シドニーでは、毎週週末になると、どこかしらでお祭りをやっています。フィルムフェスティバル、アートフェスティバルなどなど。大々的に宣伝している様子もないので、全く知らないで過ぎていってしまう場合もありますが、お祭り好きのシドニー市民は、どこからともなく匂いをかぎつけてきます。当日テレビニュースを見てから来ても、そう大きくないシドニーでは間に合いますし、おそらく、シドニーシティーのウェブサイトでチェックしている市民も多いでしょう。
先日、友達との待ち合わせをして、早めに到着した私は街の中を散策していました。すると、ハイドパークの辺りが、いつもより賑やか。見ると、そこは緑一色!!
「あ、そうか、アイルランドのセントパトリックデーか。」
セントパトリックデーはアイルランドの守護聖徒セントパトリックの命日を祝う日。アイルランド共和国の国花であるクローバーを身につけるという意味で、みんな緑の洋服を着ます。ここシドニーは、アイルランドからの移民たちの歴史も古く、かなり大きなコミュニティーになります。
会場をのぞいてみると、ギネス(アイルランドのビール)
を片手に歌を歌ったり、踊ったり盛り上がる人々。アイルランドのアクセサリーの出店などもあります。アイルランドの食べ物ってどんなものだろう?と気になりつつも、友達とディナーの約束をしたので、一人で食べていくわけにもいかず、雰囲気だけをご馳走になりました。
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さてさて、会場の雰囲気に浸っただけで、行ったこともないアイルランドに、すっかり行った気分になった翌週。また週末に街を歩いていると、友達から電話が。
「今日はダーリングハーバーでグリーク(ギリシャ)フェスティバルがあるらしいよ!」
そんな情報を聞いて、行かないわけはありません。早速ギリシャフェスティバルにも行ってきました!先日のアイルランドのグリーンとは打って変わって、会場はギリシャの鮮やかなブルー。ギリシャ系の人がたくさん集まって、民族衣装を着て踊ったり、歌ったりしています。ギリシャの音楽は、なんだか昔の映画のような、懐かしい雰囲気があります。
その会場で気づいたのは、ギリシャの人々が家族単位で集まっていること。おじいさん、おばあさん、お父さん、お母さん、子供、孫たち・・。若い子たちも、友達どうしだけで集まるというよりは、おじいさん、おばあさんを囲んで、家族の時間を大切にしているようでした。きっとギリシャ人の家系では、家族のつながりが深いのでしょうね。
立て続けに参加した2つのお祭りで実感したのは、オーストラリアという国は一粒で何度もおいしい国だなぁということ。行ったことのない国が、その国の人々が、こんなにも身近に感じられるなんて!オーストラリアに来て初めて食べた世界の料理も数知れず。色々な国がとても身近になりました。
またそれぞれの国の移民たちが、自国の文化やアイデンティティを失わずにいるのも素晴らしい。オーストラリアは様々な国から移民を受け入れていますが、その人たちのありのままの姿を受け入れる寛容さが、逆にオーストラリアの文化を豊かにしているように思います。それぞれのコミュニティがオーストラリアに還元しているという感じでしょうか。
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