イギリス留学現地レポート

REPORTER

慶應義塾大学 人文社会文学部 美学美術史専攻修了 
海外芸術大学留学コース2010年卒

スレード・スクール・オブ・ファインアート~ロンドン大学~

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2013年4月

 

「ディグリーショー」に向けて

現在私が使用しているスタジオ。毎年初めに各学生の要望に応じて制作スペースが割り振られますが、今年私は天井が高いスペースをいただきました。

こんにちは。以前のレポートからすっかり時間が経ち、現在私はBFA(Bachelor of Fine Arts=美術学士)の最終学年に在籍しています。
 
昨年の今頃までは卒業生の作品展示を手伝い・見る側だったのですが、来月5月にはあっという間に自分のDegree Show(卒業展示会)を迎えようとしています。
 
現在はイースターホリデイという一ヵ月程の春休みを過ごしていますが、実際は卒業展示を目前にしているので、スタジオに行き制作を続けているところです。
 
Degree Showは大学の建物内で行われ、普段私たちがスタジオや講義で使っている部屋やスペースを使いBFA3年、BA(Bachelor of Art=文学士)4年の学生が約一週間展示を行います。今年の卒業予定人数は36名で、最近では展示場所や展示のあり方、イベントの告知方法などについてのミーティングが頻繁に行われています。
 
Degree Showは卒業生にとって最初で最後のとても大きなイベントで、毎年期間中は約3000人の来場者がこの展示を見に来るということもあり、皆で一人一人が満足できるショーをつくるために日々慎重な準備が行われています。

たくさんのことを学んだ充実の3年間

大きな部屋を数人と共有して制作しています

私がスレードのスタジオを使えるのもあと残りわずかとなり、毎日が貴重な時間となっています。まだ卒業までの時間は少しありますが、3年間があっという間に過ぎようとしており、この約3年間を振り返ると学ぶことが本当にとても多かったなと感じています。
 
自分の作品はだいぶ変化し、またチューターやスレードで共に学んだ友人たちともとても距離が近くなりました。スレードに入学した頃は何をすればいいのかまったくわからない状態にいて、学校の環境に慣れるのにも時間がかかり、たくさんの失敗を繰り返して悩むことも多かったことを覚えています。
 
それでも、いろいろと制作の試行錯誤をしながら、何か自分にとって新しい経験ができたのは周囲にいる人たちのアドバイスや意見が常に交換できる環境にいたからだと思っています。今ではスレードを選び自分に合った環境で有意義な時間が過ごせて本当に良かったな、と思っています。

2013年6月

 

ディグリーショー(卒業展示会)設営中!

作品の展示場所

こんにちは。今私はもうすぐ始まるディグリーショーへ向けて、先週から皆で会場の設営、作品の展示準備中です。特に今週は忙しいのですが、今少し時間ができたので現在の準備について振り返ろうと思います。
 
まず、先週は学生全員のスタジオの荷物を外へ出しました。そして週末からお手伝いをしてくれる他学年の学生に指示を出しながら、展示場所の掃除、壁塗り、床塗りなど会場作りをはじめます。その後は展示作品の搬入。
 
私は、絵画を専門にする学生(ペインター)2名、彫刻を専門にする学生(スカルプター)とメディアアートを専門にする学生(メディア)、それぞれ1名ずつの合計5名で1つの大きな部屋を共有することになっており、全員の作品の搬入後は各作品の設置場所を決めていきます。自分の作品をどのように置くか決めることはもとより、他の人の作品とも上手に調和をとらなければいけないので皆が満足できるような部屋に仕上げるために皆とても慎重です。幸い、私の部屋のメンバー全員の意見は合いやすく、作品どうしもバランスが良く仕事がとてもはかどっています。他の展示場所などでは意見が分かれたり、作品どうし合わなかったりと長く話し合いの時間が取られているところもありました。

期待も高まってきました!

メンバーと相談して空間作りをします

明日からいよいよ作品の展示作業が始まります。この約2週間の間に校舎内は少しずつ華やかになり、ショーの形が見えてきて皆の期待も高まってきています。作業期間はあと4日間、そのあとは会場の点検と作品の試験そして展示会がはじまります。
 
ショーではペインティング(絵画)、スカルプチャー(彫刻)、ビデオ、パフォーマンスと会場の外での作品が公開され、とても賑やかな雰囲気となる予定です。ショーの様子や私の作品の展示は次回お伝えしたいと思います。それでは、また。