Q 翻訳業界を目指したきっかけは?
A 昔から映画が好きで、映画の字幕翻訳に興味を持ったのがきっかけです。JCFLで幅広い分野の翻訳を学習していくうちに、文章表現を考えたり、調べ物をするという翻訳自体の面白さに触れ、映画にこだわらず、翻訳を仕事にしたいと思うようになりました。
Q 英語翻訳科を選んだ理由は?
A 専攻分野が細かく分かれていて、自分の興味のある字幕翻訳を専門的に勉強できるのが決め手でした。やりたい事がはっきりと決まっていたので、短大や大学とは迷いませんでしたね。
Q 卒業後、どのようにして在宅翻訳者に?
A 学校の求人案内で、海外生活の支援サービスなどを行っている「日販IPS株式会社(海外販売課)」に就職しました。仕事としての翻訳経験は無かったので少しでも英語を使いたいと思い、上司に頼んで積極的に英文レターやFAXの翻訳をさせてもらっていました。自宅でも通信教育で翻訳の勉強をしていましたね。その後、翻訳の世界がどういうなのか少しでも知りたいと思い、まずはチェッカー(訳をチェックする人)として技術系翻訳会社に就職しました。ここではTRADOS(翻訳業界で広く使われている翻訳支援ソフト)の使い方も覚えました。他の翻訳会社の社内翻訳者を経て、現在の在宅翻訳者になる道を選びました。
Q 現在の仕事について
A 現在5社の翻訳会社に登録していて、その内2社の翻訳会社からコンスタントに受注しています。主にIT・コンピュータ関連を扱っていて、マニュアルやホームページ、Eラーニング教材、カタログなどを翻訳しています。英日翻訳を一日平均2千ワードくらいこなします。小さいものだと、2千〜1万ワード(納期は1〜5日)、大きいものだと2万〜10万ワード(納期は2週間〜2、3ヶ月)です。
Q 仕事のやりがいは?
A クライアント(顧客)からクオリティの高さを評価頂き、「次回もぜひ」といわれると、翻訳をやっていて良かったな、また頑張ろう、というやる気が出てきます。自分の力で1つのマニュアルなりホームページなりの翻訳を完成させることにやりがいを感じますね。また、常に新しい内容の翻訳なので、その都度調べものをすることで自分自身の知識にもなるのが楽しいです。
Q 仕事で大変なことは?
A 翻訳の分量を決めたりスケジュールを調整したり、といった自己管理が大変です。また、経験を積むにつれクライアントから信頼されて仕事が増えるのは嬉しくてありがたいことなのですが、大量の仕事を短期間で依頼されたり、複数会社からの仕事が重なったり、期待されることへのプレッシャーがあります。訳文については、翻訳者が責任を持つ必要があるし、ミスをすると次回からの仕事にも影響する恐れがあるので、とにかく真面目に慎重に取り組み、クライアントの信頼を裏切らないようにというプレッシャーを感じています。
Q JCFLで学んで今の仕事に役立っていることは?
A カタログ、DMなど、実際の仕事に近い内容の翻訳を教えてもらったことや、「日本語表現」の授業で文章の作り方、句読点の基本的な打ち方などを学んだことが大変役に立っています。また、資格や検定など常に目標を持って勉強に取り組んだことは、今考えるとその合否結果だけではなく、仕事に取り組む姿勢にもつながっていると感じます。
Q 将来の夢や今後の目標は?
A 現在はコンスタントに仕事の依頼があり、非常に充実しているので仕事に関して大きな目標や夢はありませんが、毎回の仕事が勉強でも目標でもあります。様々な知識を身につけていくことで翻訳能力の向上を図っています。さらに経験を積んで、大量の翻訳でも適切にかつ迅速にこなせるようになりたいですね。そのための努力はこれからも怠りません。
Q 翻訳者になりたい人へのメッセージ
A 文芸翻訳か実務翻訳かだけでなく、さらに専門分野を絞って勉強することが大事です。英語力はもちろんのこと、それ以上に日本語力を身につけることが大切です。英語の勉強は、ただ文法の本を読むだけでなく、興味のあるジャンルでいいので英語の本を沢山読むこと。文法は後から身についてきます。