インターンシップ
前回のレポートでお伝えした通り、今学期はインターンシップをしました。夏休みの間にいくつかの会社に応募した結果、私はボストンにある出版社でインターンシップをさせていただきました。この会社で働いている人はみんな日本人で、ニューイングランド地方に住む日本人の方を対象に、フリーマガジンを発刊しています。最初はアメリカの企業でインターンをしたいと思っていましたが、私は日本語でグラフィックデザインを学んだ事がなかったので、アメリカと日本のデザインの違いを学びたいと思い、この会社に応募しました。
仕事内容としては、主に雑誌に載せる広告を作りました。小さな白黒広告から、ミディアムサイズのフルカラー広告まで作りました。また、レストランに行って、雑誌に載せる写真の撮影などもさせていただきました。インターンを通じて面白いと感じた事は、実際の現場で最終的にデザインに評価を下すのは、グラフィックデザインに携わった事のない方々だという事です。大学のプロジェクトでは、自分のデザインの批評をするのはグラフィックデザインに精通した教授や学生なので、みんな「デザイナー」としての視点で討論をします。しかし、実際の現場でコミュニケーションをとるのはデザインのプロではありません。デザインを知らない方々、つまりデザインを作る側ではなく受け取る側の方から意見や感想を頂けたのはとても貴重な体験で、自分のデザインの長所と短所をもう一度見直す良いきっかけとなりました。オフィスの環境もとてもよく、新しい方々にお会いでき、色々とお話ができたのもとても良い体験でした。
卒業に向けて
早いもので、私も卒業まであと1学期を残すのみとなりました。卒業制作の一環として、今学期はPre-thesisという授業があり、これは日本の大学で言うと卒業論文を書く授業のような物だと思います。私はグラフィックデザイン専攻なので、最期のセメスターには卒業制作展があり、それとは別に卒業論文も書かなくてはいけません。サブジェクトは自由なのですが、私は何か日本の物がやりたいと思い、日本の着物の伝統文様について書きました。着物に施される文様にはそれぞれ意味や思いが込められており、文様がどうやって発展したのか、どんな意味を持っているのかを調べて書きました。
近年薄れて行く日本の伝統的なものへの理解や知識、またそれを守り続けてきた人々への感謝の思いをもう一度持ってほしいという願いと、その美しさを外国へ伝えたいという思いでこのサブジェクトにしました。卒論の長さは自由なのですが、私は最終的に30ページほどになりました。最初は資料を集めるのも、読むのも、またそんなに長いペーパーを書くのも本当に大変でしたが、無事書き終える事ができてほっとしました。卒論は現段階では普通のワードドキュメントで保存されていますが、来学期はそれを本にするために、レイアウトをデザインしたり、本の装丁をしたりする作業に入ります。
また、来学期はポートフォリオを作ったり、卒業制作をしたりします。5月に卒業制作展があるのですが、そのための作品は、今学期書いた論文をもとに制作されます。私は、まだはっきりとしたアイディアがありませんが、着物の文様のそれぞれの意味とイメージをビジュアル化したポスターを作ろうかと考えています。来学期はその他にも、論文のプレゼンテーションや、プロモーション活動(就職活動?)もあったりと、忙しくなりそうですが、最期のセメスターなので気合いを入れて、納得のできる作品を作りたいと思います。