「国際協力」に興味のある人に、ぜひ注目してほしい学問「開発学」。開発途上国とさまざまな国の関係について学んだり、その発展や支援、自立について考えたりする学問です。その学問の発祥の地であるイギリスの名門大学「ロンドン大学ソアス校」で学んだ鎌田さんをご紹介します。
1 「大学受験一色」に馴染めなかった高校時代
高校入学当初から「大学受験一色」という校風に馴染めず、「将来の目標や夢がはっきりしないまま、周囲の流れに任せて受験勉強を続け、成績で決められた大学に行くだけで良いのか」と悩んだ時期がありました。その当時、たまたま家族旅行で行ったロンドンの雰囲気に魅せられ、留学に関する資料を手に取るようになり、どうせやるなら本格的に海外大学で学士号取得(学部卒業)を目指そうと思うようになったんです。当初は他の英語圏の国も視野に入れていたのですが、イギリスの大学は3年間で専攻科目をしっかり学べるという点に惹かれ、イギリス留学を決意。しっかり準備をするために、まずはJCFLのイギリス留学コースに入学しました。
2 「イギリス研究」の授業でモチベーションアップ。
クラスメイトが全員イギリス留学を目指す仲間だったことも大きな励みでした。
JCFLの「イギリス研究」についての授業では、英国での生活に必要な知識や文化への理解を深められ、留学に向けてのモチベーションを高められましたね!そして、「スタディー・スキルズ」の授業で、大学でのノートの取り方や、論文の書き方を習ったことは、留学して授業開始後すぐに役立ちました。また、イギリスに留学するという同じ目標を持った仲間が周りにいることも大きな励みでした。そして、先生方からは大学や学部選びの際に、相談や質問をするとすぐに適切なアドバイスがもらえました。学校選びがスムーズにできたこと、留学手続きのための書類記入をサポートしてもらえたことは、とても心強く、JCFLで学んでよかったことの1つです。
3 「アジア、アフリカの地域研究専門」である名門「ロンドン大学ソアス校」 へ入学!
JCFL在籍中は、学士課程での専攻科目について、国際関係学や社会学関連のことを学びたいという程度にしか決まっていなかったため、大学選択の幅が広がるよう「ファウンデーションコース」の内容が充実している学校を検討し、「ロンドン大学」の「東洋アフリカ研究学院(SOAS=The School of Oriental and African Studies)」で学ぶことにしました。SOASは留学生が多かったので、サポートがしっかりしているのが魅力だったんです。ファウンデーションの1年をSOASで過ごしてみると、「アジア、アフリカの地域研究専門」という名の通り目的意識やモチベーションの高い個性豊かな学生が多く、開発学を学ぶには最適な場所だと思いました。そして、学内には日々、聞いたことのない民族音楽が流れてくることも!そんな興味、関心、発見に溢れているSOASならではの雰囲気も気に入り、ファウンデーションコース終了後も、世界中から留学生が集まるSOASで勉強を続けることを決めました。
4 「開発学」と「東南アジア研究」を専攻。
インドネシアとの出会いもありました。
学部では、「開発学」と「東南アジア研究」を専攻。開発学は途上国に関する問題を切り口としたイギリスならではの学部です。東南アジアは日本と歴史的つながりの深い地域にも関わらず、日本ではあまり学ぶ機会がなかったように感じたため、あえて「アジアを外から見つめてみよう」と思ったんです。
ソアス校で地域研究を専攻する場合、初年度に専攻する地域の言語1つを専攻することになります。それで、「難しくないから大丈夫!」という先生の言葉にのせられて(笑)、半ば思いつきで履修を決めたのが「インドネシア語」でした。その後、「勉強よりもとにかく東南アジアの魅力を知ってもらいたい!」という熱心でアットホームな雰囲気の先生方や学部の雰囲気のおかげで3年間継続。結局、インドネシア語を活かせる仕事に就くことになるのですが(後述)、インドネシア語を始めた頃は、SOAS生活の中で一番思い出深い、そして卒業後の進路に直接影響する科目になるとはまったく思っていませんでした!
5 違う文化に身を置いてみたい!インドネシアで就職!
大学卒業の時期が近づき、留学生対象の日系企業の就職フォーラムに参加したり、ネットの就職サイトを見たりもしましたが、帰国して日本で生活するイメージが湧かなくて。ロンドンでの生活で世界中から集まってきた人々を見ているうちに、またまったく違った文化圏に身を置いてみたいという思いが強くなっていました。そして、大学で習ったインドネシア語のスキルをもっと向上させたいという思いもあり、インドネシアで働いてみようと思ったんです。
インドネシアでは「じゃかるた新聞」という現地に住む日本人向けの邦字日刊紙の記者として約1年半働きました。インドネシアに進出している日系企業の現地での活動、現地日本人コミュニティーの活動のほか、インドネシアの政治、経済、文化に関する出来事など、短い期間でしたが多様な取材に携わり日々、記事を書いて過ごしました。休みは週1日で、連日夜遅くまで仕事だったので、体力的にはきつかったですが、取材活動を通し、地元の人たちや現地に暮らす日本人と触れ合うことで、経済発展著しいジャカルタという街の活気を肌で感じることができました。また、インドネシアは宗教、民族、言語と多様性に満ちた国です。ロンドンに続きアジアの多民族国家を見られたことは良い経験になりましたね。
6 「人と臆することなく話せる」これも留学で得たもの。
現在は日本に帰国し、エネルギー・ニュースを扱う会社で、アジアの石油取引に関するレポートを書いています。まったく初めての分野でまだまだ勉強することでいっぱいです。インドネシアでの仕事でも、現在の仕事でも、留学で学んだ英語とインドネシア語のスキルを活かせるのはもちろん、「どんな国の人とでも臆することなく会話できる」という留学で得たことを活かせていると思います。これからも、常に何かの形で海外と携わり語学力を磨く努力は続けたいですし、機会があれば、また生活の場を海外に移すのもいいなと思っています。
7 さまざまな国や地域の人々との出会いが私を変えてくれました。
留学で得たものは今でも私の支えです。
私は留学を通し、とにかく視野が広がり、物事を見る目が変わったと思います。留学前には全く気にも留めなかった国、地域の人たちと実際に触れ合う機会に恵まれ、世界には日本とはまったく違った価値観や考え方があるのだということを実感しました。精神的にも強くなり、行動力、決断力も以前よりつきましたね!留学生活で得たものは、今の私にとって本当に大切で大きな心の支えです。今でも、何かあるたびに留学生活を思い返し、当時の自分に負けないように頑張らなくてはと思います。みなさんも少しでも何かに興味、関心を持ったらとにかく一歩踏み出してみてください。その一歩が大きな転機になるかもしれません。