イタリア留学現地レポート

REPORTER

愛知県立安城高校出身 
アジア・ヨーロッパ言語科 英語+イタリア語専攻 2006年卒

ペルージャ外国人大学(1年制)

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2007年2月

 

クリスマスに食べるパネットーネと、クリスマスに私の元に来たサンタクロースからの贈り物

こんにちは。寒い日が続いていますね。風邪などひいていませんか?
 
ところで、最近見たイタリアの全国紙に書いてありましたが、イタリアは1960年以来の暖かい冬になっているそうです。確かに、寒いと聞いていたペルージャでも、日本で暮らしていた時の寒さはまだ感じたことはありません。以前紹介した中心街にある噴水の水が完全に凍り、幻想的な風景が見られると聞いていましたが、どうも今年は見られそうにはありません。東京やニューヨークでも暖冬だそうですね。日本もそれほど寒くはないのでしょうか?

冬休みにやったパーティー。キプロスから来た友達のお母さんが、キプロス料理をご馳走してくれました

私のスペイン人の友人、アルベルト。12月の最終テストのある教科のテストについて私に文句を言っているところです

さて、みなさん、冬休みはいかがでしたか?私はクリスマス、お正月ともローマで過ごしていました。もちろん日本ではないので、人々の過ごし方も違うわけです。 みなさんに冬休みに撮った写真を紹介したかったのですが、残念ながらデジカメの調子が悪く、みなさんに紹介することができません。ごめんなさい。でも紹介はできます。クリスマス→キリスト教のお祭りですから、イタリアはとても盛り上がります。まず、クリスマス前にPresepeプレセーぺというキリストの生まれたシーンを描写する人形を置きます。しかし、生まれたてのキリストの人形はまだ置きません。そして25日にキリストの人形を置きます。日本にはこの習慣はありませんよね。
 
それから街中のイルミネーションもあります。私的には日本のイルミネーションのほうが素敵かなとも思いますが、イタリアも各町によって違うので非常に見ていて楽しかったです。 そして、小さい子供達が待っているのは、プレゼント!日本では枕元にサンタクロースが贈り物を置いていきますよね?イタリアは、クリスマスツリーの下に置きます。しかも大量です。食べ物やその他衣服、本などです。
 
それからイタリア人にとって欠かせないのは食!この時期食べられるのが、ミラノが発祥のケーキ、Panettoneパネットーネとロミオとジュリエットの話で有名なヴェローナ発祥のPandoloパンドーロと呼ばれる大きなパンケーキを食べます。私はパネットーネが大好きで、2個もこの時期に食べてしまいました!!それからこちらに来て気づいた大きな違い。それは、クリスマスイヴ。日本では大盛り上がりしていますが、こちらイタリアではそれほどの盛り上がりはありません。むしろ、イタリアではクリスマスの時期は家族と一緒に過ごしているため、道には人が少なく普段ザワザワしている道でもとっても静かです。日本とは大きな違いですね。

クリスマス直前から2月の初旬まで置かれています、ローマ、サン・ピエートロのプレセーぺ。人形はほぼ人間と同じくらいの大きさです

12月、ペルージャの中心街のイルミネーション。韓国人と日本人の友人と一緒にお散歩中

大晦日→おそらく世界共通してみんな大騒ぎする日がこの日ですね。イタリア人だって黙ってはいません。31日のお昼からもう爆竹の音がバンバン鳴っていました。特に変わったことなどはありません。ただ、日本とは違い、騒ぐことが大好きなイタリア人は一味違います。
 
まず、夕食を食べます。その夕食もCenoneチェノーネと呼ばれていて、何時間も時間をかけて大量に夕食をとります。その後、若い人達は中心街へ出て、友人達とお酒を飲んで騒ぎます。23時ごろからはもう大変です。街中で1月1日が近づくにつれて花火や爆竹の鳴りっぱなしです。カウントダウンをする時はシャンパンを用意して、1日になったと同時にシャンパンかけがスタート!若者はみんなビショビショです。
 
それから歌って踊ってしばらく騒ぎます。それからまだまだ続きます。その後若い人達はディスコに行って踊ってはしゃぎます。私はというと、疲れていたのでもちろん帰宅しましたが、朝の4時ごろまでザワザワしているのが聞こえました。

今年に入って初めて受けた授業風景。イタリア音声学の授業です

お正月→イタリアにも伝統的にこの日だけ食べる料理があります。コテキーノと呼ばれる豆と肉の料理です。正月には、日本でいうビンゴに近いトンボラというゲームを家族でします。しかし、日本と違い、お金を賭けてゲームをします(大金じゃありませんよ!)。それから映画やテレビを家族と一緒に見たりして過ごすわけです。
 
イタリアではこの冬休みの間にいくつもの宗教的な祝日も含まれており、日本とは全く違う冬休みを過ごすことができました。少し余談ですが、大晦日のカウントダウンの時、南イタリアでは、伝統的に家の窓から古くなったものを投げる習慣があるそうです。やはり新年なのだから古いものを処理する、ということらしいのですが…危ないですよね。
 
短く説明しましたが、みなさん少しはお分かりいただけましたか? 今回はここでおしまいです。また次回も楽しみにしていてください。それでは、みなさん、少し遅いですがよいお年をお過ごしください。
 
Ci vediamo la prossima volta!(また次回お会いしましょう)

2007年4月

 

昨年のワールドカップ優勝にともない、誰かがバールの近くの壁に落書き。ある意味日本ではみられない落書きではないでしょうか(笑)

丁度このレポートを書いている日(3月22日)の1日前から、何故か突然冬以上ともいえる悲惨な寒さが、ペルージャだけでなくイタリア全土に襲い掛かっています。信じられないと思いますが、2週間前は非常に暖かく半そででも過ごせるほどで、梅の花もきれいに咲いていて、よしっ、春がきた!!!!っと思ったらこの様です。
 
イタリア人の友人に聞いたところ、イタリアには「春に近づいているけれど、3月は、雨が突然降り、寒さが戻る」という意味の諺があるということです。
 
こんな寒さでもイタリア人は元気です。道でもバールでもどこでもとにかく友人に会えば喋りまくります。よくイタリア人以外の外国人の友人と話していると、「どうしてイタリア人の人はこんなによく喋るんだろうか。彼らは疲れるって言葉を知らないよね」ということをよく言っています。でも本当にその通りで、車がいて明らかに通行の邪魔になっているのに喋っているのをよく見かけます。
 
今回は日本では見られない光景とイタリアの人についてお話します。

新聞で見つけて思わず笑ってしまった人間進化の図。一番右は現代人。コンピューターに向かう人を描いていますが、いかにも退化しているように書かれていて非常に笑えます

まずパッと思い浮かぶのがジェスチャーです。私が考えるに、イタリア人はジャスチャーなしでは生きていけないと思います。そもそも理由もあるのですが…イタリアが統一される前、イタリアにはたくさんの小さな国のようなものが存在し、言葉が少しづつ違っていたんです。この歴史については非常に長いので省略しますが、要するに、イタリアが統一した時に、すべての「イタリア人」と呼ばれる人達と会話するために、ジャスチャーを使って話していたわけです。
 
みなさんもイタリアサッカーを見ていれば分かると思いますが、本当に彼らの手の動きを見ているだけでも楽しいですよね。それから、若い子もお年寄りの人もワインなどのアルコール類をよく飲むということです。まあワインの本場ですから当然ですが、スーパーに行くと、一番安いワインは約300円ほどです。1500円ほど出せば非常に良いワインが飲めます。ただ、イタリアには、飲酒に関する法律が存在しないため、中学・小学生も飲めちゃうんですね。ちょっと早すぎるんじゃないかと思いますが…。ちなみにタバコに関しても同じことです。
 
3つ目として、イタリア人は寒くても暑くてもとにかく冗談が大好き。じゃれること、ふざけること、お祭りの本当に大好きな人々です。時々、どれが冗談でどれが冗談じゃないのか、分からないこともあります。そしてよく笑います。人を気にせず大声で歌うし踊ります。悪く言うと、恥ということをあまり考えていなくて、喧嘩するときも道の真ん中でも大声でお得意のジェスチャーを使って闘っています。

イタリアではピッツァは一人一個です!到着当初は半分でリタイアしていましたが、今は完璧に食べられます。本当にイタリアのピッツァはおいしい!!

イタリア人だけでなく、ペルージャ外国人大学に通う学生もイタリアの生活に慣れてくるとイタリア人化してきます。とにかくよく笑い、よく騒ぎ、よく歌い、ジェスチャーも次第に覚えてきます。
 
最後に紹介したいのが、やはりイタリアの町並みですね。文化も勿論全く違いますから、建物や昔の遺跡なども全く違います。そして、各地によって町並みがガラッと違うのは大きな特徴です。電車料金も今冬値上がりしたものの、日本の値段の半分くらいの値段で旅行が楽しめます。
 
寒さが戻ってきたものの、おそらくすぐに暖かい気候が戻ってきて、いよいよまた旅行シーズンに突入しそうですね。さて、暖かくなったらどこに旅行にいこうかな~?

2007年5月

 

7月に日本に帰ります

この頃暑い日が続いていますね。(イタリアだけでしょうか?)今年のイタリアの夏は非常に暑くなると予想されています。今、イタリアの川は水が非常に少なく問題になっています。それ以上に社会的な問題も多く、イタリアは大変なことになっています。
 
イタリアの政治のことは置いておき、私個人のことについてですが、7月の下旬でペルージャ外国人大学を離れ、日本に帰国することになります。日本に帰り、またこの大学に帰ってきたいと考えていることころです。

この1年でイタリア語も上達!

この1年と数ヶ月を見つめ直してみると、色々なことがあったなあと実感します。まず初の海外だったので、初めは新しいことばかりで、好奇心が刺激されました。幸い悪いことは何一つ起こらず、いいことばかり経験できたのはありがたいことでした。
 
語学力も練習の積み重ねで上達しました。1年前はイタリア語を話すのに、まず自分の頭で文法と単語を組み合わせて恐る恐る話していたのに、今やイタリア人と話す時も恐れることなく、自分の知っている単語を組み合わせて簡単な社会問題も話せるようになりました。この1年で2回ほど自信をなくした時期がありましたが、その時期も踏ん張って勉強を続けたお陰でこの結果につながっているのだと思います。
 
この春、1年前は絶対不可能だと思っていたイタリア語検定3級をローマで受験し、90パーセント以上の回答率で合格できたのもこの留学の成果なのかなあと思います。

様々な国の友達ができました

イタリア語や文化の面だけではなく、この外国人大学のお陰で、世界中から来た学生と交流する機会ができ、今は全大陸の国の友人がいます。彼らと授業を通して話した文化交流や言葉の違いなども非常に興味深く、今後はイタリアだけでなく、その他の国のことについても勉強したいと思うようになりました。日本では日本のことしか考えていなかったのに、外へ出てみると、世界のいろんな不思議が続々と出てきて楽しくて仕方がありません!

外に出て初めてわかる世界

日本人だけでなくイタリア人にも、海外に出て勉強することを恐れている人がたくさんいますが、海外に出て初めて知ることや、外に出ないと実感できない世界の状況もあります。それに、私個人の考えですが、自分の考え方とか性格も変わると思います。自国では当たり前だと思う考え方が、海外に出てみると当然でないことが分かります。 留学は勉強が充実するばかりでなく、自分個人の考え方なども自然と変わってきます。国際化の進む今だからこそ、1度でも海外で勉強するチャンスを作っていろんな経験をするのは大事なことだと思います。
 
さあ、みなさんも、是非外の世界に飛び込んで貴重な体験をしてみてください!私のレポートはこれでおしまい。1年間ありがとうございました!
 
Grazie a tutti!!!(みなさん、ありがとう!)

今までイタリアを旅した中で、イタリアならではのものの一部を紹介します

シチリア・アグリジェント。紀元前のギリシャ時代の神殿の跡が21世紀になっても未だに残っています!この町はギリシャ時代の建物の跡などがとても多く残っていて、タイムスリップした気分になります。

アッシジ。イタリアと言えば、カトリック信仰の深い国で、ヴァチカンを含めキリスト教での重要な建物が残るところです。1つの町に必ず幾つもの教会があり、時代や場所によって教会のスタイルも違うので、教会をいくつも巡り歩くのは面白いですよ。

ミラノ近郊ベルガモ。とにかくサッカー観戦はアツイです!日本サッカーの一時の盛り上がりとは数倍も違います。この写真を見てもらえば分かると思いますが、時にはピッチ上に発煙筒などを投げ入れたりなどやってはいけない行為も起こります。イタリアでサッカーを見るときにはくれぐれもご注意あれ!!!

ローマの近くにあるオスティアというところです。この町だけでなく、イタリアにはどんなに小さな道であろうが1つ1つの道に名前があり、そして、建物1つ1つに番号が書いてあります。これがイタリアの住所となります。この写真の場合、住所は○○通り836番Ostiaというふうになります。

世界どこをまわっても他にはないような美しい風景を持つ町、ヴェネツィア。何個もの島を橋でつないで町を形成しています。街中に水が流れ、小さな道がたくさんあってとても可愛い町です。道がとても複雑なので地図は必ず必要です!

ミラノ近郊ブレシア。この建物、実はブレシアの列車の駅なんです!イタリアは中世の建物がそのまま今も使われています。日本とは違い、そこら中に昔の建物がゾロゾロと建っているわけです。

駅に関連してもうひとつ。イタリアでは日本のような構造ではありません。切符を買って、小さい黄色の機械に自分で改札をして、列車が着いたら、乗るという仕組み。列車に乗るときも、写真を見てもらえば分かるようにレールとホームがほぼ同じ高さにあるので、列車ははしごをよじ登るかたちになります。

フィレンツェ。ルネッサンス時代の中心となった町の芸術作品は日本の素朴な芸術とは違い、豪華で力強く見ごたえがあります。

ティヴォリ。Villa D’Esteといわれるものの一部。ここはエステ家といわれる昔多大な権力を持っていた人達の別荘地。一番下の列だけでも100個の噴水が存在します。
イタリアは、町ごとにその町の特徴、文化、食べ物、言葉、人々の性格が全く違うので、旅行をしてみないと分からないことがたくさんありますよ。紹介しきれないほどイタリアにはたくさん楽しみがあるので、是非いろんな町を巡ってみてください!