前回南半球のパリとお伝えしたメルボルン。シドニーと比べて昔からファッション・アートが注目されてきた街です。シドニーが開放的と言うならば、どちらかというとメルボルンは保守的な感じ。シドニーっ子にとってメルボルン子はどこか気取っている風に映るかもしれません。
オーストラリアの学生達が友達同士でよく旅行するバイロンベイ。そこではメルボルン子とシドニーっ子の違いが一目瞭然とか。シドニーから来た子たちはパブでビールを飲んで騒ぎ、メルボルンから来た子たちはカフェでワインを飲みながら語らう。何となくその光景が目にうがびます。
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メルボルンの最大の魅力は街を走るトラム(路面電車)。電車で20分ほどの郊外まで広がっています。トロトロと走るこのトラム、急ぎの場合にはあまり向きませんが、ゆったりと景色をながめながら移動するのに最適です。この街にはそれほど多くのバスが走っていないので、トラムがバスの代わりです。でもトラムの線に車は走らないので渋滞知らず。10分間隔ほどで走っているので、とても便利です。
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街のすぐ側にあるのは、ヤラ川。リバーサイドにはカフェやレストランが並び人々の憩いの場でもあります。川のにごった色がこの街の全体のトーンを下げて落ち着かせているようにも感じますが、同じリバーサイドの都市ブリスベンともまた雰囲気が違うのが不思議なところです。
川の反対側は大きな公園。ガーデン・シティの別名を持つメルボルン。街のあちこちに素敵な公園があります。シドニーで週末に盛んなのがビーチでのバーベキューとするなら、メルボルンでは公園でのピクニックが多く見られます。
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それからメルボルンにもビル街からトラムで15分ほど行ったところに、人々から愛されるビーチがあります。それがセントキルダ。日曜日にはここでマーケットも開かれます。ビーチの側に並ぶレストランはカジュアルながらも有名店が多いです。食のメルボルンといっても過言ではないほど、美食家の多いこの街。その人たちの舌をうならせるレストランでなければ生き残ってはいけない・・・というシビアな面も持ち合わせています。
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またファッションでもオーストラリアの流行の最先端を行きます。メルボルン屈指のおしゃれストリート、チャペルストリートには一流ブランドからストリートブランドまで様々なファッションの店が並び、またオシャレなカフェも多いことから、有名人もよく集まります。
見渡すと人々のファッションもどこかシドニーとは異なります。カラフルで楽なリゾートファッションよりも小奇麗でシンプルなものを着ている人が多いのが特徴。色は落ち着いていてもカッティングが絶妙であったり、パリジェンヌのように古いものと流行のものとうまく組み合わせて自然体に着ている人が多いかもしれません。流行ど真ん中のものではなく自分らしさを取り入れておしゃれを楽しむ・・、どこかメルボルン子のポリシーのようなものを感じます。
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色々な意味で対照的なメルボルンとシドニーですが、基本的にメルボルンに行ったことのあるシドニーっ子はみんなメルボルンが好きだと言います。その落ち着いた街の雰囲気に、シドニーにはないものを感じるのかもしれません。またメルボルン子も街の雰囲気などはメルボルンの方が勝ると内心思っているものの、やっぱりシドニーのハーバーの美しさは認めざるを得ません。そんな間柄だからこそ、お互い良いライバルなのかもしれませんね。
2つの街でこれだけ違いがあると、1ヶ所だけ行ってオーストラリアを知った気になることはできないものです。西海岸のパースもタスマニアも、それからエアーズロックもまだ行ったことのない私。オーストラリアの魅力を語るにはまだまだ早いかもしれません。
セントキルダビーチ |
ビーチ沿いのレストラン |
ヨーロッパ風の建物 |
昔の中央郵便局を改装してできた最新スポット 流行最先端の店が並びます |
こちらは古くからあるアーケード 造りがヨーロッパ的でキレイ! |
メルボルン屈指のオシャレストリート チャペルストリート |