いざインターンの応募へ。昨年は帰国して日本で。今年は海外を希望。
大学二年生の終わりが近づき、作品集(ポートフォリオ)も出来上がってきた5月頃から、夏季インターンの応募を行いました。昨夏は日本の「nendo」という大きなデザインスタジオでインターンを経験したため、今年は海外のフリーランスデザイナーのもとでインターンを経験したいと思い、興味がある世界中のデザイナーのオフィスへ応募しました。イギリスを中心に、アメリカ、スイス、日本のデザインオフィスから採用の通知を頂きましたが、就業期間、経済面やデザインなど総合的に判断し、ロンドンのデザインスタジオに決めました。
世界的に活躍するデザイナーMichael Marriottさんのもとで、
作品制作ほか全般の業務を補佐。
家具デザイナーであるMichael Marriottさんは、1993年にRCA(英国王立芸術大学院)を卒業後、自らもRCAで教鞭を執りながら自身のデザインスタジオを設立。家具を中心としたプロダクトデザインや本の出版など、イギリスを代表する実力派デザイナーの一人です。
スタジオは、家具製作に必要な工房を備えながら彼を含め計2人という小規模な環境であるため、事務、デザイン、製作、仕事内容は多彩です。私は主に家具やプロダクトの試作品や実際の作品制作の補佐を行いました。
デザインの現場とロンドンの文化の刺激を受けながら。
フリーランス・デザイナーの一連の仕事内容を間近で拝見し、その一端に触れ、デザインを学ぶ者として素晴らしい時間を過ごすことができました。また彼のスタジオは毎日午前中にティータイムがあり、お昼も皆で作って過ごします。家庭生活を大切にするヨーロッパらしい価値観もあり、仕事は忙しくても残業は殆どありません。時には彼の友人やクライアントがスタジオに訪れ一緒にお茶を囲み、夜には展示会などのパーティーに参加することもあり、ロンドンで活躍するデザイナーの方々とお会いすることもできました。こうした実務を越えた場で、デザイナーの哲学や人生観を垣間見ることができたことは、今回のインターンで得た最も貴重な経験の一つだったと思います。ただ実務を行うだけの経験や、大学の授業では決して得られないことで、マイケルさんには感謝の気持ちで一杯です。
インターンの最終日には私の髪を切ってくれたマイケルさん、公私を越えて最後まで親しくしてくださいました。大学卒業後、機会があればいつか一緒に仕事をしたいと思えるデザイナーに出会えたことが、今回のインターンでの大きな収穫でした。