イギリス留学現地レポート

REPORTER

慶應義塾大学 人文社会文学部 美学美術史専攻修了 
海外芸術大学留学コース2010年卒

スレード・スクール・オブ・ファインアート~ロンドン大学~

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2011年4月

 

ロンドンで聞く日本のニュース

チャリティイベントの様子

こんにちは、初めまして。昨年の9月末からロンドンのスレード美術学校でファインアートを勉強している石橋です。これから少しずつ学校での活動やその他さまざまな行事についてこちらで書いていこうと思います。よろしくお願いします。
 
今回は初めてのレポートなので私の通う学校の紹介や主な活動についてお伝えする予定でしたが、つい先日、学校で東北関東大震災のための募金活動に参加したので、今回はそのことついてお話したいと思います。
 
3月に起きた日本の東北関東大震災のニュースは、こちらでも大変ショックな話題で、私たちのようなロンドン在住の日本人学生も、今ここで私達にできることをしようと連日チャリティコンサートや様々なイベントの企画を通して積極的に募金活動を行っています。

BUY ART FOR JAPAN

集まった学生やチューターの作品1

私は今回、スレード(美術学校)の日本人学生の間で提案された、「BUY ART FOR JAPAN」という活動に参加しました。学生や先生の作品を抽選形式で売り出して寄付金を集めるというイベントで、当日は約150以上の作品が、募金を通していろいろな人へ送られました。スレードはロンドンの他の美大に比べると比較的人数の少ない美術学校かもしれませんが、UCL(ロンドン大学)という総合大学のなかで活動しているので、今回の寄付金活動はアートを学ぶ学生だけでなく、UCL内で勉強している学生・先生全体に向けられた大きな活動となりました。
 
学生の作品を通じての募金活動は、一般の人にはあまり知られていない美大生の制作活動を知っていただける良い機会であったとともに、アートが震災を助けるために少しでも貢献できることなどが伝えられて、とても有意義だったと思います。

集まった学生やチューターの作品2

募金活動が行われたのは1日のみでしたが、普段学校では話す機会のないいろんな人に声をかけてもらえたこと、またアートや日本についての話を通して、改めて自分自身を振り返れたことが、私にとっても大きな意味のある活動だったなあ、と実感しているところです。
 
今週で2学期も終わり、来週からイースターという約1ヶ月の春休みに入ります。この休みの間になるべくたくさんの美術館やギャラリーを巡れたらと思っています。
 
次回は、学校の簡単な紹介とそこでの主な活動について詳しくお伝えする予定です。それでは、震災の不安な状況が少しでも良くなることをこちらからもお祈りしています。

2011年7月

 

大学の仕組み

クリット(作品展示会)前後の様子。メインの校舎から少し離れた別の建物で行われます。

こんにちは、石橋です。あっという間に1年間の授業が終わろうとしています。今回は、学校の紹介、コースの主な流れについて簡単にお伝えしたいと思います。
 
スレードはロンドンの中心部に位置し、UCLという総合大学の中のファインアートの学校です。コースはペインティング、スカルプチャー、メディアの3つに分かれていて、その中から1つ選び制作するようになっていますが、基本的に自由に制作できます。
 
学部ではBFA(制作を中心とする3年コース)と、BA(アートヒストリーやアート以外の分野を学びながら制作する4年コース)があり、1学年あたりの人数は約35人です。ちなみに私はBFAのペインティングに在籍しています。

大学は10時までオープン。制作に没頭できる環境

Degree Show(卒業制作展)の様子

学校の授業ですが、数名の学生の作品を展示して作品の批評を行うセミナー、チューターやVisiting Artistのレクチャーが週に一度行われています。また年に数回、1学年の作品を集めた大きな作品のクリット(学生の作品を展示する批評会)が行われたり、グループで展覧会を見に行くことも度々あります。
 
学校は夜の10時まで開いているので夜まで制作することができます。また、大学の図書館や各施設を利用することができるので、アート以外の資料を探すのには便利です。学校周辺に画材屋さんやカフェ、レストラン、映画館、美術館があるので材料を探すにも、また買い物や遊びに行くのにも便利な場所です。
 
    最近の活動ですが、先日から学校ではDegree Show(卒業制作展)が始まり、この1、2週間はスタジオの片付けと展示の作業の手伝い、作品の制作で忙しく過ごしていました。
 
Degree Showは1年の中でとても大きなイベントで、私はprivate viewを見に行きましたが、学校は内外からの人でとても賑わっていました。
 
6月の中旬からは長い夏休みに入ります。また時間のある時に改めて何かお伝えしようと思います。それでは。