フランス留学を決意するまで
私は2005年3月にJCFL海外留学科フランス留学コースを卒業し、現在はフランス、ロワール地方にあるトゥールという街で語学学校に通っています。出身は福岡県で、北里大学を中途退学しJCFLでフランス語を学ぶことを決めました。留学を決意したきっかけは、様々な出会いや仕事を経て、より明確で広い視野を持たなければいけないと自覚したことでした。また、留学後はホテルコンシェルジュという仕事がしたいので、そのためにも語学は必要と考え、留学を決意しました。
フランス留学の目的は二つ、一つはフランス語を流暢に話せるようになること、もう一つはフランス語と英語を使って世界のより多くの人々とコミュニケーションをとり、自分の知識を広げ日本では知ることのできない現地の習慣や考え方の違いを身をもって体験することです。
フランスでの生活
私が住んでいる街トゥールは、上記のようにロワール地方にある人口18万人ほどの美しい街で、中心地は噴水のある広場があり、大通り沿いに多くのブティックやデパートが並んでおり、常に人で賑っています。街自体はパリに比べるとそれほど大きいというわけではありませんが、雰囲気は比較的パリに似ていますし、必要なものは殆ど揃えることができます。日本人には比較的親しみやすい街ではないかと思います。
現在私がお世話になっているホームステイ先はトゥールの中心街からバスで15分ほど北へ向かった北トゥール(TOURS NORD)にあります。ここは中心街から少し離れてはいますが、閑静な住宅街で、自然がとても美しく、住むには絶好の場所です。バスも平日は約10分に1本の割合で走っているので交通もさして不便ではありません。
ステイ先のマダムは本当に親切で、日本にも興味を持っていて日本人が大好きという素敵な方です。彼女は1人暮らしで、ちょうど私が到着する2週間ほど前に日本に旅行したばかりで、共通の話題も多く、日本や日本人への理解も非常に深いので話していて楽しく話題も尽きません。一緒に暮らしていてお互いを本当の家族と思えるような存在です。家に帰るとまるで自宅に帰ったような安心感さえあります。
朝食は毎日、パン・オ・ショコラかブリオッシュにコーヒーとジュースなどフランスらしい朝食で、昼は学校の友達とケバブを食べたり、カフェに入ったり、サンドイッチを買ったりしています。
また夜はマダムが毎日フランスの家庭料理を作ってくれます。日本でも知られているものですとポトフやキッシュなど、毎日変化に富んだ料理をしてくれます。
フランスの家庭料理の特徴は、安い食材を使って簡単に作れて更においしいということです。例えば、ソース一つにしても、驚くほど味がしっかりしているのに実は生クリームと卵と塩コショウを混ぜただけということもありました。日本で知られているレストランのフランス料理は実際のフランスの家庭料理とはかけ離れています。事実フランス人も殆どの場合、夕食は自宅で食べることを好みますし、レストランに行くことは稀です。
学校
私が通っている学校はトゥールの中心街にあり、学生の国籍も実に多様で生徒数も多いです。トゥール内の語学学校で1番大きいということもあり日本人もたくさんいます。授業は文法が中心で、もちろん会話の授業もあります。月に1度理解力を見るための試験があり、しっかり勉強していくことができます。会話の授業では自分の国について話したり、フランスと他国の違いについて話したりと内容も様々です。質問は授業中随時することができ、日本人にありがちな受身の姿勢だと初めはおもしろくないと思いますが、積極的になればなるほど授業自体に面白みがでてきます。ここでは生徒と先生が一緒に授業を作っていきます。
現在の私のクラスは全員で13人。そのうち日本人が6人、中国人が1人、韓国人が4人、ロシア人が1人、トルコ人が1人います。クラスごとにレベルが分かれており、自分にあったレベルの授業を受けることができます。たくさんの国の人がいて、年齢や宗教も様々なのでたくさんの友達ができますし、いろいろな話が聞けて毎日がとても新鮮です。
言葉の壁
ちなみに私はこの留学で初めてフランスに来たわけですが、JCFLでフランス語を学ぶ前はボンジュールとメルシーくらいしか言えない程度の語学力でした。フランスに来てみて、1年間フランス語を勉強してきてよかったと思うことがたくさんありました。例えば、カフェに入るにしても、駅で切符を買うにしても、会話をしなければここでは生活していけないからです。もともとフランス人はお話好きなので、話すことが第一条件なのです。
私は英語が使えますが、ここではフランス語を話さなければ嫌な顔をされます。単語も文法もやはり英語とフランス語は違いますし、何も知らないままフランスに来ると大きな壁にぶつかります。理解できない文化の違い等について、説明を求めることができないからです。
しかしながら1年間勉強してきていても初めは言葉という壁にぶつかりました。相手の話していることがなかなか聞き取れませんでした。言いたいこともうまく伝えられませんでした。初めはそれが悔しくて仕方ありませんでした。そこで毎日悔しさをバネに勉強しました。今でもぜんぜん不十分ではありますが、3ヶ月前に比べると大きく進歩したと自分でも思います。やはり努力することが必要です。
フランスでのカルチャーショック
フランスに来て初めてのカルチャーショックは日曜日にあらゆる店(レストラン・カフェを除く)が閉まっていることです。日本にいるときのように日曜に友達と買い物に行くことができません。また、サービス面でもかなりの差があります。例えばブティックに入ると、店員は日本のように「買ってもらう」という」感覚がありません。なので立場的に店員と客が同等という印象を受けました。レジで人が並んでいても、平気でほかの客と話し込んでほかの客を待たせます。但し、良いと思う点は1人の客が品物について説明を求めると、納得するまで説明してくれることです。ほかに客が待っていようとおかまいなしです。フランス人は基本的に何に於いても納得しないとものを買わないからです。
フランス留学を考えている方へ
今フランス留学を考えている皆さん、フランスはとても時間の流れが穏やかで自然も美しく、おいしいものがたくさんあります。またフランス語を話す国は実はヨーロッパにも結構あるんです。例えばベルギーやスイスなどです。そしてフランス語を学ぶにはやはり現地で学ぶ以外ありません。パリの印象が強いかもしれませんが、ほかにも海や山や湖など素敵なものがたくさんあります。食に興味のある人は是非それをきっかけにしてフランス語を勉強してみてはどうでしょう。フランス人と会話をすると、日本人とは全く違う価値観を持っていることも多く、国際人としての新しい感覚に目覚めるかもしれません。
★帰国した久保さんが来校してくれました!





