今留学しているヘイズという街
留学するためにアメリカに来てあっという間に時がたちましたが、飛行機の窓からシカゴの町並みが見えた瞬間の緊張と興奮は今でも鮮明によみがえります。初夏のシカゴの風がまだ冷たく、気温も10℃もなかったのが、次の日ヘイズに付いたとき40℃ぐらいの暑さだったのに驚きました。
20人乗りの小さな飛行機の中から見るカンザスは起伏がなくいつまでも続くゴルフ場のように見えました。旅の終点はヘイズという人口2万2千人の小さな町。東京と比べると「小さな」町ですが、西カンザスでは一番大きな町です。世界で一番大きいWalMartというスーパーがあって、安くて品揃えも良いので買い物はすべてそこですませています。モールが一つと、他にスーパーがいくつかありますが、一番近いスーパーまで徒歩30分なので車がないと大変なのは確かです。留学生はみんな、自転車を買ったり、車を買ったり、友達に乗せてもらったりしています。
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ホームステイでの留学生活、教会を通しての交流
私のホストファミリーは牧師さんの家族で、毎週日曜日礼拝の後、留学生を買い物に連れて行ってくれます。ヘイズは田舎町なので比較的安全ですが、それにしても最低限気をつけなければならないことがいくつかあります。暗くなってから女の子が一人で出歩かないことや、車に貴重品を置かないことなど、ごく一般的なことですが、油断は禁物です。
日本にはなじみがないかと思いますが、アメリカはキリスト教の国ともいえます。ヘイズはドイツ系の移民が多く、住民の90パーセント以上がカトリック教徒だそうです。私のホストファーザーはプロテスタントの一つであるバプテスト教会の牧師で、私もゼロからキリスト教のことを学んでいます。キリスト教徒でない留学生も数多く教会に来ます。そのため、この教会にConversation Partnerというものを作りました。日曜日礼拝の後にホールで食事をしながら留学生と地元住民との交流を深めていくという企画です。まだ始めたばかりですが、とても好評です。私も教会を通してたくさんの友達ができたし、私の仲良くしているクラスメイトや教授もほとんど皆キリスト教徒です。
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充実した留学生活、私のキャンパスライフ
フォートヘイズ州立大学は町の一角にあり、生徒は6千人ほどです。美しいキャンパスはみんなが誇りに思っています。やわらかい芝生と頭上で手をつなぐ木々、バラの庭園、じゃれあうリスたち、あちこちに見られるアート作品の数々。そして知らない人どうしでもHi と挨拶できるフレンドリーな雰囲気が大好きです。大学の面積はそれほど大きくないので、建物と建物の間は10分程度で、次に授業がある教室まで余裕で移動できる距離にあります。学校が創立されて101年になりますが、校舎は新しく、最新の設備が整っています。ジムや室内プールも学生は無料で利用できるので、放課後や週末に運動して汗を流す人も多いようです。
私はアメリカ留学での最初の一年、本当にいろいろな意味で恵まれていたと思います。アカデミックアドバイザーは農学部の学部長であるDr.Greathouse。とても朗らかでいつも適切なアドバイスをしてくれます。もう一人のアドバイザーは元化学部の学部長をしていたDr.Nicholson。穏やかな人で、困った時はいつでも話を聞いてくれ、助けてくれました。二人には一年間、ずいぶんお世話になりました。学校が小さいので先生にちゃんと面倒を見てもらえるのが、ひとつのメリットです。学期中は生徒も先生もみんな忙しいですが、恥ずかしがらずに助けを求めれば、みんな喜んで助けてくれます。最初はなかなか人に聞くことができませんでしたが、そのうち他のアメリカ人でもわからない人がいるということがわかって、気軽に聞くことができるようになりました。この一年間、私はどうやって助けを求めるかということを学んだと思います。そして、今はその経験を生かして、オリエンテーションアドバイザーという仕事もしています。新しい一年生に学校のことを教えたり、授業を選ぶのを手伝ったりするのが目的で、私が留学当初人々からもらったパワーや親切をさらに人に伝えるという有意義な仕事です。
★就職した今村さんが来校してくれました!


