英語なんでもQ&A 
Q
オーストラリアに留学したいのですが、英語のアクセントが違うと聞いて不安になりました。なまりのない英語を身につけるにはイギリスやアメリカに留学したほうが良いですか?
A 

基本的に大学や専門カレッジは公の場ですから、オーストラリアであっても、教科書に出てくる英語、講義や発表の場で使われる英語などはアメリカやイギリスの大学で使われる英語と変わりありません。そこで身につけた英語は、将来アメリカの大学院に行きたいと思っても、イギリスの企業で働きたいと思っても、世界で十分通用する英語なので全く心配はいりませんから、安心してください。 

ただ、日常的に使われる英語には、いくつかアメリカやイギリスで使われる英語と異なるものがあるのも事実です。それについては、予備知識を持っていた方がその土地に行ってあわてることがありません。JCFLのオーストラリア留学科にはオーストラリア人の先生がいるので、事前にオーストラリア英語について知ったり、発音に慣れることができますが、ここでもオーストラリア英語がどんなものか少し説明しましょう。

基本的にオーストラリアは昔イギリスの植民地だったので、イギリス英語の流れがあります。エレベーターのことをアメリカではelevator(エレベーター)、イギリスではlift(リフト)と言いますが、オーストラリアではイギリス英語のリフトを使います。他の単語においてもイギリスとアメリカで異なる場合はイギリスと同じと考えてほぼ間違いないです。 

その他に、オーストラリア独特の単語、アクセントなどがあります。 たとえばオーストラリア人はエイをアイと発音するというのを聞いたことがあるかもしれません。海外旅行の体験談などでも空港で「ガイト アイト」と言われて何かと思えば「Gate 8 (ゲート エイト)」だった、といったように面白おかしく言われる場合もあります。しかしこれは極端な話で、大きな街や若者たちの間ではあまり聞かれません。(田舎やお年寄りなどに多いといえます。)多くのティーンエイジャーはアメリカのテレビ番組などに影響されてアメリカ英語を話す傾向にあるともいえます。 

また、オーストラリア人は日本人と同じように単語を短くするのを好みます。例えばチョコレートをチョッキーと言ったり、ビスケットをビッキーと言ったりします。基本的には、単語を途中で切って、−ie や -y (イー)、-o (オー)などをつけて縮めるパターンが多いです。その他にも、独特の表現(例:fair dinkum =本当の) や単語(例:billabong=沼)などがたくさんあります。

もし、みなさんが高校や中学で習っている英語がアメリカ英語やイギリス英語だとしたら、オーストラリアに行って相手の言っていることがわからないのでは?と心配に思うかもしれません。しかし、日常生活で使われるような単語は、それ一つではなく会話の中に出てくることが多いので、内容から自分で推測できるものがほとんどです。わからなければ、オーストラリア人に聞いてみると喜んで教えてくれるでしょう。 

どこの国の訛りやアクセントにも共通して言えることですが、公私をわきまえて使い分ければ、決してその土地の言葉がデメリットになることはありません。
皆さんも日本語の方言などで実感することがあると思いますが、同じ言葉を話すと自然とその土地の人と打ち解けることができるものです。また、世界中英語を話す人はたくさんいますが、日本語の標準語のように、ABCニュースやBBCニュースなどで使われている英語を話す人はごくわずか。それ以外の人は、中国語なまりであったり、オレゴンなまりであったり、何かしら’なまり’を持っています。 

そして、その’なまり’が、自分のアイデンティティーになることもあります。例えばイギリスでオーストラリア英語を使ったとしたら、「自分はオーストラリア人」または「オーストラリアで暮らしたことがある」というメッセージを自然と発していることになります。そこから思わぬ話題が広がったり、友達ができたりといったこともあるものです。 

どこに行っても大学等の教育機関で身につけられる語学はきちんとしたもの。その分、日常生活ではその土地の人々が使っている言葉を楽しんで身につけてみるのが良いでしょう。 

 

 

 

 

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