日本外国語専門学校 事前学習

第4回 そもそも動詞って何?


動詞とは文字通り「動作を表す」品詞のことです。英語ではどんなタイプの文でも必ずV(動詞)が必要です。基本的にはS(主語)とV(動詞)が最も中心的な文の要素になります。
これは英語を話すときにも重要なことで、S+Vがまず口をついて出てくるようにしなければなりません。
 
さて、動詞そのものを考えるときに気をつけなければならないのは、自動詞と他動詞の区別です。自動詞とは、その動詞だけで文法的には完結する動詞です。動詞の後に目的語などを要求しません。The dog ran.(その犬は走った)は、その後に修飾語がついてThe dog ran in the park.(その犬は公園で走った)になることはあります。しかし文法的にはThe dog ran.だけでも完全な文として成立しています。

これに対して他動詞は、例えばHe made.(彼は作った)のように、明らかに不完全な文です。この場合、「何を作ったのか」かが明示されて文法的にも完結した文になります。He made the cake.(彼はそのケーキを作った)で完全な文になります。言い方を変えれば「作る」という意味のmakeは、その後に「作る対象」を要求するわけです。
 
この自動詞と他動詞の区別は、ひとつひとつの動詞の使い方を習得していく中でだんだん分かってくるものです。すぐにすべての動詞について区別できるわけではありません。しかし、この動詞の大きな働き2つをます゜理解しておくことが大切です。具体的には動詞の直後に前置詞が必要であれば自動詞、前置詞なしで目的語などが来るならば他動詞です。



(適語補充)

(1) それを説明する     account (       ) it

(2) 美しさを増す add (       ) the beauty

(3) 疑いの余地はない admit (       ) no doubt

(4) 遅れを考慮する allow (       ) delays

(5) 私にわびる apologize (       ) me

 




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(1) for…account for 〜で「〜を説明する」という表現です。この場合のaccountは自動詞扱いです。もし他動詞ならばforなしで、いきなりitがくるはずです。

(2) to…add to 〜で「〜を増す」。やはりこの場合のaddも自動詞扱いなので、いきなりthe beautyが来ないで、toを介在させます。

(3) of…admit of 〜で「〜を認める」。ちなみにadmitの後にthat節がくるとadmit that・・・となってofが不要になります。

(4) for…allow for 〜で「〜を考慮する」。日本語で考えるとすぐに目的語が来てallow delaysでもよさそうなのですが、この場合もallowは自動詞だと考えます。

(5) to…apologize to 〜で「〜にわびる」。「apologize to + 人」と熟語のように覚えてもいいのですが、その時にapologizeが自動詞であるという認識を持って下さい。

 


     



  (適語補充。ただし、何も入れる必要のない場合があります。)                     

(1) 村に近づく
     approach (       ) the village

(2) 会に出席する
    attend (       ) the meeting

(3) 私に白状する
    confess (       ) me

(4) 要求を承諾する
    consent (       ) the request

(5) 彼と連絡する
    contact (       ) him



(1) 必要なし…なんとなくtoが入りそうですが、approachは他動詞で直接目的語を取れるのです。

(2) 必要なし…なんとなくatなどが必要そうですが、attendは他動詞で直接目的語が取れます。

(3) to…confessは自動詞なので、「誰々に」の部分は「to+人」を使います。

(4) to…consentも自動詞なので、「承諾する対象」はto以下であらわします。

(5) 必要なし…なんとなくwithが必要な感じがしますが、contactは他動詞なので直接目的語を取ることができます。