ニュージーランド留学現地レポート

REPORTER

東京都淑徳巣鴨高校出身 
オーストラリア留学科2005年卒

オタゴ大学 生物医学専攻

2006年4月

 

オタゴ大学 コースの特色

オタゴ大学の時計台

私は、大学に入る前に1ヶ月Bridging course,1年間Foundation courseに入りました。今回はそのことについて報告したいと思います。
 
Bridging course ではHealth Science学科に入り、次のコースに上がるために必要な5教科(英語、数学、化学、生物、物理)を勉強しました。1ヶ月という短期間ではありましたが、5教科の基礎を学び、とても充実した日々でした。

数学の先生スタンとクラスメイトのルイスと一緒に

次のFoundation courseでは同じく5教科を学びましたが、授業の難易度は確実に上がっていました。大学と同じように授業は講義 とチュートリアルから成り、講義は150人くらいの生徒全員が入れるくらいの広い講堂で授業を聞きました。チュートリアルは少人数のクラスで受けました。私のクラスは、サウジアラビアから4人、フィジーから2人、地元ニュージーランドの学生が4人、イラクから1人、日本から来た私を含めて12人でした。国籍がみな違うのでクラスでの会話はもちろん英語です。文化や言葉の違いの壁を越えて、みんなで楽しく学校生活を送ることが出来ました。
 
授業はすべて英語で最初は戸惑うこともありましたが、先生方が親身に相談に乗ってくださいました。先生と生徒の距離がとても近く、何でも質問できたことは私が学校生活を不安なく楽しく送れた要因だと思います。

様々なイベントに参加

ラグビー観戦に行った友達と

Foundation courseは2月下旬から始まり、5週間ごとに1週間の休みが入りました。7月には1ヶ月間の冬休みがあり、11月中旬には期末試験がありコースが終了します。毎週金曜日と長い休みの期間には学校が企画するアクティビティがあり、私はラグビー観戦、ビリヤード、ダンスパーティー、ペンギンツアー、サイクリングトリップに参加しました。このような企画を通して違うクラスの人と友達になったり、英語を話す機会が増えたりしたのでとても良い思い出になりました。また、ニュージーランドの自然や習慣にふれることができ、すばらしい経験が出来たと思います。

ダニーデンの生活

化学の先生マーガレットと

私はニュージーランドに渡航してから3ヶ月間、ホームステイをしていました。Kiwiの4人家族にお世話になりました。ホストシスターとブラザーの年が近かったこともあり、お互いの趣味について話したり、一緒に買い物に行ったりしました。$165という値段は少々高いかもしれませんが、ホストマザーが洗濯や食事の用意をしてくださったり、ニュージーランドの文化を身近で感じることができたり、英語を話す練習になったので、ホームステイをする価値は大いにあると思います。

2006年6月

 

言葉の壁を越えて頑張ってます

町の中心部、オクタゴンにある銅像と、その後ろには歴史を感じさせるヨーロッパ調のきれいな教会があります

私は今、オタゴ大学の Bachelor of Biomedical Science という専攻で学んでいます。将来、CSI(Crime Scene Investigationの略で日本語名称は科学捜査班。警察の事件解明で活躍する科学捜査の部隊のこと) や、他の研究所で病気の原因・解明を調べる仕事につながる医療系の学科です。オタゴ大学はScience系が有名で、今年Science系のコースを取っている新入生は1000人以上います。
 
授業の教科は主に、生物、化学、物理、英語です。朝8時から講義があり、夕方の6時に終わる日もあれば、1日1教科で終わる日もあります。生物、化学は週に4日講義があり、3時間の実験が週に1回あります。物理は週に2回の講義と2時間の実験が3週間おきにあります。英語は講義が週2回とチュートリアルが週2回あります。

生物の実験で自分で採取した玉ねぎのDNAです。まさかDNAを実際に取れるとは・・・。驚き!

去年のFoundation Courseと違って、チュートリアルという少人数制の授業がないので、その分自分の時間は出来ましたが、先生に質問する機会があまりないので、自分で予習、復習をしていないと、授業についていけなくなることも多々あります。英語での授業はわからない単語がいっぱい出てきたり、覚えなければいけないこともいっぱいありますが、専門的な分野を学べ、面白い先生方による授業もあるので、言語の壁を越えてもっと頑張ろうという気持ちになります。

勉強の息抜き

ダニーデンのラグビー競技場カリスブルックで行われたハイランダーズVSブルーズの試合です。とても迫力のある試合で、周りの歓声に負けずに応援しました

ダニーデンは小さな町なので、大きなショッピングモールというのがありません。カラオケ、ゲームセンター、デパートは町に1つしかなく、遊びの面では日本より不便を感じるかもしれません。しかし、日本とは違った文化を体験できます。ニュージーランドはラグビーがとても有名です。多くの学生がラグビーの観戦を娯楽として楽しんでいます。ホームチームが試合に勝ったときは町中、歓声で盛り上がります。  
学生の中にはラグビーと勉強を両立している人もいます。ニュージーランドは本場のラグビーを学ぶ環境としては最適です。コーチが元州代表の選手だったり、チームメイトにU-21の国代表に選ばれている人がいたり・・・なんてことは珍しいことではありません。ニュージーランドでは勉強面でもスポーツ面でも充実感の得られる生活が送れると思います。

2006年7月

 

勉強の様子

ラグビー日本代表監督、エリサルド監督と。ダニーデンのグランドに練習しにきたときに撮りました。とてもフレンドリーな人でした

ニュージーランドの大学は、2月下旬からSemester1(1学期)が始まり、期末試験後2~3週間の冬休みをはさんで、7月中旬からSemester2(2学期)が始まります。私はSemester1で生物、化学、物理、英語を取っていました。大学ではほとんどの教科が1学期ごとで終わり、期末試験をPassすると次の学期で更に詳しく学べる専門的な教科を取ることができます。私の場合、1年間必修の物理を除いて、他の教科は期末試験を受けてPassすることができたので、今は更に難しく専門的な分野を勉強しています。

授業の内容

ラグビー日本代表が、ダニーデンのカリスブルックでオールブラックスJr.と試合をしたときの写真。球場全体で盛り上がりました。日本人選手の大健闘に感動しました

生物は1学期で基礎を学んだので、2学期は人間の体について学んでいます。骨の仕組み、筋肉の働き、免疫学など、実際に標本を見ながら勉強します。専門的な用語が多いので覚えるのはとても大変ですが、私が1番興味のある分野なので楽しんでいます。
 
化学は医学、薬学系の専門知識を学んでいます。Lecture(講義)は全て、スクリーンのスライドによって授業が進められていきます。講義をしてくださる先生によって授業の進み方やスライドの数が違うので、予習復習が欠かせません。けれど、学べば学ぶほど奥が深いので、朝8時からのLectureも毎日欠かさず行っています。

期末試験勉強の様子

私の家から見える景色。朝私が家を出る時間の朝焼けの写真です。まるで夕焼けのような鮮やかなとてもきれいなオレンジ色です

期末試験勉強はとてもつらいものでした。試験1週間前から図書館に通い1日10時間近く勉強しました。試験前には3000人は余裕で入る大学のCentral Library(中央図書館)の席が学生で埋まります。とても広くきれいなLibraryは勉強するにはとてもいい環境です。また、他の学生も自分の試験勉強を頑張っているので、その姿を見て自分も更にやる気になります。
 
もし試験に落ちてしまったら、来年同じ教科を取り、更に来年必修の教科も取らなければならないので自分に負担がかかります。そんなプレッシャーはありましたが、勉強すればするほど自分の知識が増えていくので面白いです。こんな経験は留学しないと出来ないことだし、学生の今にしか味わえないことなので、後悔のないように毎日頑張っています。

2006年10月

 

ダニーデンの様子

友達チェシーのお別れ会にて。遠くに離れて行ってしまうのは悲しいけど、ずっと大切な友達です

ニュージーランドはだんだんと暖かくなり、今では気温が20度近くまで上がる日が増えてきました。オタゴ大学の有名な時計台の前の大きな桜の木は満開を迎えています。
 
そんな穏やかな日々の中、多くの学生は図書館に通い黙々と勉強をしています。私もその中の一人ですが、周りの学生の真剣な姿を見ると自分も勉強をしなくてはと思わされます。1ヵ月後には学年末テストが待ち受けています。高校の時とは違い試験の教科は少ないですが、1ヶ月前から勉強をしても足りないと感じるくらい、どの教科も範囲が広いです。後期から取った教科にもかかわらずレクチャーノートが7冊もあるものもあります。毎日のレクチャーの情報やスライドは大学のWebサイトに掲載されるので、復習するのにとても役立っています。2週間に1度、どの教科もパソコンでのテストが必修なので毎日欠かさずサイトをチェックしています。

生活の様子

大学の卒業式。オタゴ大学の卒業パレードでは卒業生が大通りを歩きます

ダニーデンは坂が多いことで有名です。私は今大学から徒歩10分ほどの所に住んでいるのですが、帰宅をするには大きな坂を2つも上らなくてはなりません。最初の頃はとても大変でしたが、今ではいい運動になっています。
 
一人暮らしをしてもう1年以上たつので、ある程度自炊は出来るようになりました。外食をすれば楽ですが、両親に生活費を出してもらっている以上無駄遣いはできないと思うし栄養のバランスも考えなくてはならないので、毎日、お昼もお弁当を作って持って行きます。ニュージーランド、特にダニーデンでは日本特有の食材(例えば、おでん、漬物、新鮮な生魚)を食べることが出来ません。納豆、梅干などはアジアンショップでは買うことが出来ますが日本の値段の3倍以上もします。日本食が恋しくなる日は度々ありますが、今、生物の授業で習っている栄養学の知識を基に自分の体にいいものを作って食べるようにしています。

時計台の桜の木。ピンク色の花びらがとてもきれいです

最近は友達と街で遊ぶより、一緒に図書館で勉強する時間の方が多くなってきました。毎日のレクチャーの中では外国人の友達と話す時間がないので、昼食、放課後、休日は出来る限り友達を誘い、英語を話すようにしています。授業で分からないところは友達やデモンストレーターと呼ばれる個別指導の先生に積極的に聞くようにしています。
 
私の大学1年目の課程がもうすぐ終わろうとしています。今思えばあっという間だったけれど、とても内容が濃く、充実した1年でした。まだ期末試験が終わっていませんが、いい結果で締めくくれたら良いなと思います。

2006年12月

 

試験後の過ごし方

21歳の誕生日パーティー。パーティーの主役、ルイスがとても喜んでくれたのがうれしかったです

今年11月6日に最後の試験を受け、長かった試験期間を無事に終えることが出来ました。最後の1ヶ月は毎日試験勉強で忙しく、図書館も多くの学生で埋まるほどでしたが、取っている教科によって試験日が様々なので、早い人は10月中に全ての試験を終えていました。オタゴ大学は世界各地から留学している学生が多く、ニュージーランド人でさえダニーデンに住んでいる学生は少ないほどです。試験が終わると、多くの学生は実家に帰ります。なので、今のダニーデンの町では大学生の姿はほとんど見かけることなく、パブや中心街もあまりにぎわってはいません。
 
今年、私は日本に帰らずにダニーデンに残っています。ここで、夏の間はバイトをしたり休みにしか出来ない経験をしたり、たくさんの友達を作ろうと思ったのと、英語だけの環境に少しでも長くいたいと思ったからです。
 
早速、明日からFruits Pickingという仕事をするために農場で下宿をしながら朝から晩まで働く予定です。暑さの中、体力的に大変な仕事だと聞いていますが、たくさんのバイト仲間と共に下宿するので多くの友達が出来るのではないかととてもワクワクしています。

大切な友達

大学の友達とお食事に。ダニーデンにきて初めての中華料理を食べました。おいしかった~♪

大学では主に大きな講堂で行う授業ばかりだったので、友達を作るのは大変でした。しかし、去年同じコースだった人とは今年も助け合いながら、一緒に勉強をしたり、食事をしに行ったり、パーティーを開いたりしました。ニュージーランドでは21歳の誕生日を盛大に祝う行事があるのですが、私の親友が今年21歳になるというのでホームパーティーをして祝いました。留学をして得た友達の存在はとても大きいです。国が違うと、文化や食生活、価値観などが違って当たり前ですが、仲良くなるにつれて相手のことをもっと理解しようとしたり、相手に自分のことをもっと知ってもらおうとしたり、気がついたら積極的に話している自分がいました。英語の力の発達だけではなく、自分の消極的な性格を変えてくれたのはいい友達と巡り会えたからだと思います。

来年の抱負

夏が近づいているニュージーランド。ダニーデンはまだ肌寒いですが、空は澄み切った青色でとてもきれいです

来年は今年以上に大変になると思います。授業の内容もより一層濃くなり、授業時間も増えます。でも自分のやりたい学科なので今からとても楽しみです。留学は自分の夢を追いかけるためのきっかけに過ぎませんでした。しかしそのきっかけを与えてくれたJCFLにはとても感謝をしています。海外で本当に頑張れるかは自分の意思次第です。私は無事に大学を卒業し、やりたい仕事に就くために今まで積み重ねてきた努力を今後もつなげていきたいと思っています。