イギリス留学現地レポート

REPORTER

東京都立北多摩高校出身 
イギリス留学コース2010年卒

ウェールズ大学 アベリストゥス 国際政治学部

2012年4月

 

イギリスはおいしい?

お約束
「フィッシュアンド・チップス」

みなさん、こんにちは。増田です。12月は朝8時過ぎまで明るくならず、夕方4時半くらいには暗くなってしまうイギリスも、最近はかなり日が伸びてきました。朝起きるのが、かなり楽になってきました。(笑)
 
さて、「イギリスに留学している」と言うと、ほぼ必ずと言って良いほど聞かれる質問があります。それがこちら
 
「イギリス料理ってまずいってほんと?」
 
確かに「ん~うまい!」という食べ物に出会う機会は少ないかも…。ノルウェー人の友人とは「イギリスの食事はまずくはないし十分Eatable(食べられる)けど、“うまい!”って思うものがあんまりないよね~。」という話で盛り上がった経験があります。まあ、あとは当然と言えば当然ですが、食べるものによります(笑)そんな訳で、今回は「Eatableだけどおいしくはないイギリス料理」をおいしく(というか“まずい”と思わず?)食べる秘訣を紹介したいと思います。

イギリスの食を楽しもう!

街のギリシャ料理屋のラム

まずは、その土地のものを食べること。日本の食にも旬や産地があるのと一緒で、イギリスにもイギリスお得意の分野があります。わたしの住むウェールズは酪農(特に羊)が盛んなので、チーズやラムだと比較的安い値段でおいしいものが手に入ります。大学構内にある食堂の「ラムシチュー」は絶品!
 
次に、日本の味を想像して食べないこと。「こんな味がするだろうな~」と思って食べてみると、想像していたものと違う、ということ、結構あります。(笑)そうすると期待していた分、「なんか違う」→「まずい」となってしまう心理があるんですよね。

日本人の先輩と「イングリッシュブレックファースト」

たとえば「フィッシュアンドチップス」のような日英共通のメニューでも、お互いの国の人たちの味覚に合うように、少しずつ味が違っています。「日本の感覚」で味を想像しないで食べると、後で受けるダメージ(「えーなんか違う…」という感覚)も少なくなります。
 
そういう意味でイギリスで和食レストランなんかに行くときは「日本食を食べよう!」という期待を持つよりも、「イギリスの和食ってどんなもんなんだろ~」というネタ的な気持ちで行くことをお勧めします。ちなみに案外、イギリスの日本食店こそが「イギリスらしい」料理を食べられる場所でもあると思っています。個人的には。絶対日本にはないようなものが食べられます。(笑)

お気に入りの食べ物をみつけよう

ロンドンで入った寿司屋の巻き寿司。言葉では表現できない、本当に不思議な味がしました…。

あとは、和食レストランの話にもつながりますが、ネタだと思っていろいろな食べ物に挑戦してみるのが良いかと思います。イギリスの食事と言ってもいろいろあるので、自分のお気に入りを見つけると思っていろいろなものを食べてみること。そのうちに、まずくないだけじゃなく、「おいしい」ものに出会えるかもしれません。
 
ちなみにわたしのお気に入りは「ブラックプディング(豚の血液の腸詰)」とピクルスです。ブラックプディングはイギリス人でも人によって好き嫌いが激しいらしいですが…。(笑)
 
その他、期待があんまり大きくはずれることがないのは中華料理・韓国料理ですね。比較的「想像していた味」と「実際にする味」にズレがないので、期待した通りのものが食べられるし、やっぱりアジア同士味覚が近いのでしょうか、「おいしいな」と思うことが多いです。と言っても、私はほとんど自炊なので、あまりイギリス料理を食べる機会は少ないのですが…。和食に関しては自分で作るのが一番確実かもしれません。
 
こちらでの生活も折り返し地点を迎えました。2月から後期が始まって、また新しい科目で心機一転奮闘しているところです。最近は本当に少しずつですが、自分の進歩が感じられるようになってきました。もちろんまだまだ先は長いのですが、地道に頑張って、来年度納得のいく卒論を仕上げられるように力をつけていきたいです。

2012年8月

 

より専門的な勉強に追われた2年生も無事修了!

ダブリンのパブにて。アイルランドのパブではおじさんたちがリクエストに答えて曲を演奏してくれます。そして知ってる曲はみんなで歌う…(笑)

皆さんこんにちは!5月の末に後期の期末試験を終えて2年生を修了しました。2年目は生活面や語学面は去年1年分の経験値があるのでかなり楽になった感覚がありましたが、内容がより専門的になって難しくなってきたこともあり、勉強面ではかなりヒイヒイだったのが正直な感想…。相変わらず学期中はとにかく予習復習と課題をこなすのにいっぱいいっぱいでした。
 
が、その「うさ(?)」を晴らすために試験終了後、早速数日アイルランドへ旅行に行ってきました。今回はその旅行記も含めてアイルランドの文化やイギリスとアイルランドの関係についてレポートしたいと思います。

ノスタルジックなアイルランドとその歴史

ダブリンにあるトリニティーカレッジにて。この大学の図書館にあるケルト装飾の施された福音書は「ケルズの書」と呼ばれ、「世界で最も美しい本」ともいわれています。撮影禁止で写真をお見せできないのが残念です…。

島がお隣同士ということもあって、「イギリス」と「アイルランド」は歴史や文化の多くを共有しています。16世紀の中ごろに当時のイギリスの王様が(無理やり)アイルランド王を名乗ってイギリスとアイルランドがひとつの国になりますが、それ以前から2つの島は影響し合い、文化の多くを共有してきました。
 
イギリス先住民族の文化でもあるケルト文化もそのひとつです。都市化された部分が多いイギリスよりも、少しノスタルジックな雰囲気を残しているアイルランドの方が、個人的にはよりケルトを感じました。観光をしていると、いたるところでケルト独特の模様や装飾を施された民芸品を見かけましたし、街でもパブでもアイルランドの民族楽器を使った生の音楽が流れていてとっても素敵な場所でした。
 
近代になってイギリスへの併合が行われた後、アイルランドは1922年に一応の独立を果たします。しかし、この時アイルランド島の北部はイギリスの領土としてイギリスへ帰属されることになりました。以来完全にアイルランドがイギリスから独立した今日に至るまでアイルランド島は南北に分けられることになったのです。この北部アイルランドをアイルランドに帰属させるかイギリスに帰属させるかは賛否が分かれ、1970年代頃からはテロなども起こるようになりました。
 
これがイギリスで「The Troubles(ザ・トラブルズ)」と言われたアイルランドとの領土問題です。1998年に協定が結ばれて以来は情勢が比較的安定しているようですが、いまでも南北アイルランドの国境がある街ではセキュリティーチェックなどは厳しく行われているそうで、イギリスでの長期滞在ビザの申請などでは北アイルランドへの渡航歴などが聞かれたりします。

4つの国からなるイギリス

アベリストゥイスでの聖火リレーイベント。
オリンピックが近づいてきた感じがします!

日本人はイギリスと聞くとひとつのまとまった国家で安定した国だと考えがちですが、実のところイギリスは4つの別々の国(ウェールズ、イングランド、スコットランド、北アイルランド)が連合して成り立っていて、どこまでみんなで同じ政策をして、どこからお互いの好きなようにするのか、結構もめている国だったりします。アイルランドに限らずスコットランドやウェールズでも自治権を求める声は根強くあるようですし、昨年スコットランドで行われた選挙では独立を目指す政党が第一党として議会の議席を占め、数年の間に独立をめぐって国民投票を行う意向を示しています。行政の面でも4つの国はそれぞれの方針を持っているのでシステムが違ったりします。
 
例えばイングランドやウェールズの大学が3年制であるのに対しスコットランドは日本と同じ4年制だったり、昨年から議論されている大学の授業料の値上げについても、それぞれが違った上げ方をしたり…。実は結構込み入ってて、ウェールズに留学している私は、イングランドにいる友人と授業料値上げ問題にしても微妙に話が噛み合わなかったりしてます(笑)
 
と、まあ少し小難しい話になってしまいましたが、イギリスの政治の問題にかるーく触れてみました。最近のイギリスではオリンピックの話題で持ちきりです。今は聖火が各地を巡っているところで、先日私たちの住む「Aberystwyth」にも聖火がやってきて、イベントが行われました。4ヵ月の夏休みはほとんどをドイツで過ごす予定なのですが、オリンピックの観戦に一時イギリスに戻ってくる予定でいます。次回のレポートではオリンピックレポートができるかな?と思っています。

2012年10月

 

会場で観戦!ロンドンオリンピック

ロンドンブリッジも五輪のシンボルマークが装飾されていて、いつもとほちょっと違った雰囲気…!

イギリスの今夏のメインイベントと言えば・・・言わずもがな、「ロンドンオリンピック」です!自分の留学している国で開催されるオリンピック!これを逃したら一生チャンスはないかもしれない!と、いうことで(笑)、柔道の試合を観戦してきました!
 
これまでオリンピックというとテレビで見るものという感じで、いまいち本当に開催されている実感がなかったのですが、今回会場に行ってみて初めて「あーほんとにやってたんだオリンピックー!」と思いました(笑)

オリンピック柔道試合会場にて。

やっぱりテレビで見るよりも会場で見る方が臨場感があって興奮しましたね!ただ、やっぱり「ホーム」ということで、イギリスの応援団がすごい!イギリス代表が出てくるとみんなで足を踏みならして応援したりするので、まるで会場全体が揺れているようで、ちょっと恐かったです(笑)
 
ロンドン入りしたのはオリンピック開幕の1週間ほど前だったのですが、街はまさにオリンピック一色!いたる所に五輪関連の装飾がされていて、お土産屋さんもオリンピックグッズをたくさん置いていました。道案内のスタッフも街中にいて、ちょっと道に迷って地図を見ていたりすると、すぐに助けてもらえました。よく迷うのでありがたかったです(笑)

ドイツでボランティア。英語を話さなければならない環境を自分で作る!

ボランティア活動の最終日、地域の人たちに活動成果のプレゼンテーションを行っているところです。手前の方にあるバケツが、今回の発掘で私たちが掘り出したものです。

オリンピック観戦の後、夏休みの後半は、ドイツのドレスデンの郊外へ。3週間のボランティア活動で、第二次世界大戦中の戦争捕虜の収容所の発掘と保存の手伝いをしてきました。ドイツでの活動といっても参加者の中での公用語は英語だったので、3週間みっちり英語生活でした。
 
ボランティア期間は一緒に仕事をしたり炊事をしたり生活したり・・・必然的にコミュニケーションを「しなければならない」ことが増えてくるので、非常に語学面で鍛えられました。留学で外国に住むようになっても、そこにいるだけで英語ができるようになるわけではないので、語学面で成長しようと思ったら、やっぱり積極的にコミュニティやボランティアなどに参加していくことが大切ですね。
 
10月の頭からはイギリスでの3年目の生活が始まります。卒論などもあってかなり忙しくなりそうなのですが、自分の興味のある分野について、納得できるものが書けるようにしっかり準備していきたいと思います。