ニュージーランド留学現地レポート

REPORTER

東京都 多摩大学聖ヶ丘高校出身 
オーストラリア留学コース2012年卒

カンタベリー大学/森林学専攻(4年制)

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2014年6月

 

ニュージーランドで夏休み

皆さんこんにちは!二年生になってから、取る授業もどんどん専門的になってきました。そして、一年と二年の間には、かなり長い夏休みがありました。ニュージーランドの大学の夏休みは、季節が日本とは真逆なのでだいたい11月の初めから始まります。それから年を越してだいたい2月の中ごろまでが夏休みです。3ヵ月ほどあるので、この期間にみんな働いたり海外に行ったりいろいろなことをします。この間に夏の短期コースをとって好きな勉強をすることもできます。僕の場合は日本には帰らずこっちに残ってちょっとした森林関連の仕事と旅をしました。今回はそれらのことについて書こうかと思います。

松ぼっくり摘みの仕事

僕の大学の林学のコースは、卒業するためには夏休み等を利用して実際の職場で90日間以上働かないといけない規則があります。そういうわけで、僕も今回の夏休みの間に働くことに決めました。職場は学校の関連のスタッフの方々が助けてくれたこともあって意外と簡単に決まりました。僕はチェーンソー等の機械のトレーニング(伐採をするには修了証が必要になります)をその頃受けていなかったので、伐採の仕事ではなく、結構簡単な仕事をすることになりました。それはCone Picking(ここで言うconeとは松ぼっくりのこと。Cone picking=松ぼっくり摘み)です(笑)!

いろんな人と交流できたCone Picking

この仕事は朝の8時から始まり、夕方の16時半頃には終わります。職場は僕の住んでいるところから50kmほど離れているので友達の車に乗せてもらって毎日通勤していました。なので朝は6時半ごろ起きて7時には家を出ないといけません。僕の職場は大きな農園みたいなところで、果樹の代わりに松の木がたくさん植えられています。背の高い木がたくさん植えられているような植林地ではなく、全部がだいたい15歳以下の若い木です。毎年の夏ごろになるとその年にできた松の実(松ぼっくりですね)が茶色く硬くなり、収穫ごろになります。
 
そこで僕ら夏休みに雇われた学生、それから季節労働者たちの出番です!松の実をすべて手で抜き取り、花も実もなくなった枝はのこぎりで切り落としていきます。そうして収穫された松ぼっくりたちは特別な機械で乾燥、さらに実と種を分離して分離された実を森林関係の会社に供給します。植えられている木は区域によって品種が異なり、顧客の欲しい品種を育てられるようになっています。
 
僕の仕事の大部分は松ぼっくり収集、加工。あとはボスから頼まれた仕事をしました。例えば、成長を促進するホルモンの注入、新しい苗場の建設等です。すべて外での直射日光の下で行われるのでかなり厳しい仕事です。それにこちらの紫外線は日本の5,6倍はあるのでサンスクリーン(日焼け止め)は常に塗っておかないといけません。それでも結構楽しいです! 一日に休憩タイム(smokoっていいます)が2回あり、昼のランチタイムが30分あります。学生もいるし、地元のおじさんおばさんもいるし、いろいろな国からの労働者もたくさんいました。そのような環境でいろいろな国の人、年代の人と仕事を話ができてとても貴重な体験ができたと思います。シーズン終了間際ではみんなでバーベキューをして盛り上がりました!

車でNZの北島へ旅行

旅行先のWellington

夏休みはほとんどこの仕事をやっていたのですが年末年始には友達と北島(ニュージーランドは北島と南島に分かれています。僕が住むクライストチャーチは南島)まで車で行って一周してきました!北島に車で行くには四時間ほど船に乗って海を渡るのですが、その間の景色が本当にきれいで飛行機で北島に行くよりも断然楽しいと思います。北島についてからは首都のWellington、第一の都市Auckland、ニュージーランド最大の湖のある町Taupoを主に回りました。
 
特にTaupoの周りの自然は本当にきれいでニュージーランドに来たら絶対に行かないといけないですね(笑)!あのあたりは映画「Lord of the Ring」が撮影されたところでもあるんですよ。そして今は大学に戻ってまた忙しくなっています。次回はその忙しい間に行った6日間の校外研修のことをメインに書いていこうかと思います。

2014年8月

 

校外研修で森林調査

最初の日の夕日

皆さんこんにちは! 今月で二年生の後半に入り、課題もどんどん専門化して難しくなってきています。さて、今回は今年の前半にとっていたForest Biology(森林生物学)のField trip(校外研修)の内容について詳しく書いてみようかと思います。
 
今回の校外研修はなんと6日間という長丁場で、クライストチャーチが位置する南島東海岸から反対の南島西海岸まで行ってきました。僕らが泊まった街(Hari Hari)には大学の所有するフィールドステーションがあり、そこをベースにしていました。
 
今回の研修の課題は二つあり、1つはNZ West Coastにおける土壌の経年変化に伴う優勢木の変遷、二つ目は特定の優勢木下における昆虫類の構成です。日本語にするととても難しく聞こえますね(笑)

フィールドが終わって帰り支度

優勢木というのは1つの森林のなかで一番高い木の種類をさします。南島西海岸には手付かずの原生林が多く、NZ固有の種が数多く群生しています。この固有種の中で、優勢木になり得る種はKahikatea, Rimu, Silver Pine, Yellow Pine、それとKauriというNZ固有の木々です。どの木も育つとまっすぐで超巨大な幹を持ち、その土地の優勢木になります。全部説明すると終わらないので簡単にまとめると、土地の土壌が古くなるにつれてその土地の優勢木、森林構成、さらには昆虫の種類も変わってくる、ということです。僕らの目的は、どの土壌の年代にどの優勢木が生えて、どれだけの昆虫類が存在するのかを確かめることでした。
 
そのために、実際に毎日様々な地域の森まで行って、土壌の性質を掘り返して調べたり、森林構成を知るために一つ一つの木の数を数えてサンプルをとったり、昆虫類用の簡単なPitfalls(落とし穴)を何個も仕掛けてサンプルをとったりしました。毎日帰ってきた後はたらふく地元の方々に作っていただいたおいしい手料理(絶品です!鹿肉とか当たり前のように出てきます!)をいただき、夜には昼間に得たデータをパソコンに入力して分析して、みんなのデータをまとめました。研修の終わりにすべてのデータを二つのショートレポートと一つのロングレポートにまとめて提出しました。

森林学ならではの経験

原生林でたまに見かける青キノコ

研修は本当に楽しかったです。毎日原生林に分け入って何時間も歩いたり、おもしろい生物を見つけたり、森の中でリフレッシュした感じでした。それだけでなく、みんなでトランプなどして過ごした時間や、ご飯もとてもおいしかったです。この経験は普通の大学のコースならありえない!そう感じました。レポートを作るのは相変わらず大変でしたが、楽しんでやることができました! いつもの授業もたくさん課題や本を渡されて大変ですが、森林学を選んで本当によかったと思っています。
今書いてる時点でNZは真冬です。寒いです!Christchurchに雪が積もることはほとんどないのですが、車で一時間も運転すると山々が雪で覆われていてとてもきれいですよ。日本の夏にスキーしたい方はぜひNZまで!一応宣伝しておきます(笑)。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!