カンタス航空研修とメルボルンの山火事
前回少し書きましたが、シドニーで行なわれたエアライン科の学生たちのカンタス航空キャビンアテンダント研修。今回はその研修について書きます。カンタス航空といえばオーストラリアでは「flying kangaroo(空飛ぶカンガルー)」と呼ばれ、一番親しまれている航空会社。今日本でもCMしているジェット・スターはカンタスの子会社です。オーストラリア国内でのカンタスのイメージは他の格安航空会社に比べてちょっと「高級」なイメージ。でも一度も大きな航空機事故を起こしたことのないカンタスは「信頼」できる存在でもあります。他の格安ラインではなく人々がカンタスを選ぶとき、きっとそこには何かあるんだろうな・・と思っていたのですが、今回学生たちの研修を担当した現役CAのジョディさんが言ったひと言でなるほど!と思いました。「We want to make our customers feel special(お客様にスペシャル感を味わってもらいたい!)」。確かに他よりちょっと高いお金を払ってカンタスに乗るなら、スペシャル感を味わいたいですよね!
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そのスペシャル感の演出はすべてキャビンアテンダントの腕にかかっています。お客さんはエコノミークラスだって高い航空運賃を払っているのです。普通の売店のおばちゃんと同じような対応では、がっかりしてしまいますよね。言葉遣いも含めて相手に非日常の特別な空間を楽しんでもらう。カンタスではスタッフやCAたち一人ひとりがそういう気持ちでいるのが伝わってきました。まさにプロの集団!エアライン科の学生たちは研修を通してエコノミー、ビジネス、ファーストのサービスや緊急訓練など様々なことを学びましたが、そのカンタスのホスピタリティー精神もしっかりと学んでくれたことと思います。他では決してできない、貴重な体験です。 |
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さて、シドニーでの研修を見届けてメルボルンに戻ってきたわけですが、こちらは今日本でも散々テレビで報道されている「山火事」が大変なことになっています。オーストラリアはとても乾燥した大地で、昔からbushfire(山火事)は自然の一部です。bushfireによって種の入った殻がはじける植物もあるくらいなので、「また今年も山火事の時期だね」という具合なのですが、今回はその被害が大きすぎました。一部の山火事は放火の疑いもあるとのことで調査されていますが、街一つ全て焼けて消えてしまった所もあり、本当にbushfireに慣れたオージー達もショックを隠せません。
メルボルン周辺の山はどこも四方八方山火事で、まだ消えて いない所も多くあります。安全なメルボルンでも煙のようなモヤがかかっていたり、たまに煙の匂いがすることもあります。一瞬にして家族や家、友だち、大切なモノなどを失ってしまった人々のことを思うととても切なくなりますが、そんな中オーストラリア中からdonation(寄附)がすごい勢いで集まっています。様々な大手企業、スーパー、デパートなどが寄附を発表し、一般の人たちもそれに続くように赤十字や銀行などを通して寄附をしています。ある大手スーパーでは先週の金曜日、2月13日の売り上げを全て寄附すると発表したため、多くの人がそこで買い物をしました。決して他人事ではないのが山火事の被害。どこもeconomy crisis(経済危機)でお金がない!お金がない!と言っている時にすごい金額が集まったようで、オーストラリアの人たちの助け合いの心を感じました。
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