Q 大韓航空のキャビンアテンダントに内定するまでの流れを教えて下さい
A 中部ベースの航空会社でキャビンアテンダントをしていました。機体が小さいので乗務するキャビンアテンダントの人数は2人だけ。ジャンボ機のキャビンアテンダントであれば仕事は1/17人分くらいですが、その会社では始めから1/2人分の仕事を任せてもらえたので、普通ならベテランになってからでないと任せてもらえない機内アナウンスも新人のうちからやらせて頂けました。国内線なのでフライト数も多く、忙しい時は1日5便飛んだり月にステイが13泊に及ぶこともあり、毎日目が回るような忙しさでした。でも小さい機体だけにお客様と会話をする機会も多く、行きの飛行機に乗っていたお客様が名前を覚えてくれて、帰りに「斉藤さん、また一緒だね!」と声をかけて下さることもしょっちゅうでした。ただ、留学を経験し、外資系航空会社で国際線を飛んでみたいという思いはずっとあったので、ここで一旦区切りをつけて挑戦することにしました。
Q 大韓航空を志望した理由を教えて下さい
A 外資系航空会社の国際線という条件の他に、東京ベースという点を重視していました。就職してからの2年間名古屋で生活していたので、そろそろ東京に戻りたいという気持ちが強かったんです。それから、外資系でも日本とその国の往復だけでなく、他の国へも乗務させてくれる会社を探していたのですが、その点でも大韓航空はヨーロッパやアメリカなどに行かせてくれるので自分の希望と合っていたので志望しました。
Q キャビンアテンダント生活の中で、特に印象的だった出来事があれば教えて下さい
A 地方空港からいらっしゃって、成田で国際線へ乗り継ぎという耳の不自由な方が搭乗されたことがありました。私は手話ができなかったのですが少しでも不安を感じて頂きたくないという思いで、絵葉書の裏を使ってサービスの飲み物のご紹介をしたり、到着時間や現在の位置、それから気流が乱れる場所では事前にご案内したり、とずっと筆談でやり取りをしていました。先輩クルーが他のお客様の対応を一手に引き受けてくれたからできたことだったのですが、その耳の不自由なお客様がとても喜んで下さったのが印象的でした。狭い飛行機だからこそお1人おひとりにじっくり対応することができる良さがありましたね。
Q キャビンアテンダントになってみて見えた、エアライン業界やキャビンアテンダントの意外な一面はどんな点ですか?
A キャビンアテンダントが華やかに見えるのはキャリーを引いて空港を歩いている時だけだな〜と思います。笑) 本当に体力勝負、色々な面で強くたくましくないとやっていけないんですよ。業務上、風邪になっても注射や眠気の出る薬は飲めませんから、私はどんなに熱が出ても一晩で絶対に下げます。よくパイロットの方たちが言うのですが、キャビンアテンダントはよく食べて寝て気が強い人ばかりだそうなんです。本当にサバサバした人が多くて、でもコミュニケーションをとても大切にしていました。ステイの前日は必ずクルーみんなでわいわいゴハンを食べに行きましたし、本当にみんな仲が良かったですね。
Q キャビンアテンダント・エアライン科で得たもの・学んだことで、仕事に役立ったことは何ですか?
A 全て役立っていたなと思います。先生のおっしゃっていたことはもちろんなのですが、エアライン科の生活そのものが女の子ばかりなので訓練や職場と同じような環境だったんです。声の出し方や立居振舞い、全てが練習になっていたと思います。就職活動中の学生を見る機会が何度かあったのですが、大学生と比べても日頃から先生のチェックがあるJCFLの学生はしっかりしていると思います。私は卒業後も先生には良くして頂いて、就職活動の相談にも乗って頂けましたし、とても心強いサポートでしたね。
Q 今後の目標は何ですか?
A 先日久々に海外旅行をして外資系航空会社を利用したのですが、改めて日本のサービスって素晴らしいなと思いました。ちょっとした仕草や心配りなど、自分なりのサービスを伸ばしていきたいと思います。その結果、旅行先でも「飛行機よかったね」と思い出にしてもらえたり、飛行機って楽しいんだなと旅の一部のように思ってもらえたらいいですね。そのためにも、授業で小森先生がおっしゃっていてなるほど!と思ったのですが、サービスをする人は自分が良いサービスを受けないとダメだなと思うので、良いサービスからはどんどん吸収していきたいと思います。
Q キャビンアテンダントやエアライン業界に憧れている人へ
A 躊躇することはあるかもしれませんが、後悔しないで欲しいなと思います。‘後悔しない’というのは私が一番大切にしていることでもあります。キャビンアテンダントになってみて、仕事が合わない人もいるかもしれませんが、何事もやってみなければ分からないこともあるのでまずは悔いが残らないようにやってみる。あと大切なのは絶対になれると自分を信じること。私はもともとマイナス思考なのですが、キャビンアテンダントだけはなると決めているんだからならなきゃ、という気持ちでいましたね。自分でマイナスと思っている点は少しでも消す努力をしながら頑張って下さい。