日本外国語専門学校総合英語科トピックス

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外交通訳者として国際社会の第一線で活躍された山本陽子先生をお招きして
特別講座「外交通訳の世界」が開催されました







ブッシュ元大統領、オバマ大統領、クリントン国務長官やベーカー大使を始めとする歴代駐日アメリカ大使の通訳として国際会議などの場で長年活躍された、アメリカ在住の山本陽子先生をお招きして4月28日、文化教養講座「外交通訳の世界」を開催しました。今回、講座を聴講したのは語学力を武器に国際舞台で活躍することを目指す「英語通訳翻訳科」「英語本科 上級英語専攻」「国際関係学科」「アジア・ヨーロッパ言語科」「国際観光科」「英語コミュニケーション専科」の学生約250名。第一線で活躍する方ならではのさまざまなエピソードと共に、通訳者の発する言葉が国同士の関係を左右する外交通訳の難しさややりがいをユーモアを交えながらお話くださいました。


また、同講演中は会場となったオーガストホール常設の同時通訳ブースを開放。有志の学生を相手に通訳翻訳を専門とする企業「コミュニケーターズ」の中山先生に臨場感あふれる同時通訳の実演も披露していただき、実際に同時通訳のご指導をいただくチャンスにも恵まれました。学生代表の3名はそれぞれ同時通訳の難しさと奥の深さを知るきっかけとなりました。

学生たちは国際的に活躍する先生の貴重なお話を興味深く聞き、通訳という仕事、またその仕事には異文化理解のみならず時事の知識や教養等が必要不可欠であること、日本語・英語の両方の知識を深めることの大切さを学びました。


山本陽子先生プロフィール

アメリカで法廷通訳者としてキャリアを積んだ後、世界有数の通訳・翻訳者養成大学院である米・カリフォルニア州モントレー国際大学院通訳翻訳学部学部長に就任。2001年より歴代米国駐日大使通訳を務め、オバマ大統領、クリントン国務長官、ブッシュ元大統領等の通訳として、G8やAPEC(アジア太平洋経済協力会議)等の国際会議に同行し活躍。



通訳体験をした学生たちの声


英語本科上級英語専攻1年 
(オランダ・ロッテルダムインターナショナルスクール出身)

今回の経験は私がJCFLで身につけたいと考えていた「2つの言語をつなげる力」について学ぶ絶好の機会となりました。先生のお話からいかに先生が対象者の関係性を考え、人と人とのコミュニケーションにお互いの文化的な要素を取り入れようとされているのかを知り、また会話の空気や意図を読み取り、文化的な背景を考えながら直訳でなく、言葉の真意を伝えるという先生の通訳家としての仕事の向き合い方に感銘を受けました。今後は私も語学力をさらに高め、人の心を自分の言葉に乗せて伝えられるように、より一層の努力を重ねたいと思います。


英語コミュニケーション専科 (自由が丘産能短期大学出身)
間近で実際の同時通訳を拝見し、想像をはるかに上回る速さで紡ぎ出される言葉に圧倒されました。いざ自分で挑戦してみると、適切な単語を探しているうちに話題はすっかり変わってしまい、まったく通訳をすることができず、その難しさを実感。話者の性格や話し方のくせなどの情報を収集し、綿密な準備を行うことが重要という言葉に納得しました。

素晴らしい技術と魅力的な人柄を兼ね備えた先生のお話を聞くことができ、とても刺激になりました。改めて気を引き締めて、通訳・翻訳を学んでいこうと思います。将来、もしまた先生にお会いできる機会があったならば、その時に少しでも成長した姿をお見せできたらと思います。

 国際関係学科3年(長野県立下伊那農業高校出身)
外交の最前線で働かれている先生のお話は、日ごろ、国際関係学科で学んでいることとも関連していてとても興味深かったです。先生にはとても丁寧に質問にもお答えいただき、普段は知ることのできない貴重なお話を聞くことができました。今回の講座を通し学んだことは「通訳とは言語を他の言語にただ変換するのではなく、人と人とのコミュニケーションを大切に話者と聞き手のことをよく考え両者の意志をしっかり伝えること」だということ。私も国際関係学科で学んだことを活かし、先生のような日本と外国との懸け橋になれるよう努力したいと思います。