卒業生
ロンドン大学ゴールドスミスカレッジの
デザイン専攻を卒業しました

留学先からゴールドスミスカレッジでの大学生活をレポートしてくれていた市川さんが、大学を卒業。一時帰国中に立ち寄り、留学生活を振り返ってくれました。(ゴールドスミスカレッジの詳細>>>)
◆市川さんの前回来校時のインタビュー>>
◆市川さんの留学現地ブログ>>

ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ デザイン専攻
2008年 海外芸術大学留学コース 卒業
慶應義塾大学出身
■数ある芸大の中からゴールドスミスカレッジを選んだのはなぜ?
自分がやりたいことが「ファインアート」か「デザイン」か決められず、その境界線を引かずに制作ができると齊藤先生に勧められたゴールドスミスに進みましたが、結局決めきらずに今に至っています。でもゴールドスミスで様々な表現方法や人とコラボしたことにより、逆に今は決めないところが僕のスタンスだと思っています。
■具体的には、ゴールドスミスカレッジでどんなことを学んだの?
1年次は、いろいろなメディアを使い制作することを学びます。ゴールドスミスはセオレティカル(理論的)な学校なので、モノそのものよりも、その後ろにあるアイディアやコンテクストが重視されました。個人制作が多く、テーマもパーソナルなものが多かったのですが、2年になると、社会的なことにテーマが広がっていきます。活動もキャンパスに留まるのではなく、社会に対して介入するという意味で、インターンシップ(企業研修)も評価対象となります。これは各自で見つけなくてはなりません。僕はインタラクションデザインに興味があったので、ロンドンのデザインスタジオと、東京のデザインスタジオでインターンシップを行いました。(インターンシップの詳細はレポートにて>>>)最終学年である3年次は卒業制作に取り組みます。
■集大成として、市川さんはどんなモノを作ったの?
常に興味を持っているのが、ユーザーと相互作用するモノを作ること。ユーザーとプロダクトの関連性というか、そこにどんなストーリーが生まれるかということですね。インターンシップを通して、テクニカルなことにも興味が湧いてきたので、その2つを融合させた何かを作れないかと考えて思いついたのが、「亡くなった人の残像」との交流をテーマにしたIPhoneのアプリ。ある人が亡くなった場所に近づくと、故人の個人情報がIPhoneを通じて伝わってくるという仕掛けを、GPSと音を組み合わせて作りました。受け手の反応は、卒業展でもいろいろでしたね。「何だろう、これ?」っていう反応を引き起こすことが目的でもあるんです。
■卒業後はどんな活動を?
音をビジュアライズすることに興味があるので、VJ(DJに合わせて映像を流す人)なども面白いかなと思っています。まずは国内・海外問いませんが、インタラクションデザインの事務所でいろいろな事をやってみたいと思います。ちなみに、ゴールドスミスカレッジのデザインコースは、卒業すると広告系やショーウィンドウのディスプレイの仕事に携わる人や、自分のスタジオを立ち上げる人が多いようですね。あとRoyal College of Art の教員や文筆業など教育の道を歩む人も多いと聞きます。
■海外でアートをする意義って何だと思う?
僕がやってきたことって、日本の大学でできるところがないんですよ。だから日本でやりたい事が見つからなかったら、海外の芸大へ行けばいいと思います。視野がすごく広がるし、作品を作るにしても、いろいろなことを知って作るのと知らないで作るのでは大きな違いがありますから。僕自身、海外へ行ってアイディアの発展のさせ方が変わりましたし、ある物事に対していろいろなアプローチの仕方を考えられるようになりました。
その海外へ行く前の準備として、僕はJCFLを選んで正解だったと思っています。びっくりするくらい、ゴールドスミスカレッジでの学び方と同じなんです。リサーチやプレゼンテーションなど、海外の大学で重視されることを、日本での1年でしっかり学べるので向こうに行ってから役立つと思います。JCFLの出身者はUKの学生よりもスケッチブックを褒められることが多いと同窓生から聞きますよ、僕は残念ながら違いますけど(笑)。