ニュージーランド留学現地レポート

REPORTER

東京都立町田高校出身 
オーストラリア留学科 2007年卒

マセー大学 防衛学専攻

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2008年2月

 

冬の日本で過ごした夏休み

羊の毛刈りの様子

皆さん、お久しぶりです。昨年11月、無事にマセー大学のファウンデーションコースを修了しました。
 
夏休みは、一時帰国して冬の日本で過ごしました。ニュージーランドの長い冬が終わって、少しずつ気温が上がってきたというところで帰国したので、日本にいる間、ニュージーランドに早く帰りたいと思っていました(もちろん、日本でも楽しい事はたくさんありました)。さて、今年はいよいよ、この留学の目的である、防衛学(Bachelor of Defence Studies)の勉強が始まります。今週から防衛学の講義が始まるのですが、今回はそれに先立って先週まで行われていた” Let's get going! オリエンテーション”のことを書こうと思います。

オリエンテーション週間

オリエン最終日、多くの人でにぎわっていました

このオリエンテーションは、新学期が始まる約一週間前に行われ、今年初めてマセー大学にやってくる留学生も対象です。留学生は特別に、さらに先に二日間、留学生のためだけのオリエンテーションがあります。内容は、NZでの大学生活、法律や文化、病気やケガなどのときの対処(保険)、ホームシックや大学のサポートの説明などです。
 
もちろん、これらの情報も大事ですが、ニュージーランドの環境に触れることも大切です。ということで留学生のオリエンテーション一日目は、マセー大学の農学部がある牧場へ行きました。ニュージーランドといえば、羊です(ニュージーランド人ひとりにつき、25頭の羊がいます!)。牧場では、羊の毛刈りを見せてもらいました。毛を刈った後の羊の肌を触りましたが、とてもやわらかくて、暖かかったです。何人かの学生は、サポートをしてもらいながら、羊毛刈りを体験していました。

ニュージーランドの乳牛

牛乳を搾っているところ

次に、乳牛のお乳を搾っているところへ行きました。正直に言うと、牛糞の臭さで説明を聞いているところではなかったのですが、外に出てから聞いたニュージーランドの乳産業のミニ講義は興味深かったです。たとえば、乳牛というと大きくて丸々太っているような感じがしますが、ここの牧場の牛はそれほど大きくなく、むしろやせていました。大きすぎて、もっと飼料を食べるようになると、いろいろな意味で効率が悪くなってしまうそうです。
 
さらに、ニュージーランドの牛は広い草原で牧草を食べて育つので、あまりストレスがなく、おいしい牛乳ができます。ミニレクチャーのあとに、数人の生徒が取れたての牛乳をもらっていましたが、みんなおいしいと言っていました。これは、トリビア(?)ですが、牛糞は生で食べることができます。案内の人が、糞がたんまり入ったバケツを持って、生徒にすすめていました。試しに食べた生徒は、牧草の味がするというコメントしていました。案内をしてくれたニュージーランド人のお兄さんも、最初の授業のときは食べられなかったそうです。牧場訪問の後は、キャンパスに戻って、皆で夕食を食べました。
 
留学生同士で行動するので、友達を作るにはとてもいい機会でした。

友だちも増えたオリエンテーション

早食い競争!

留学生オリエンテーション二日目には、複数のバスを使って、街ツアーをしてもらいました。
 
パーマストンノースの主要な建物や場所を周りながら、最終的にマナワツマリーナ(バスケットボールやネットボール等の試合が行われる大きな体育館)に着き、第一学年全部を含めた、マセー大学のディナー会に参加しました。ここでも、たくさんの友達と出会えました。ディナー会の最後には、UniSmart というショー(?)が披露され、どうやって大学生活を成功させていくか、ということを皆で楽しく勉強しました。翌日からは、学生の専攻によってグループをつくり、大学の勉強やサポートに関する、もう少し詳しい説明を聞きました。

学部説明会

Kiwi Bank(NZの銀行)

実は、自分はタイムテーブルを見間違えてしまい、大事な学部説明会に遅刻してしまいました。
 
しょうがないので、放課後、直接学部のオフィスを訪ねていったら、かえって親切に説明してもらいました。NZDF(ニュージーランド防衛軍)のドクトリン(原則)に関する小冊子を渡され、“今学期はこれを勉強するからね”と言われました。小冊子は薄いことには薄いのですが、やはり、専攻レベルになったら、これくらいは当たり前にやらなければならないのだと、改めて思いました。
 
オリエンテーション最終日には、マセー大学の学生部MUSA(Massey University Student Association)が、カレンダーとスケジュール手帳を配布し、ナショナルバンク(支店がキャンパス内にあります)、その他の銀行、警察、バイクショップ、キリスト教会、はたまたピザ屋やハンバーガーショップまでやって来て、配布や宣伝、キャンペーン活動をしていました。晩夏ですが、昼間はまだまだ暑かったので、この一週間でニュージーランドの夏を楽しみきりました。
 
先にも書きましたが、今週からレクチャーが始まります。もうすでに、今日、いくつかの講義に出席しましたが、やらなければならないことがてんこ盛りです。正直言って、本当にこなしていけるのかと思うこともありますが、これが自分の目指してきたことなので、がんばって自分で立てた目標を達成していこうと思います。
 
次の留学現地レポートは、授業の内容に関して詳しく書けるでしょう。来月終わりには、イースターホリデーもあるので、どこか旅行にでかけるかもしれません。これから留学を目指している人は、来年の今頃、マセーのキャンパスで出会えるかもしれませんね。

2008年8月

 

スカイタワーからのバンジージャンプ

皆さん、お元気ですか。最後の留学現地レポートを書いてから、数ヶ月が経ちました。季節も移り変わり、いまは多雨な冬となりました。前期の期末考査も終わり、3週間ほどの冬休みを楽しんでいます。
 
さて今回は、ホームステイ、語学の大切さなどについて書きたいと思います。

ホームステイの魅力

雪原

留学において、ホームステイは大学の教室以外で学べる貴重な場所(機会)です。英会話の上達はもちろん、人との出会いも与えてくれます。昨年一年間お世話になったフィリピン人の家族から、約2ヶ月前に、新しいホームステイに移りました。ホストファザーはフィンランド人、彼の奥さんは日本の方で、5歳の息子さんがいます。2年前にフィンランドからニュージーランドへ移り住み、今年初めにパーマストンノースへやって来たそうです。
 
この国ではよくあることですが、フィリピン人のホストファミリーも、いま一緒に暮らしているホストファミリーも、皆、生まれた場所はニュージーランドではありません。英語も、彼らにとっては母国語ではありません。フィリピン人のホストマザーはタグログ語で子供に話しかけていました。いまのホストファザーは、スオミ語で息子さんと会話しています。その5歳の息子さんは、スオミ語(フィン語)、日本語と英語の3ヶ国語を使い分けることができます。

フカ滝

ニュージーランドやその他の移民を積極的に受け入れている国ではよくあることでも、日本では、あまり見られないと思います。一つ屋根の下で3ヶ国語以上が同時に話されているこの状況に、今はすっかり慣れてしまいましたが、留学生活を始めた当初はとても驚きました。
 
以前は、人生経験を積むために大学の寮や友達とフラット(アパートに一緒に住む)することも考えましたが、上のような興味深いことに触れることができるホームステイがやめられず、結局今も居候を続けています。ホームステイは留学生活の基本的なサポート(衣食住)をもらいながら、異国の言語だけでなく、その料理や習慣などが経験できる場所です。海外留学をするのであれば、ぜひ一度体験してみてください。

英語の勉強

オセアニア最大の湖、タウポ湖

英語を勉強するにあたって、英文の書き方や構造を知ることはとても大切なことです。欧米の思考を学ぶことができるだけでなく、有効な表現の方法を得ることができるからです。私は専攻の防衛学の基礎として、戦争の歴史(火薬と火縄銃が発明された時代から現代まで)を学ぶことになっています。課題のために戦いの歴史について書かれた本を読むことはもちろんのこと、現代戦争のフロントラインであるアフガニスタンやイラクで行われているテロとの闘いについて、雑誌やオンライン記事を読むこと、すべてが勉強につながります。そして1200-1500文字の英文を書くため、また、その主張を裏付けるために、6冊から7冊ほどの書籍や記事、学術論文などからの引用が必要になります。
 
そのような多くのリーディングを通して、どのようにして英文が組み立てられているのか理解できるようになりました。最初に自分の主張や意見、事実を述べ、結論部分でその内容を繰り返すまで、中間部分はそれを裏付ける証言や事実、説明などが書かれています。このようなセンスを身につけるには、やはり多くのリーディングをこなすことが必要だと思います。おすすめなのは、自分の好きなもの、興味のあるトピックについて書かれた本や記事を読むことです。また同時に、英語を使って何かを書く人の考え方、思考の経路を知り、どのように自分のアイディアを適切に表現すればよいのかを学ぶことが大切です。

ティリティリ・マタンギ島の鳥

最近、英字雑誌を買うため、頻繁に本屋に通っていました。ニュージーランド国内で編集・出版された雑誌や書籍の数は、少ない人口に対して比較的多く、また海外から随時輸入されている読み物もかなりの数を占めています。このようなことができるのは、英語が話されている国であるからというのは当然のこと、海外から情報を集めようとしている彼ら姿勢があるからだと思います。その点日本では、海外からの書籍や雑誌を手に入れるのは容易ではありません。日本語に翻訳されたものもありますが、発行されるのも遅く値段もオリジナルより少々高めです。他者より情報を先に入手することは、いろいろな分野でアドバンテージになるので、やはり英語を習得することの利点は大きいと思います。
 
この国に来て英語を習得し、そのことによって自分がどんどん世界の一部(聴衆)になっているような感覚を得ることができました。JCFLのある先生も、他の言語を習得することは、心にもう一つ窓を持つことと同じだ、と言っていました。これから留学される方も、自分から情報を取得するという積極的な態度で、自分自身をglobaliseさせてみてください。

オークランド旅行

オークランドの街並み

先週、2泊3日でオークランドに旅行にいきました。行きは友達と一緒に車で、帰りは高速バスで戻ってきました。オークランドまでは車で10時間ほどかかるのですが、途中、何回か観光スポットで休憩をしながらドライブしたので、それほど疲れませんでした。
 
まず始めに雪の積もるデザートロードで雪原を撮りました。ルアペフ山にはスキー場がいくつかあって、学生の泊れる安い宿もあります。晴れていれば北島で最も標高の高い山が見えたかもしれません。次に、デザートロードを抜けると、すぐにタウポに着きます。タウポ湖は北島の中央に位置し、オセアニアで一番大きい湖です。タウポはバンジージャンプでも有名で、経験のある友達がそれを見せに連れて行ってくれました。飛び降りる先は、とてもきれいな川の水面で、勢いがあれば半身くらいは水につかります。また、ジャンプ台は渓谷の中にあり、とてもいい景色を見ることができます。同じくタウポ近郊で有名な観光地である、フカ滝にも行ってきました。ものすごい勢いで流れる川を間近で見ることが出来るのですが、あまりにも近いので、すこしこわかったです。
 
二日目にはティリティリ・マタンギ島へ行きました。ここでは珍しい鳥や絶滅の危機にある保護鳥と出会うことができます。実際に島を丸一日歩いた結果、14種の鳥を発見し、また、島の頂上付近で保護されているタカへという鳥は、直接触ることもできました。島の一番高い場所には、灯台があり、天気が良かったので遠くにスカイタワーも見えました。
 
三日目は街を観光しました。日本食レストランやショッピング、自分はスカイタワー(192m)からバンジージャンプしました!一緒に旅行をした友達が、とても性能のいいカメラをもっていたので、落下している瞬間を撮られてしまいました。