三枝 まずは皆さんが高校生の頃、日本の大学に行くという選択肢もあった中、なぜ留学をしようと思ったのかをお話しください。
森 人と何か違った自分らしいことをやってみたいと思いました。どこまでやっていけるのか、自分の力試しですね。海外に行くのは、ひとつの自分の力を試す方法かなと思いました。「日本の外に何があるのかを知ってみたい」という好奇心が強かったのもあると思います。
櫻井 高校まで私は獣医学を学びたいと思っていました。今は会計学を勉強しているので少し別の話になりますが、その時、日本でどんな獣医学が学べるのかを調べてみました。私がやってみたかったのは応用の臨床の方だったのですが、日本の大学だとどうしても基礎講座中心の授業しかなかったので、そこで初めて視野を広げて、留学してみようということを考えました。
池内 私は小学校時代の恩師が旅行するのが好きな先生で、旅行先からよく絵葉書を送ってくれて、それで世界に興味を持つようになりました。それで、将来色んな国に行ってたくさんの物を自分の目で見てみようと思い、それだったら世界共通の言葉、英語を学びたいと思ったのがきっかけです。
武井 もともと英語が好きだったので、最初は日本の4年制大学に入って英語を勉強しようと思っていたんですが、周りの友達が受験勉強に必死になり出したりとか、先に大学に入った先輩方の実際には全然勉強していない姿を見て、これで本当にいいのかな、これで4年間過ごすのかなと思いました。その時に、留学という選択肢を知って、留学すれば語学力もつくし、さらに自分の興味のあることを見つけて勉強できるということもあり、一石二鳥以上の価値があると思い決めました。
田村 私が留学を決めた理由は2つあります。まず英語が好きだった。それから国際交流に興味がありまして、違う文化を自分の目で見て知りたいなという気持ちがありました。
三枝 最近、直留(直接留学)、直行などという言葉が新聞等に出ていますが、直留した方がいいのか、それともどこかで1年クッションを置いて留学した方がいいのか、皆さん知りたいところではないかと思います。そこで、直留ではなく、なぜJCFLで1年間学んでみようと思ったのか、お話ください。
田村 私は高校が普通科だったので、英語の授業が数える程度しかありませんでした。学問として英語を学ぶのではなく、英語で学問を学びに行くわけですから、コミュニケーションの道具として英語を使うことになりますが、そういった視点から見ると私の英語力には自信が持てませんでした。そこで、準備期間として1年間おいて英語を伸ばして心の準備をしようということで、JCFLに入りました。留学というのは留学費用なども含め、家族も関わってくると思います。私の母親は猛反対だったのですが、最終的には理解してもらうことができて、留学することができました。JCFLはちゃんとサポートをしてくれるので、長期的な目で見ても私も親も安心できたのが一番良かったと思います。
武井 皆さん同じだと思うのですが、私も高校卒業時点では海外で生活していくこともままならないような英語力で、そんな所から集中してちゃんと勉強できるかといったら、できないだろうなという不安がありました。ですから、やはりちゃんと英語力をつけて、さらに生活面等もきちんとした形で留学したいと思い、JCFLに入ることを選びました。結果的に、高校の先生もそれで折れてくれたのもありましたし、親も安心させることができました。これは予想してなかったことですが、実際JCFLに入ったら同じ留学という目標を持った人が集まっているので、すごく良い友達が出来ました。その友人達とはいまだに飲み友達をやっています。
池内 アメリカ留学に必要なのはTOEFL(英語試験)と渡米手続き。その渡米手続きを1人でやるのは難しいと思います。いざ留学したいと思ったとき、まずインターネットでJCFLを見つけました。JCFLは渡米手続きをやってくれる、それから大学入学に必要なTOEFLの試験の対策もやってくれる。そこに魅力を感じてJCFLを選びました。それから親が反対していたので、私1人で説明しきれなかったところを、JCFLの先生が親に電話をして説明してくれて、そこで親にも安心して、納得してもらうことができました。今では「留学してよかったね」といってもらえるまでになりました。
櫻井 皆さん英語力を理由のひとつにJCFLを経由して留学することを選んだとおっしゃっていましたが、私の場合は留学するという決意をしたのが高校3年になってからだったんです。そこでそれから1人で渡米手続きなどを調べて、自分で渡米するというのが難しかったんですね。それで色々しらべていくうちに、このJCFLという学校は1年間英語の勉強もできた上で、アメリカ・カナダ留学コースの場合1年分の単位を留学先の大学に移籍できるということで、お金の無駄にもならないし、時間を有効的に使うことができるということで、JCFLを選びました。
森 単位が移籍できるので1年無駄にしないこと、それから両親と一緒に準備ができることがあります。私も皆さんのように、学校説明会に来ました。その時に、私は「留学してこんな事がしたい」と先生に相談しました。そうしたら後日手紙などで親切に「こういう就職をしたいのなら、こういう留学がいいんじゃないか」とアドバイスをすごくよくしてくださいました。それで、JCFLだったら1年間親と私と学校のトライアングルで一緒になって留学の準備ができるんじゃないかな、と思いました。自分にとっての安心感、親にとっての安心感があったので、JCFLに決めました。
三枝 渡米(渡航)手続きと言う話が出ましたが、外国の大学へ留学するときには、まず願書をその大学に送ります。願書を送る時に、アメリカ、カナダの場合はTOEFLの点数,イギリス、オーストラリアの場合はIELTSという試験の点数を送ります。その点数が入学条件を満たし、願書の内容が大学に受け入れられれば、合格するわけです。合格すると大学から入学許可証が送られてきます。そこから渡航手続きが本格的に始まります。学生ビザを取得したり、(国によっては)大使館に行って面接を行いますが、その面接方法についてもJCFLでは指導しています。そういった全てを含めて渡航手続きと言えると思います。そのほかには、在学中1年間、我々担任は各学生さんと面接を何回も繰り返して、自分の納得のいく大学を選んでもらうというシステムになっています。4月に学校が始まって、国によって異なりますがだいたい12月、11月に進学先を決定します。
三枝 それでは具体的にJCFLの印象深かった先生の話や授業の話をしてください。まずアメリカ・カナダ留学コースについて櫻井さんお願いします。
櫻井 JCFLの授業といえば、まずTOEFLの専任講師でいらっしゃる内宮先生の授業が一番最初に思い出しますね。TOEFLの神様と言われているような方で、TOEFLを受験しても毎回満点しか取らないような、素晴らしい先生なんですけど、その先生が長年の間に得た知識やノウハウを直々に伝授してくださるので、アメリカやカナダに留学するのに必要なTOEFLの点数というのは、お墨付きで確実に伸びます。教え方も非常に上手いので、授業中も楽しく、それが本当にアメリカの大学の授業にもつながっていったんで、受けられて一番良かったと思う授業です。あとは、単位移籍をするということで、JCFLではアカデミック(学術的)な授業を受けることもできます。例えば私が学んだのは経済学とか、今専攻している会計学の基礎の授業など、クラスによっても異なりますが、だいたいネイティブの先生が教えてくれます。教科書は本当にアメリカで使っているような英語の教科書を使って、アメリカの大学と同じような授業をやるので、準備をするという点ではすごく力がつく授業を受けられたと思います。それで実際NY州立大学プラッツバーグ校に33単位を移籍して、2年生から始めることができました。
三枝 それではイギリス留学科の思い出深い授業、田村さんお願いします。
田村 一番印象に残っているのは、神谷先生という先生の授業です。リーディングの授業だと、みなさん高校でもやっていると思いますが、ただ読んでいるだけでは、落書きでもしたくなるほどつまらなくなると思います。でも神谷先生は学生の興味を引くのがとても上手な先生で、授業中に面白い留学体験談をしてくれたり、正解率の競争を兼ねてグループワークをしたり、とても面白かったです。それから今はいらっしゃらないのですが、スピーキングにジェフ先生という先生がいまして、この先生も学生の興味を引くのが上手で、とても楽しかったです。スピーキングでは実際にアイエルツの教材を使ってディスカッションをしたりしました。自己紹介から始まって、環境問題や教育問題についてディスカッションしたりしました。これで1年でかなりスピーキング力が伸びたと思います。
三枝 それでは、いよいよ、留学をしてからの話をしてもらいます。実際の留学生活ですが、学生生活、アルバイト経験、ボランティア経験、寮やホームステイの経験でも結構です。思い出深い教授の授業などがありましたら、紹介してください。森さん、武井さんは様々な経験をされていますから、今の自分の職業、あるいは研究の道が、留学したからこそある!というのがあれば、お話しいただければと思います。
田村 実際の留学生活ですが、慣れるまでは言葉の壁がありました。第二外国語として日本で英語を学んできたので、現地の学生との差がありました。だいたい3ヶ月を過ぎると、学校生活も友達が出来はじめて楽しくなりました。私は心理学専攻ということで、将来は臨床心理士として働きたいので、授業以外にボランティアとアルバイトをしています。ボランティアの方はイギリスの病院、NHS(National Health Service)の管轄の病院で、うつ病患者など、精神疾患の方とコミュニケーションを取ったり、お手伝いをしたりしています。アルバイトの方は、脳に障害がある方の行動記録を取り、それを治療者に提出し、治療経過を一緒に見ていくというアルバイトをしています。
武井 私はまず、グランマキュワン大学のアジア・パシフィックマネージメントという、国際ビジネスに焦点を置いた学科に入りました。国際ビジネスの中でもアジア地域と北米地域のビジネスの関係について集中的に学ぶ学科ですが、その学科の特徴として、学生の半数以上が白人ではないんです。中東系であったり、アジア系であれば中国であったり、韓国であったり、私のように日本人やインド系などが多かったり。1つ1つの授業で当たり前のことを話していても、それを違う文化的背景から色んな観点で見た意見が聞ける。この小さな教室が1つの世界の縮図といったような毎日を送ることができ、すごく良かったと思っています。2年間終わって卒業式を終えたときに、学科のディナーパーティーがホテルのホールを借り切って行われたのですが、女性達がそれぞれの民族衣装を着てきて、ホストファミリーや教授にも喜んでもらいました。
それから仕事に関係することですが、私の場合その2年間のグランとマキュワンの勉強の中でビジネスを学んで、その中でもさらに自分が興味を持ったのが金融だったので、そちらに進もうと思いレスブリッジ大学に編入しました。正直留学前は帰ってきたら英語を生かして何か仕事をしようとか、外資系の企業に入ろうとか貿易関係をやろうとか、その程度しか考えていなかったのですが、金融という新たな興味を見つけたことによって、英語はあくまで手段であって、必ずしも職場で英語を使うことにはこだわらないという新たな考え方を持ち、そしてそのまま金融学との出会いを見つけられたと言うのが、私にとっての留学の大きな成果だったと思います。今実際にお会いしているお客様にもこの留学という背景を珍しいといって喜んでもらっています。留学していたことで、視野が広いというのはよく言われます。それから自分が現地で見てきたものを経済発展の話などにつなげて話したりすると、「あ、実際にこの子は肌で感じてきてきたんだな」と、実体験に基づいたものとして捉えてもらえます。
三枝 よく私も聞く話ですが、海外で4年制大学を卒業して帰ってきますと、まず就職には困りません。なぜかと言うと、英語ができるというのはもちろんのことですが、どこの国でもやり通す根性と意志がないと卒業は難しいのです。それを成し遂げてきた根性のある人は需要も高く、わざわざ留学経験のある学生を募集する企業も多くあります。日本で募集するだけでなく、わざわざ日本の大企業が海外に出向いていって、海外で良い人材を確保するというシステムもあります。それぐらい、正規留学をして卒業してくれば、日本の大学を卒業する以上に、就職するには困らないと言えるのです。
池内 私が初めて渡米した後に驚いたことが、皆さん「あ、日本人だ。日本にはこれがあるんでしょ?」と、例えば原宿だったりメイド喫茶だったり、それを教えて!と興味を持ってくれたことです。私は日本語を教えるボランティアをやっていて、週1回金曜日に日本語を教えたり、日本の文化、日本のアニメなどについて教えたりしています。それから、今、学校内でアルバイトもしていますが、そうやって日本に興味を持ってくれても語学の壁があり、私は4箇所応募して、全て落ちて、5箇所目にやっと受け入れてくれるバイト先をみつけました。それは学校内の郵便局です。日本など海外から親御さんが送ってくれた荷物を管理したり、学校内の書類を外に出したりする場所で務めています。初めのうちは語学が大変で、電話対応、機械の扱い方などもメモに書いて覚えて、それを貼ったりして苦労しました。でも今ではベテランになって、お金の管理を任せてもらえるようになりました。アルバイトで良かったのはまず日本語をしゃべる機会を減らせる、アメリカ人や色んな国の人と接する機会が増えるという点です。語学力が上がり自信につながりました。
三枝 学内のアルバイトですと週20時間までというルールがアメリカにはありますね。
桜井 私の大学はよく言えば自然が豊かな環境ですので、自然と勉強が中心となる学校生活を送ってきたのですが、留学なので勉強についての話をさせてもらえればと思います。基本的にどこの国も同じだと思いますが、留学生だからとか、容赦はしてくれません。逆にそれはどういうことかというと、頑張れば認めてもらえるということなんです。自分で努力して勉強して分からない所があったら教授に聞きに行って理解して、勉強して・・というのを繰り返していけば必ずちゃんと認めてもらえます。先ほど三枝先生からも卒業するのは難しいという話がありましたが、それも自分のヤル気次第ということだと思います。実際経済学の授業で、先学期難しい授業をとっていて、教科書に何が書いてあるのか全く分からないという所から始まったのですが、一つ一つ調べて、教授の所にほとんど毎日通いつめて勉強を繰り返して、一番最後にはそのクラスで一番になって期末テストを免除してもらいました。あきらめないでやればできる、きちんとやれば認めてもらえるということを知って、頑張っていただけたらと思います。
森 日本でなかなかできないこと、例えば大学在学中に友達7人で家を借りて住んでみたりだとか、学生同士でボランティアしたい人を募って、2年前にあったハリケーン・カトリーナの被災地に行って被災者の人たちのためのカウンセリングをしたり、ということをたくさんしました。今はエクスターンシップで、病院でカウンセリングをしたり、仕事として学校内にある相談室、大学生に対してのカウンセリング等を行っていますが、私の異文化体験、留学体験を生かして、有色人種の学生、マイノリティ(少数派)の学生、ゲイ・レズビアンなどに、彼らのニーズに合ったようなカウンセリングをしたりしています。現地のスタッフに、他の文化を持った人間の目からみたら、ここはこうなる・・と私の方から教えたりもするので、そういった意味で私の異文化体験、留学体験は役に立っていると思います。桜井さんもやる気があれば何でもできると仰っていましたが、やる気とアイディアですね。しっかりしたアイディアを持っていれば、自分がやりたいなと思っていることが現実化できるので、来月から留学生のためのサポートグループという、ほとんどボランティア感覚なんですが、他の国から来て心細い思いをしている留学生を支援するグループを私と仲の良い友達とで立ち上げて、これから皆のためにがんばって行こうと考えているところです。だからヤル気とアイデアがあればいろんなことができると思います。
三枝 高校までの勉強だと、何となく暗記力とか偏差値といったものが重視されますが、海外の大学では創造性Creativityというのが、ひとつのキーワードなんじゃないかと思います。
三枝 それでは、これから留学を考えている人にワンポイントアドバイスをお願いします。
森 たぶん皆さん期待であったりとか不安であったりとか、色んな思いを持ちながらここに座っていると思います。それは自然なことなので、少しでも悩んでいることがあったらJCFLの先生方やクラスメイトにどんどん相談していってください。それが私にとってはJCFLにいた時に役に立ったことです。
桜井 アメリカに行って感じたことですが、様々な文化があるので、文化の壁にぶつかることもあります。自分が良かれと思ってやったことが裏目にでることもよくあります。でも、本当に大丈夫なのでプラス思考を持ってください、というのが一番伝えたいことです。やはり辛いこともたくさんあると思いますが、本当に大丈夫なので、自分でやろうと思えばできてしまうものなので、そこで諦めたりしないでヤル気を出して前を向いて頑張ってもらいたいと思います。
池内 JCFLの先生方は親身になって考えてくれるので、1日1日をしっかりと真剣に楽しんでいければ、それが身になって将来につながっていくと思います。
武井 皆さん不安がたくさんあると思います。私も不安でした。だからこそ事前準備をしっかりして、ヤル気を持って、あとはオープンマインドで行って来てもらいたいと思います。
田村 語学について不安に思っている方もいると思いますが、そんなに難しく考えないでください。語学は料理と同じだと思います。料理はレシピを見て練習して、感覚として覚えていきますが、語学もそれと同じです。私もJCFLに入る前はカルボナーラも上手にできませんでしたが、英語もそれと同じでとっても下手でした。JCFLに入って使ううちに感覚として覚えていったので、自然と口からでるようになりました。私でも伸びたので大丈夫です!
2007.7.29 留学フェアにて