カナダ留学現地レポート

REPORTER

栃木県立宇都宮北高校出身 
アメリカ・カナダ留学コース2008年卒

メディスン・ハット・カレッジ
Child & Youth Care専攻

BACKNUMBER

2009年4月

 

難しいコミュニケーション

スキー&スノーボード

2月中旬から、最高気温がプラスになる日も多くなりました。休日にはスケートやそりすべりをしたり、Battle of sexesという、男女に分かれてクイズで競い合うイベントや、ホストグランマとビンゴ(賭け事)に行ったり、金曜日にはクラスメイトとパブに行ったりして楽しんでいます。また、Big Brothers & Sistersのボランティアでは、子供たちと陶器を作りました。

コネクション。動物の鳴きまねゲーム

渡航から9ヶ月。始めのうちは勢いでなんとかなっていたことも、文化の壁はあついなと最近は悩むこともあります。最初はたくさんの友達を作ってコミュニケーションできればそれで満足でした。しかし、今はもっとお互いに深く分かり合いたいと思っています。これは全ての留学生が経験することですが、クラスメイトや実習先で従業員やお母さんたちと話していると、盛り上がれない話題が多くあります。物の名や有名人など知らないことはたくさんあるうえ、地元で生まれ育った人が多いメディスンハットでは、地元特有の話をよく耳にします。しかし、私は留学生だから、と理解することを諦めていては何も見えてきません。次のステップに進むためには、あと一歩踏み込んだ挑戦が必要なのかもしれません。

自分を磨くカウンセリングの時間

左)ホストシスターと、右)そのいとこ。おばけは牛とてんとう虫が苦手だそう(笑)

その点、私の学科は個人的な問題を共有する機会が多くあります。カウンセリングの授業で、この悩みを題材に宿題のビデオを録画しました。すると、ばらばらだった考えがだんだん一本の線にまとまってくる気がしました。授業でのカウンセリング練習も、扱う問題は全て本物でなければなりません。最初は「トラウマなんてないよ~」と言っていたクラスメイトも私も、最後は号泣しながら過去を語ったこともあります。悩みはどんな小さいものでも構いません。友人と交代でクライアントとカウンセラーになり、1時間のカウンセリング。カウンセラーとは問題を抱える人に助言をする人ではなく、クライアントが自身で問題を解決できるように手助けする人です。この学科では自分と向き合うことが多くあり、精神的に成長できます。本当にこの科を選んで良かったです。学科名の響きから子供たちについて学ぶという印象を持たれると思いますが、自分と向き合うことで自身を知り、みんなが自分の力で幸せになれるようサポートすることを学んでいます。

専門的な授業

McManプレイルーム

また、体育では2歳から18歳までの子供たちに、楽しく有意義に体を動かしてもらう方法を学んでいます。先生が毎回3つほどゲームを紹介し、自分たちで遊んでみて、改善点やターゲット、応用の仕方を考えます。このヨガに”Simon says”のゲームを取り入れたら楽しそうとか、フラフープの代わりに軟らかいボールを使えば4歳の子供もできる、など。この体育は技能を伸ばすことが目標ではないので、楽しく追いかけっこしたりボールを蹴ったりできて気に入っています(笑)

本物のヘビです!

冬学期からはこのようにより専門的な授業が増え、実習も始まりました。私は、小学校内に設置されているMcMan Parent Link Centreで働いています。ここでは木曜日の2つのセッションを受け持っています。0歳から6歳までの子供たちと通常そのお母さんが訪れ、プレイルームで遊んだり、歌って踊ったり、読み聞かせをしたりするセッションと、双子の子供たちとその家族が来て遊ぶものです。無料で子供たちが様々な新しいおもちゃで遊んだり、親御さんが交流して子育てについて気軽にプロに聞けたりする場は、日本には少ないと感じます。1日にだいたい50人の赤ちゃんと子供たちが訪問します。与えられた仕事は一つもありません。全て自分で何ができるか探します。親御さんへ自己紹介、新訪問者へのオリエンテーリング、おもちゃの取り合いを仲裁、着替えの手伝い、子供と遊ぶ、読み聞かせ、躾についての本を読む。2年目の本格的な実習に向け、観察力を磨き中です!

2009年7月

 

記憶に残るバンフ旅行

バンフの絶景

透き通った空から降りそそぐ日差しがとても心地がよい季節。まだ肌寒い日もありますが、メディスンハットにも夏が訪れました。
 
McMan Parent Link Centreでの実習も無事終了し、5月は休暇を楽しみました。ロールキャベツパーティーや高速道路のごみ拾いのボランティアをしたり、ホストファミリーとダンスのコンサートやサッカーの試合を観戦しにいったりと、さまざまなイベントに参加できました。特に、友人4人でいったバンフ旅行はとても心に残る思い出です。バンフは、アルバータ州内にあるカナディアンロッキー最大の観光地で、メディスンハットから車で片道約4時間ほどかかります。山々にはまだ半分くらい雪が残っていて、湖も所々凍っていましたが、何も遮るものがないダイナミックな大自然にわたしは圧倒されました。完璧な芸術、という感じです。

カレッジでの節約法!!

ホストシスターとウォーターパークで

6月からは一ヶ月間、前学期に取らなかった文学の授業がありました。長編小説を4冊、短編小説を10話、詩を25編、エッセーを7つこなしました。短い期間にたくさんの本を読むのは大変でしたが、一教科に集中できるのが春学期の利点です。こちらの教材はとても値段がはるので、事前に友人から借りたり、中古を購入するのがおすすめです。カレッジ内のブックストアで使用後に売ることもできます。
 
放課後はよく友達と温水プールへいきました。カレッジからバスで30分の場所にあり、ウォータースライダー、波のプール、ジャグジーなど、設備も充実しています。

カナダに来てからの1年を振り返って

McMan 一緒に働いた大好きな仲間たち

カナダにきてからもう1年が経ちました。初期の気合が最近薄れつつありますが、自分なりに精一杯前向きに、さまざなことに挑戦できた一年となりました。
 
日本にいる時には見えなかった日本、世界、自分自身を知ることができたのは留学の醍醐味です。今は仲のよい友達もでき、夏の帰国で2ヶ月間離れると思うと寂しいです。とはいえ久しぶりの日本は楽しみでなりません。家族や友達からパワーをもらって、9月から新たな気持ちで再スタートがきれたらと思います。

2009年10月

 

裁判所でカナダ人のお辞儀!

今年も学科でキャンプ

日本で過ごした長い夏休みが終わり、私も晴れて二年生になりました。今学期の授業は、子供のカウンセリング、家族を主体にしたチャイルドケア論理、青少年犯罪に関する法律、カウンセリング理論、発達心理学、そして実習です。
 
先日、法律の授業の一環として裁判所へ見学にいきました。日本でも裁判を傍聴した経験がなかったので、とても興味深かったです。初めてそこでカナダ人のお辞儀を見て感動しました笑。出入廷の際に、検察官と弁護士が裁判長に向かってお辞儀をするのです。約15名の軽犯罪を犯した若者たちの裁判が、2時間にわたって執り行われましたが、さすがは平和なメディスンハット、ほとんどの犯罪は車のスピード違反で、夜中にパーティーをしてうるさかったから罰金1ドル、なんていう“事件”もありました。裁判長はとてもフレンドリー。もちろんシャイな人もいますが、どんなに身分や地位が高くても、カナダ人はフレンドリーで平等です。

資格を取得して頑張っています

学生たちによる劇

カナダにきて2つ目の資格を取得しました。Suicide Intervention Trainingという、自殺をしようと考えている人にやめてもらえるように話をするテクニックを学ぶものです。たまたまカレッジで安く申し込めたので参加しましたが、とても重かったです笑。個人的に知人を自殺で失っているので、以前から何かしたいという気持ちは強かったと思います。もちろん全ての自殺をとめることは不可能です。しかし、命を絶つ以外の選択肢を一緒に見つけていけたらなと思います。

子どもたちからパワーをもらう仕事

2度目もやっぱり怖かったジップライン(クライミング技術を利用して森の中を移動するゲーム)

2年次から、実習生としてCORE Association で週に15時間働き始めました。ここでは身体的、知能的障害を持つ子供たちの世話をしています。3歳から19歳のほとんどの子供たちが自閉症、ダウン症、注意欠陥他動障害などをもっています。何人かの子供たちとは非言語でのコミュニケーションです。最初は、暗い仕事のイメージがありましたが、子供たちはみんな本当に明るくて、とっても元気です。悩んだり宿題で疲れたりすると、今日は子供と遊んでパワーをもらおう!とよく思います。
 
主な仕事内容は、クライアントに関する書類の整理、資料の作成、一人ひとりの子供に合った緻密さや感覚器官を発達させるゲームを一緒にすることです。毎週木曜日はアクティビティの日で、プールや公園へ行ったり、最近はハロウィーンの飾り付けやお面を作ったりしました。
 
毎週土曜日は自閉症のプログラム。みんな泣いたり叫んだり、作業になかなか集中してくれない日もあります。気性の荒かったり反応の薄かったりする子供たちの世話は難しいと感じることがあるので、もっと堂々と、失敗を恐れずに接することが今後の目標です。