこで一泊しました。イニシュモア島はゲール語が今でも日常語として使われているアラン諸島の中で一番大きな島です。とはいっても人口は1000人以下で、村の中心を外れると馬や牛の方が多いくらいです。本当はこののどかな景色を眺めながらサイクリングを楽しみたかったのですが、あいにく雨が降ってしまったのでミニバスでの観光ツアーとなりました。島の裏側までバスで行き、そこから歩いて遺跡などを見学しました。 ゴールウェイに戻ってからは自然豊かなコネマラ地方をバスツアーで訪れたり、市内観光をしました。コネマラ地方にあるカイルモア修道院は元々城として建てられ、建物内には豪華な家具が展示されています。 大学のバス旅行修道院の内部。 ここはリビングで、ダイニングルームのテーブルには食器がきれいに並べられていました 連休の最後には学校のバス旅行でコークに行ってきました。コーク市刑務所は20世紀初頭まで実際に使われていた刑務所で、独房には実在の囚人をモデルにしたロウ人形が置かれています。当時の法律は年齢や罪の重さに関係なく、犯罪者は最低でも数年間収監されていたようで、中には教科書を盗んだ10歳くらいの少年もいました。刑務所の中に入るのは初めてで、歴史なども学ぶことができたのでとてもいい経験になりました。大学での様子コーク市刑務所。今は博物館になっているせいか、思った程暗い雰囲気ではありませんでした 授業は12月上旬に終わったのですが、11月下旬から試験が続き、授業最終日はマーケティングの課題の提出期限だったので前期で最も忙しい時期でした。マーケティングの課題はプレゼンテーションも含んでいて、始める前は自信も無く、緊張していたのですが、意外にも楽しむことができました。課題のトピックは「Marketing your business in the EU country」で、自分の選んだビジネスをEU加盟国でマーケティングするというものでした。最初はリサーチなど初歩的な事さえどう始めればいいのかわからなかったのですが、先生に聞いたり、進んで取り組めるように好きなことをビジネスに選んだりと、自分なりに努力をしました。その結果、プレゼンではなかなか良いマークを受け取ることができました。 2008年4月
St. Patrick’s Dayパレードの風景。手前に写っているような緑の帽子をかぶった人がたくさんいました 今年は3月下旬の2週間がイースター・ホリデーで、3月17日はアイルランド人にとって重要な祝日、St. Patrick’s Dayでした。St. Patrick’s Dayは5世紀にアイルランドにキリスト教を布教した実在の人物、聖パトリックを祝う日です。人々はアイルランドの国旗にもある緑色の服を着たり、国花のシャムロックを胸に飾ったりします。ソフトクリームもコーンもトッピングのソースも緑色。りんご味でした♪ この日、パレードを見る為ダブリンへ行ってきました。バスで3時間程かけて昼頃に着いたのですが、すでに大通りは場所取りをする人々で非常に混雑していて、少しでも見える場所を見つけるのに苦労しました。パレードはブラスバンドの行進と仮装行列から成っていて、特に仮装行列はグループごとにテーマが違い、色とりどりの衣装や巨大な作り物が印象的でした。路上ではSt. Patrick’s Day のグッズやシャムロックの苗が売られていて、記念にマフラーとシャムロックをくわえた蛇のぬいぐるみを買って帰りました。 Cahirに遊びに行きましたCahir Castle 敷地内に大砲が置いてありました 休暇中にもう1ヶ所、Cahir (確か‘ケア’と発音)という町に行ってきました。Cahirはウォーターフォード県の隣のティッペラリー県にある小さな町ですが、自然が豊かで住みやすそうな町でした。バス停のすぐそばにあるCahir Castleは国内でも比較的保存状態の良い城だそうで、入場料を払えば敷地内を自由に散策することができます。ここから歩いて約20分のところにあるSwiss Cottageは19世紀初頭に建てられたかわいらしいコテージで、中をガイドさんが案内してくれます。残念ながら屋内の写真撮影は禁止されていたのですが、全ての部屋の形と内装が異なり、どの部屋もとても手の込んだ作りでした。 大学での勉強Swiss Cottage. 外観もかわいいですが中はもっとかわいいです。訪れた人しか見ることができません… 大学は新年早々試験があり、その後前期の成績を受け取りました。結果は無事全てパスし、不安だったマーケティングと経済も好成績でした。現在はプロジェクトを1つと、3つのプレゼンの準備を進めています。5月には後期の試験もあり、また少し忙しくなってきました。今年は去年よりも試験日が早く5月中旬から夏休みが始まります。試験終了後は友達と国内外を旅行したいと思っています。その後一時帰国する予定で、日本に帰って家族や友達に会えるのは楽しみなのですが、こちらで仲良くなった短期留学の友達と別れるのはやはり寂しいです…。 2008年7月
期末試験友達との夕食会。招待してくれたフランス人のお父さんがアイルランドに遊びに来ていて、フランスでシェフをしているので料理を振舞ってくれました。 4月は学期末なので後期で最も忙しい時期でした。特に中旬は毎日のようにプレゼンや小テストがあり、1日に2つ程重なる日もありました。5月には専攻している外国語(英語・スペイン語)のオーラル試験とその他の科目の筆記試験がありました。結果は6月中旬に受け取り、全て無事パスしました。全体的に見た成績は前期より少し落ちてしまいましたが、不安だった科目が予想以上の好成績だったので良かったです。 お別れパーティーケリー周遊路にて、一緒に行った友達と。 ヨーロッパから来ている留学生と仲が良く、週末にパーティーに誘われます。彼らは短期留学なので期末試験が終わるとそれぞれの国に帰ってしまい、その後戻ってくることはありません。仲のよい友達と会えたり、いろいろな国から来た学生と交流できるのでパーティーには喜んで参加するのですが、彼らが帰国する直前は別れてしまう寂しさもあり複雑な気持ちでした。パーティー自体もそれまでより静かに感じられました。 キラーニーに行ってきました!国立公園内にあるキラーニー城。一部しか写っていませんが、奥にもっと広がっていて中に入ることもできます。 5月下旬に友人3人とキラーニーへ旅行に行ってきました。キラーニーはアイルランド南西部にあるケリー州の州都で、市内にはキラーニー国立公園があり、また、自然に囲まれた美しいケリーを一周する「ケリー周遊路」の出発地でもあります。今回は2泊し、この両方を観光してきました。国立公園の中には湖、滝、古城、昔建てられた邸宅などがあります。自転車をレンタルして公園内でサイクリングを楽しみながら目的地へ向かいました。天気がよく暖かかったのでとても気持ちが良かったです。 公園の奥の方にある滝。山の中にあるので途中までは自転車で行き、その後は歩いて行きました。 ケリー周遊路はバスツアーに参加して、途中いくつかの景勝地で止まりながら約7時間で市内へ戻ってきました。ケリー周遊路は、以前行った平野が広がるコネマラ地方や、ごつごつした岩がころがるイニシュモア島と違い、山と海に挟まれていてその両方の絶景を楽しむことができました。今回は一緒に旅をした4人全員が違う国籍なので、観光だけでなく何もかもが楽しく思い出に残る旅となりました。 2008年11月
ドイツ一人旅フランクフルトの近代的な高層ビルとルネッサンス風の旧オペラ劇場 8月下旬にアイルランドへ戻る途中、ドイツで10日間の一人旅をしてきました。フランクフルトを出発してヴュルツブルク、ローテンブルク、ハイデルベルクと、フランクフルトの南東を一周してきました。去年大学でドイツ語の授業を受けていたこともあり、ドイツには以前から行ってみたいと思っていました。ドイツ語を練習できたことはもちろん、アイルランドで知り合った友人と再会したり、また、新しい友達ができたりと、とても有意義な旅となりました。アイルランドはイギリスと違って直行便が無いので不便かもしれませんが、経由地を毎回変えられるということが私にとっては反対に楽しみです。 大学の勉強幻想的な夕暮れ時のヴュルツブルク 9月の初めに新学期が始まりました。今年から私の専攻している学科も含め、人文科学の学科はほとんどメインキャンパス内に建てられた新校舎で授業を受けます。以前は授業ごとに違う校舎に移動していたのですが、これからはほぼ全ての授業がこの校舎で行われるので便利になりました。授業の方はというと、全体的に思っていたよりも難しくなり、特にスペイン語は基礎をしっかり復習しないと授業についていけないと実感しました。マーケティングは、去年は実践的なことを学んでいたのですが、今学期は理論を中心としているので個人的にあまり興味がわかず一番苦手な科目となってしまっています。去年のマーケティングでは課題としてリサーチとプレゼンテーションをしたのですが、今年は学期末に試験があるのでそれまでにしっかり復習をしようと思います。 スペイン人の友達と。みんな陽気で変顔が好きみたいです(笑) インターカルチュラル・コミュニケーションの授業では、自分が学んでいる言語を母国語として話す学生とペアになって、お互いに言語と文化を教えあう「タンデム・パートナー」を課題で行っています。話し合うトピックを自分たちで考えて、二人で会って話をした後レポートを書きます。私のパートナーはドイツ人の女の子で、彼女は日本語を勉強しているわけではないのですが、私がドイツ語が好きだということでパートナーになってくれました。一回目のトピックは「学校」で、日本の小学校について説明したらとても興味を持ってくれました。 スペイン人の友だち!新校舎の内部。ガラスが多く使われているので、明るく開放感があります 今年もまたヨーロッパからの留学生がたくさん来て、パーティーに行ったり、一緒に食事をしたり、すでに仲のいい友達もできました。特にスペイン人の女の子達とは、私がスペイン語を勉強していると話すとすぐに仲良くなりました。彼女達と会話をする時はなるべくスペイン語を使うようにして、向こうは英語を使うのでお互いにとって練習になっています。去年はスペイン語はあまり好きではなかったのですが、彼女達のお陰で楽しく学ぶことができ、今では一番好きな教科になりました。 |