Vol. 5 イタリア語で「なでしこジャパン」の応援をしてみよう!
「ボンジョルノ・トゥッティ」(みなさん、こんにちは)、アジア・ヨーロッパ言語科 英語+イタリア語専攻2年今野です。
この挨拶、実は、サッカー日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督が、最初の記者会見で言った言葉です。アジアカップで日本チームが勝つ度に、ザッケローニ監督のインタビューを聞くのでイタリア語の勉強になっています。やっぱり、好きな事だと自然とリスニングモードになります。
ところで、なでしこジャパンの快進撃、本当に嬉しいですよね!今日は、サッカーファンの鈴木君と日高君が、サッカー応援でよく使うイタリア語を紹介します。
がんばれ! ゴール!
すごい! ファウルだ。
すっげーゴールだ。 ハンドだ。
やった、フリーキックだ!
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★英語+イタリア語専攻 在校生コラム★
サッカーをきっかけにイタリア語を選び、一歩ずつ夢に近づく。
アジア・ヨーロッパ言語科
英語+イタリア語専攻 2年
(東京都 都立武蔵丘高校出身)
(茨城県 私立鹿島学園高校出身)
Q イタリアに興味をもったきっかけは?
日高:小学校の時です。サッカー部に入っていたのと、スポーツ番組の影響です。単純にACミランの赤と黒のユニフォームが格好いいなと思いました。
鈴木:2002年ワールドカップの時です。日本とイタリアでは選手のプレーの質が全然違うと感じました。特にデルピエロ選手が好きでした。
Q イタリア語を勉強しようと思ったのはいつ?
日高:高校3年の時です。イタリアのサッカーは、Uno− Zero(0−1)で勝つ方が、たくさん得点を取って勝つ(例えば4−3で勝つ)より良いと言われているんです。自分がサッカー部でディフェンダーだったので、その守備の美学にひかれて、イタリアへの思い入れが強くなっていました。将来を考えた時、「イタリアと関係する仕事に就きたい」と思いました。そのためにはやっぱりイタリア語が必要だと思ったんです。
鈴木:僕は中3の時です。サッカーの雑誌を読むようになってから、将来、選手や監督にインタビューするような仕事ができればいいと思い始めました。イタリア語講習に参加したこともありますが、長続きしませんでした。でも、やっぱり話したいと思ったので、時々NHKのテキストで独学していました。
Q イタリア語を専攻しようと決めた時、周りの反応は?
日高:両親はどうせ勉強するなら、興味のある事に打ち込んだほうがいいと応援してくれました。友人たちは、少し驚いてたみたいです。好きな事で進路を決めるなんて、という感じですよね。
鈴木:僕の両親は、何も言わなかったですね。昔からこの道に進みたいと知っていたし。
友人たちも何も言わなかった。「そうなんだ」って感じでした。周りの人たちとは違ってたかも。
Q どうして日本外国語を選んだの?
日高:とにかく早くイタリア語を話せるようにしたかったから。ネイティブの先生の授業が多いし、ここなら早く話せるようになるかなと思って。
鈴木:イタリア語を専攻できる大学も見たけど、東京近辺で本格的に学べる学校はあまりなくて。僕の夢をかなえるには、会話力は絶対に必要だったし、イタリア人の先生の授業がたくさんあるのは魅力的でした。
Q 実際にイタリア語を学び始めてどうでした?
日高:最初の1〜2ヶ月は暗記する事が多くて、正直大変でした。でも、基本を覚えれば応用できるんですよ。
鈴木:確かに、最初は根性で覚えた感じです。でも文法担当の吉田先生も「最初が肝心」とすごい意気込みで教えてくれたので、気がついたら基本が身についていました。
日高:高校の時に英語を勉強していたのとは違うよね。英語はたくさんある科目の一つという感じだったけど、イタリア語は自分が勉強しようと決めて始めた言葉だし。
鈴木:僕も同じ。自分の夢のためには、最初の段階であきらめたくなかったし、結構頑張りました。
Q これからの目標は?
日高:イタリア語の基本形ができたので、週末の出来事は日本語でまとめておけば、即興でもイタリア語で話せるようになりました。今は、もっと語彙を増やして、自分が表現したいニュアンスも伝えられるようになればと思います。具体的には、検定の勉強を本格的にしていきたいです。
鈴木:僕も検定の勉強をするつもりです。生活するのに必要な会話力をつけたいので、語彙を増やし、難しい文法の勉強に取り組みたいです。
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★ミニ知識:イタリア語を勉強をすると、少し難しい英語の単語が覚え易い★
ザッケローニ監督の好きな言葉は「バランス」と「サムライ」。ただし、監督は、バランスのことを、イタリア語で “Equilibrio”(エクイリーブリオ)と言っていました。
“Balance”は日本語にもなっているのでよく聞きますが、“Equivalent”という英単語の意味を知っていますか?答えは、「同等{どうとう}のもの、等価{とうか}なもの、同等物{どうとう ぶつ}、相当物{そうとう ぶつ}、均等」{きんとう}。ラテン語の“aequivalentem”が語源です。英語の“Equivalent”だけでなく、イタリア語“Equilibrio”にも似てませんか?
イタリア語の語源のほとんどがラテン語。ラテン語はローマ帝国の公用語として使われていました。帝国が滅亡した後、イタリア語が形成されても、学問や宗教上で使われていました。いわば、ラテン語はヨーロッパ的教養の基礎で、日本の教養ある人が「漢文」を読めたのと同じ感じなのです。
一方、英語は、イタリア語と違ってラテン語の系統ではありませんが、ラテン語の文書やラテン語が分かる知識人を通して大量のラテン語の単語を借用してきました。こんな背景があるので、イタリア語を勉強していれば、ラテン語に影響を受けた難しい英単語も覚えやすいようです。