Glasgow School of Art の校舎
現在、世界的に見てプロダクトデザインは大きな転換点にあります。それはいわゆる先進国の産業構造が、製造業中心からより情報化された構造へと転換を図っているからです。英国の芸術大学の多くは、その動きに敏感に反応し、グラスゴー美術大学は、その代表的な大学です。
清水さんの話では、グラスゴーのプロダクトデザインでは、まさにその過程にいることを実感したそうです。大学は昨年、新しい学科長を迎えました。そしてこれまで「モノ中心」に行っていたプロダクトデザイン教育を、「コト中心」の教育へと転換しています。そして、これまで以上にプロダクトデザイン、つまりモノを製造することの意味を追求することを大切にしているそうです。
授業では、モノを作ることよりも、「誰が、何を、どうして必要なのか?」を問うためのリサーチにかなりの時間が割かれます。そしてその準備があってはじめて、そこで求められるモノやサービスについての提案作業に入るそうです。そのため、将来の世界を意識し、より大きな視野でモノやコトを見つめたい、という人にはぜひお勧めのコースですが、インダストリアルデザインのスキルを身につけたいという人には、あまりお勧めできません、とのこと。