イタリア留学現地レポート

REPORTER

愛知県立安城高校出身 
アジア・ヨーロッパ言語科 英語+イタリア語専攻 2006年卒

ペルージャ外国人大学(1年制)

BACKNUMBER

2006年4月

 

一緒に部屋をシェアーしているイタリア人国籍でスイスに住んでいた子。私よりも1つ上のお姉さん

今日スーパーにてお買い物。6点買ってお値段6ユーロ1つ1ユーロだとすると安いんじゃないかな?

3月末にイタリアにやってきました。初めて海外に出て、外国語を話さなくてはいけない環境になり、正直今はまだ周りがあまり見えていない状態です。初回は面白いことなどは書けないかもしれませんが、読んでくださるとうれしいです。1年間よろしくお願いします!
 
さて、何よりもまず私が書きたいのは、CASA(家)のことです。なにって全く知らない器具がそこら中に散乱しているんですよ!まずはビデと呼ばれるもの。日本では用を足すのと一緒に付いているこの器具が何故かヨーロッパでは別。いちいち移動しているのでしょうか?(笑)いまいちまだ理解ができません。しかし、ビデのことについては、JCFLの時にすでに聞いていた話だったので、初めて見た時は感動してしまいました!
 
それから当然のことですが、玄関がなく、そのまま靴で部屋まで行きます。私は自分の部屋に靴で上がるのは気持ちが悪いので、素足で歩いています。私と一緒にシェアーしているスイス人の女の子は靴、私は素足。おかしな現象が起きています。まだまだたくさんあるのですが、ここは省略。しかし、思ったよりも困惑せずに済んでいます。

無料で配布されているペルージャの新聞。イタリアの選挙が近いので一面に

家から見た景色

次に話したいのは、ペルージャの町です。ペルージャというのは丘の上につくられた非常に上り下りの激しい場所にある町です。私の家から学校までも、もの凄い坂の連続です。しかし、こればかりは仕方ないので、ダイエットだと言い聞かせて自分の体に鞭打って頑張っています。 しかし、そんな苦労を消してしまうもの。それは景色です! 私はペルージャにつく前にローマに一泊しましたが、ローマよりも綺麗な街だと思います。
 
今まで私が関わってきたペルージャの人々はすごく親切で、明るくて憎めない人たちばかりです。小さくてショッピングには全く向いてない街ですが、サッカー選手中田英寿選手も以前プレーしていたことですし、日本人は一度は行ってみたいと思うに違いありません。是非遊びに来てください!親切な人々とすばらしい景色がお出迎えしてくれるに違いありませんよ!! それでは今回はここまで。Ciao!!

2006年5月

 

イタリア人の友人がサッカーのイタリア代表の練習場に連れていってくれました!

こんにちは。今回は2回目になります。前回レポートを書いていた時は本当に何もかもにパニックになっていたのですが、2ヶ月が経とうとしている今、大分落ち着き始め、旅行にも一人で行けるまでになり、イタリア人の言っていることがほぼ分かるようになってきました(まだフルスピードでは無理ですが)。でもなかなか自分で言いたいことが言えず、壁はまだ厚いなあと感じています。

スーパーのチラシ

前回は家のことと、ペルージャの街についてお話しました。今回はイタリアの食についてお話します。イタリア人にとって食は大事だというのは聞いていたけれど、イタリアに来て、本当にすごいなあと感動しています。
 
イタリア人の人に、「朝は何を食べているの?」と言われたことがあるのですが、私が「今日はパンとジャム。」と答えると、驚いて、「えっ、それだけ?死んじゃうよ。もっと食べなきゃ」と言われました。また、私がペルージャで知り合った日本人の友達はイタリア人の女の子3人と暮らしているのですが、夜ご飯はものすごい量を食べるそうです。プリモ、セコンド、サラダ、そして、フルーツ、その後にさらに食べる時もあるとか。

前回私の家から撮った風景と同じ場所です。え?見えないって??ペルージャは霧がよく出るんです

私がレストランで食事をしたときは、ラヴィオリと、カルパッチョを2人で1つ食べただけで苦しくなりました。1皿の量が半端ではなく、正直言ってラヴィオリだけでも十分なくらいです。この時イタリア人の人と食事をしていたのですが、「本当にそれだけでいいの?」とやはり言われました・・・。
 
私は、日本では結構食べる方だけれど、イタリアでは小食です。恐ろしや、イタリア人。

日本にもあるようなもの中心の食事をしています。大体お米とスパゲッティとパン中心。今少しずつ日本にはないものにも挑戦中

スーパーマーケットでは日本ではありえない現象を見ることができます。それは買い物の量の多さ!イタリアの人は、週末の土曜日(日曜は閉まっているので)に1週間分の食材を買うのが普通のようで、大きなカートにいっぱい食材を入れているのですが、その量がすごいのです。私が一番驚いたのは、スパゲッティの束を4つも5つも買っている人!大量の買い物をする人は大抵、2人で来て、協力して買い物をしています。イタリアでは夫婦で買い物をしている風景はどこででも見られます。
 
まだまだ私は、イタリアの食べ物を完全に分かりきってはいないのですが、徐々にいろんな食材にチャレンジしていこうと思います。

Corso Vannucci(ヴァンヌッチ広場)とともにもっとも栄えているところです。ここにペルージャ中の人が集まって友達と騒ぎます

さて、今月はいよいよワールドカップが始まりますね。遠く離れてしまった日本代表を、ドイツに近いイタリアで応援したいと思います。もちろん、私はイタリア代表も応援するつもりです。両国が健闘してくれることを祈ります。
 
FORZA,GIAPPONE e ITALIA!!!!!!(頑張れ、日本とイタリア!!)

2006年7月

 

信じられません!イタリアがワールドカップで優勝してしまいました。誰もが優勝を予想していなかっただけに、余計に信じられません。
 
優勝が決まった直後、イタリア国旗を手に町に出ていたのですが、小さなペルージャの街が、ものすごい人で満ち溢れていました。私もイタリアを応援していた一人。イタリア人らと一緒に踊ったり歌ったりしたのですが、彼らは本当に親切です。目が合うたびに肩を組んで踊ったり、一緒に騒ごうよー!と言って騒いだりしてくれました。言葉も人種も違うのにイタリア人のように近づいてきてくれて本当に親切な人たちです。イタリア人。あとから聞いた話ですが、イタリアだけだそうですね、こんなに狂喜してよろこんでいるのは。周りからは快く祝福されていないようですが、それでも嬉しいのです。イタリア人は。どんなに周りが引いていても、イタリア人は嬉しいのです!!!
 
さて、私は7月から大学が設定するレベルで中間のレベルであるTerzo Gradoという段階で勉強をはじめました。今までほぼ90%は先生の言っていることが分かっていたのに、突然難しい言葉を先生が使いはじめ、以前のように分からなくなってしまいました。今はとても辛いですが、勉強をやめることなく、分からないなりに少しずつ勉強を進めていきたいと思います。Terzo gradoでは、イタリアの文化や歴史を大学で学びます。一番初めに習ったのがペルージャの歴史でした。
 
そういえば、まだペルージャの建物などを紹介していなかったと思いますので、写真と共に紹介していこうと思います。

エトゥルスコ門。ペルージャ外国人大学のすぐ近くにある、昔の町の入り口。昔は重要な役割を果たしていました。

ペルージャ外国人大学。私の通っている学校です。いくつか校舎のある中で一番大きく、キレイな校舎。昔は宮殿として使われていたため、中はとてもきれいです。

フォンターナ・マッジョーレ。中心街の中心にあるペルージャのシンボルである噴水。昔は服や食べ物を洗うために使われたそうです。ちなみに、ワールドカップで優勝した後、何人かのイタリア人が柵を乗り越えて噴水に入っていました。あまり関係がないのですが、ローマの有名なあのトレヴィの泉にも何人か噴水に入っていたようです。

プリオーリ宮殿。今は一部美術館として使われています。昔は、ペルージャの政治の中心として役割を果たしていました。

ピアッツァ・イタリア。ここにはペルージャに関わりのある偉大なイタリア人らの像が並んでいます。例えば、イタリアを建国したエマヌエーレ・ヴィットーリオ2世の像もあります。(残念ながらちょっと工事中)

ピアッツァイタリアからの眺め。本当にキレイです。写真では見づらいのですが、隣町のアッシジも見えます。

世界的に知られているウンブリア・ジャズフェスティバルが今週の月曜日まで開かれていました。エリック・クラプトンやセルジオ・メンデス、チック・コレアなど有名なアーティスト達がたくさん来ています。この写真は、イタリア人らで構成されているFunk Offというグループ。イタリア人のバンドには、必ずたくさんのイタリア人が集まり、盛り上がっていました。
 
ペルージャの中心街と言うのは、結構みなさんが想像するほど大きいものではありません。とても小さい町ですが、年中通して何か小さなイベントがあったりして面白い町です。
 
10月には、チョコレートフェスティバルというものも開かれます。次のレポートでおそらく紹介できると思いますので待っていてください。それではまた。
 
最後にもう一度言わせてください! Italia,CAMPIONE DEL MONDO!!!!!!!!!!!(イタリア、世界一!!!!)

2006年9月

 

シチリア島のシンボル。イタリアではそれぞれの町が1つずつ町のシンボルを持っていて、シチリアは1つの顔に3つの足の不思議な形

もうすぐ10月です。ペルージャは日の出ている時は暑いのですが、夜になると寒くなり、温度差がとても激しく体調管理が大変です。みんな、昼は半袖、夜は長袖で過ごしています。
 
以前少し紹介したように、今月はチョコレートフェスティバルEuro ciocolateエウロ・チョコレートがペルージャで行われますが、今回のレポートでは間に合わないので、次回、紹介しようと思います。

イタリア語が上達!

果物じゃありません!実はこれ、すべて砂糖で出来ています。

さて、私のイタリア生活は6ヶ月を越えました。初めはイタリア人の言っていることを理解するのに精一杯だったのが、最近では、単語力がないにせよ、イタリア人の言っていることが大抵分かるようになりました。以前よりも語彙力が増えたお陰で色んなことが喋れるようになり、段々とスムーズに喋れるようになってきています。
 
私は、日本人と過ごすよりも、外国人やイタリア人の人達と会話をする機会のほうが幸運なことに多いので、初めて会うイタリア人の人にイタリアに来て6ヶ月です、と言うと、驚かれることが多いです。これだけ喋れるようになると、また楽しみがたくさん増えてきます。

楽しみが増えました

紀元前の建物がたくさん残り、考古学上重要な遺跡を持つアグリジェント。この神殿は一番きれいに保存されている建物です

例えば映画。4月にイタリア映画を見た時は全く分からなかったのに、今はほとんど内容が理解できる。音楽でもそう。前まで分からなかった歌詞を今見直すと分かったりします。「すごい!私ってこんなに成長してるんだ!!」と感じるとともに、何故か鳥肌が立ってしまいます。
 
人間関係でもいろんなことが起こりました。今月、とあることをきっかけに、いつも一緒にいる仲間と大喧嘩になったのですが、「こうやって喧嘩できるようになったのも、僕達のイタリア語が上手になって、分かり合えるようになったからだよ。」とベトナム人の友達が言っていたように、それまで以上に友情が深まりました。
 
それに、以前のルームメイトだったスイス人のヴェロニクとも久しぶりに再会することが出来て、一緒に住んでいた時は聞き取るので精一杯だったのが、今はほぼ同等にお話ができるようになって、食事にさそってあげたり、一緒に映画を見たりすることが増えました。
 
そして、イタリア人の友達ともとても深い関係になっています。道で会うたびに大きな声で名前を呼んでくれて、一緒にお散歩したり、8月には一緒にヴァカンスでシチリア島にも連れていってくれたり、みんなとても仲良くしてくれます。

新聞記事にはまだまだ四苦八苦

私をシチリア島に誘ってくれたイタリア人の友達

しかし、授業に出れば一転、先生の言っていることが分かっていても、テキストに出てくる数知れない単語が私を悩ませています。毎日新聞記事を読んでいるのですが、形式がかくばっているのと、難しい単語をあえて使用する新聞上では、私の頭は毎日のようにパニックになり、私はまだ全然イタリア語ができない!と思ってしまいます。
 
私の通うレベルは今月で終了。あと数日ほどでテストがあります。単語力がないのでもの凄く不安でいっぱいなのですが、友達からもらったいろんな幸運をもたらすグッズを手に、頑張って自分の出せる力をすべて出し切ってこようと思います。

シチリアでヴァカンス

メッシーナ。ドゥオーモの隣にある時計台。毎日正午になると写真でも見えるようにライオンや人のブロンゾ像が動いて1つのショーがみられます

今回はヴァカンスで行ったシチリア島の写真をみなさんにプレゼントしましょう!シチリア島はどこか分かりますか?みなさん、想像してください。イタリア半島は長靴の形をしていますよね?その長靴が何か、蹴っていませんか、1つの大きなボールを。その大きなボール(島)こそがシチリア島です。この島は長いイタリアの歴史の中で、イタリア半島とは大きく違った歴史を持ち、移住民族も様々な民族が移り住んでいたので、イタリア半島では見られないたくさんの違ったことがありました。
 
私のお気に入りの写真が気に入ってくれると嬉しいです。それでは、Ci vediamo subito!(またすぐにお会いしましょう)

2006年12月

 

12月になりました。みなさん暖房の部屋でゴロゴロしている時期でしょうか?イタリアは残念ながら今年は暖かいようでまだまだ暖房なしでも生活が出来ます。しかし、私の先生曰く、これだけ11月、12月と温かい年は1月、2月が非常に寒くなるというので私はそれにブルブル震えているところです。昨年はペルージャの中心街のシンボルの噴水が完全に氷になってしまったそうです。今年は果たしてどうなってしまうのでしょうか…。

イタリア語が上達!

さて、私の勉強はいよいよ本格的になってきました。9月までは、イタリア語に最低限必要な勉強、主に文法の勉強が多かったのですが、10月からはいよいよ、文章を読んでクラスメイトと議論を交わしたり、文学やイタリアの歴史などを学んだりと非常に奥深い勉強が始まり、またまた頭を悩ませています。私は焦らずに自分のペースで勉強を進めています。
 
ラテン語が語源の言葉を母国語としている人たちがクラスをグングン引っ張り、ラテン語が語源でない人たちは少し遅れをとっている状況です。しかし、私達日本人がこの人達のようにイタリア語を上手に喋れるわけがないので、もう自分のペースで進めるしか方法がないと思います。焦らず自分のペースでゆっくり、これが一番いいのではないのでしょうか?

イタリアのお祭り

さて、イタリアのお祭りと今盛り上がっているイベントについてお話しします。
 
イタリア人のお祭り好きは日本以上で、年がら年中どこかでお祭りが開かれています。実際、ここペルージャでも月に一度のペースで何かイベントが開かれており、今までペルージャにいてイベントがなかった季節は一度もありません。
 
例えば今月12月はウンブリアフィルムという映画のイベントが行われます。実は日本の映画も放映される予定になっています。「ハウルの城」と北野武さんの「ソナチネ」が放映される予定になっています。私も時間が許す限る足を運ぶつもりでいます。

チョコレート祭り

そして、ペルージャで10月に行われた、そう!みなさんにお約束していたチョコレート祭り!!少し紹介しようと思います。eurochocolateの週末の様子。世界中から人が訪れたと聞いています。
 
私のイタリア人の友達が、「ナポリの方言が聞こえる!」と言っていたので、恐らくナポリからも観光客がきた。ということは北イタリアからも南イタリアからもこの中部の小さな町、ペルージャに集まったではないでしょうか。
 
今回のテーマはCazzuola。この意味は塗装職人が使うコンクリートなどを滑らかにするための道具。ペルージャをチョコ一色に塗り上げてしまおうではないかというのが今年のテーマ。それに合わせ、cazzuolaの形をしたケースに入ったチョコレートが今回の目玉。

町のところどころで無料でチョコレートの試食ができるところが設置されていました

週末には大きな正方形のチョコレートを削って彫刻を彫っていました。削っていらなくなったチョコレートのクズは無料で配ってくれたり、とにかくチョコレート天国でした。このイベントの最中はペルージャに人が非常にたくさん集まり、賑やかでまるでチョコレートの天国にいたのですが、イベントが終わると、人が突然いなくなり、静かになってしまい、また地獄の授業をしに行かないといけない。
 
そんな突然の変化に悲しくなりました。もう一度私を天国に連れていってほしいものです…。

普段は服が飾られている服屋のショーウィンドー、ここもチョコレートに染まっています

とあるバールのショーウィンドーに飾られたもの。すべてチョコレートで作られています

携帯電話の形をしたチョコレート。イワシの形をしたチョコや、CDディスクのチョコレートもみました

その他のお祭り

ベルガモの街。お祭りの準備中

私が旅行をしたときにも何度か町のお祭りを見たことがあります。
 
10月に北イタリアのベルガモというミラノの近くの町に行った時にイベントの準備をしていました。その翌日子供達が踊っているのを見ました。

夏休み、以前紹介したイタリア人の友達のマルコとメッシーナにいたとき、見本市でやっていた花火大会

5月ごろ、友人らとペルージャに近くの町、アッシジに行った時にやっていた、伝統的なお祭り

11月の中旬、フィレンツェに行った時にやっていたマラソン大会。フィレンツェでは頻繁にマラソン大会が行われているそうです

もうすぐクリスマス

そして、12月、イタリアでは非常に大事にされているクリスマス。11月ごろからスーパーにはクリスマスのグッズが並び、町にイルミネーションの準備が着々とすすんでいるところです。フィレンツェに行ったときはもう一部でイルミネーションが始まっており綺麗でした。
 
また、大晦日のイタリアのカウントダウンも非常に気になるところです。クリスマス、お正月は首都のローマで過ごす予定になっています。何か面白い発見があればまた次のレポートで紹介しようと思います。

サッカーの観戦もイタリア留学の醍醐味!

そして、イタリアと言えば、そう!サッカーです!!私は、イタリアのあるチームの熱狂的なファンで、3度ほどスタジアムに足を運びました。イベントとは言えないのですが、イタリアに来たら必ずサッカーを見て欲しいです。サポーターの声援におされ、ついつい自分の気持ちも高まり、地元の人たちと最終的には一緒になって応援している自分がいると思います。
 
さて、今回はここでおしまい。次は2月にお会いしましょう!それでは、みなさん、少し早いご挨拶ですが、Buon Natale e Buon anno!!(よいクリスマス、よいお正月を!!)