英検基礎講座

第7回

英検準2級「手紙・電子メールの基本書式を覚えよう」

筆記試験の5Aの問題に、電子メールを読んで答える問題が出題されます。
手紙やメールは、基本的な書式を覚えるとどこに何が書かれているかが予測でき、情報を探しやすくなります。今回は、2010年10月の英検準2級の問題を例に、電子メールの基本的な書式を覚えましょう。



From:「差出人」を書く箇所です。文面の最後にも差出人の名前を書きます。(この場合はSimon)
To: 「受取人」を記す箇所です。(今回はClarke Bishop)
Date: メールを送信した日付が解答のカギになる場合もあるため、サッと目を通しておきましょう。
Subject: 「件名」です。(Re:はregarding 〜の件に関して、の略)メールの内容がひと目で分かるので必ず目を通しておきます。

さて、レターの本文は通常、3つの部分で構成されます。

 

今回のメールの該当部分

1. 冒頭では要件を述べる

1. Thanks for your email, 〜

2. 次にその詳細を述べる

2. Thanks for telling me about〜

3. 最後に受取人に取って欲しい行動を記す

3. I’ve been thinking about 〜

 

今回は、

第1段落(要件):「メール確認が遅れた詫びとDrayton Collegeで寮のルームメートになる人への挨拶」

第2段落(詳細):「二人ともSF小説とホラー映画好き、整理整頓下手、
Clarkeはヒップホップ派、一方Simonはジャズ好きでサッカーをよくする」

第3段落(要望):「Simonが寮に持参する予定の電子レンジをClarkeも使用していいこと、
ノート型パソコンで一緒にDVDを見よう」

という内容です。

さて、5Aの解法の手順は、メールの書式と段落構成をサッと確認したら、本文を読む前に設問を読みます。おおよそ、英検の設問は本文の段落に対応していますので、設問(39)はメールの冒頭部、第一段落、設問(40)は第二段落、設問(41)は第三段落に解答の手がかりがあるはずです。

まず、設問と選択肢からキーワードを拾っておき、その情報を素早く本文中に探します。見つけたら、解答ミスのないように、じっくりと正解を見極めます。この際に「消去法」を使うことが有効です。どれか一つは正解ですので、明らかに本文と食い違う選択肢を消去していけば自然に正解が残るはずです。 では、メールの書式と本文の構成を踏まえた上で、設問を見てみましょう。



(39)ではClarkeとSimonの共通点が問われています。この設問に対応する第一段落を見てみると、
1) met recently at Drayton College ← ”before we meet”とあるので不正解
2) sharing a dormitoryは「一緒に暮らすこと」と同義なので正解
3)” I was”とあるのでSimonだけ
4) “we can get to know each other before we meet in the fall”とあるので面識がないと推測される
したがって、正解はb。 2のように同じ内容を別の表現で言い換える点に注意しましょう。

(40) 3つは間違い。消去法を駆使します。答えは第二段落にあるはず。選択肢に用いられている単語を本文中に素早く探し、見つけたらその部分を丁寧に読んで解答します。
1) “I also like〜horror movies.”とあるので正解(正解に確信が持てれば、2,3,4を飛ばして次の設問へ)
2) “bad at keeping my room clean”とある。まったく反対の内容。
3) サッカー好きであるが、「観戦」とは書いていない。”play”とあるのでサッカーをする方
4) CDという単語は探せない。好きな音楽のジャンルも異なるため、不正解。


(41) 3つは述べられていない内容のため、これも消去法を用います。(40)と同様、キーワードを本文中に素早く探して解答します。
1) desksとchairsは備え付けであると述べているため、消去。
2) “I’m not planning on taking a TV”とあるので、TVは備え付けではないと推測され、不正解
3) “you’re welcome to use it.”とあり、このitは直前に話題にのぼっている、小型電子レンジであることから正解。これもちょっとした言い換え表現が用いられている点に注目。
4) 述べられていないので不正解。

メールの書式を知っておくことは、自分が実際にメールを書く上でも便利です。英検対策としてだけではな く、実際に英語圏のペンパルを作ってメール交換をしてみてはいかがですか?実際の生活に英語を「使う」 機会を多く取り込みながら楽しんで英語を上達させていってください!

 




英検基礎講座バックナンバー

今月の英検の先生
総合英語科宮宗先生


学科/ 英語本科大学編入専攻

東京外国語大学ロシア語学科卒、英語とロシア語の教育免許取得。ハワイ大学マノア校で英語教授法を学び、その後イギリス・バース大学大学院修士課程修了。ロンドンでビジネス通訳の業務に携わる。