Q アメリカ留学のきっかけは?
A 日本の大学は、偏差値が全てで人を点数で価値付けするように思えたので、最初から興味がありませんでした。留学に目が向いたのは、エキサイティングな環境で自分自身にチャレンジしてみたい、という気持ちが強かったせいだと思います。
Q アメリカ留学科を選んだきっかけは?
A 留学までのサポートが一番しっかりしているようだったので。実際、ライティング、スピーキング、リーディング、リスニング、と英語の学習は全てカバーされていました。ネイティブの先生との会話も理解できるようになりました。
Q アメリカの大学に進んで良かったと思う点は?
A 僕が通ったロックフォード大学はシカゴの近くにあるトウモロコシ畑ばかりの町にあり、勉強には最適な環境でした。小さな大学なので教授と学生の距離がとても近いんですよ。アメリカにはアドバイザーという、勉強面や生活面など不安があれば常に相談・サポートをしてくれる担当の教授やスタッフが1人つくシステムがあるのですが、これがとても心強かったですね。僕は教授とすごく仲良くなってしまい、ファミリーでもないのに鍵まで頂いて、途中からは教授のお宅にステイさせてもらっていました。(笑) また、息抜きにスポーツ観戦の楽しみもありましたね。最盛期のマイケル・ジョーダンがプレイするシカゴブルズの試合やホワイトソックスの試合を見に行ったこともあります。
Q 帰国後、翻訳者になるまでの流れは?
A 2年半くらいは、会社に勤めながら映像翻訳の学校に通っていました。最初から翻訳者を目指していたわけではないのですが、やはり英語を使える仕事、そして自分でペースを決められる仕事、という風に考えていくと翻訳という仕事が向いている気がして。翻訳の学校で知り合いから紹介されたマジックショーのステージ通訳が初仕事で、それがフリーになるきっかけでしたね。その後はCS放送のスポーツニュースの翻訳の仕事などが入るようになりました。スポーツニュース以外のニュース翻訳を任されるようになったのは、イチロー選手の記録樹立が総合ニュースの時間枠内で報道された時から。それ以降、徐々に政治経済の翻訳の仕事が多くなってきましたね。
Q 放送翻訳の仕事について教えて
A 番組によって仕事の時間帯は様々ですが、大体は放送局のブースが仕事場になります。つい最近では、ブッシュ大統領の演説や6ヶ国協議のヒル次官補の会見などを担当しましたが、番組で使うのはその内の一部なので、現場でディレクターと相談しながら使用する箇所を決めていきます。時事問題の場合、この英語にはこの訳語、と決まっているものが多いので、訳語の選び方にはとても気を使います。正確さが何よりも大切なので。やはり、ニュースは全チャンネルチェックしていますね。同じニュースに対して各局がどんな訳し方をしているのか見比べたりしています。ここまで来るまでに大変なこともありましたが、世論に影響力のある仕事をしているということがやりがいですね。
Q アメリカ留学の経験が今の仕事に役立っているところは?
A 個人を尊重するアメリカの気風の中で、自分で自分の道を切り開く人間性が自然と身についたことだと思います。会社を辞めてフリーの翻訳者としてやっていく決断も、自分で仕事を取って生活するという今のライフスタイルも、留学がなければありませんでした。また、アメリカで学んだ政治経済の知識も役立っています。
Q アメリカ留学を考えている人へメッセージ
A 留学をすると必ず視野と世界が広がるので、是非みなさんも自分の可能性にチャレンジして下さい。そして、常にアンテナを張り、意識を外に向け、世界で何が起きているのかよく見ながら生活することが大切だと思います。