日本外国語専門学校 海外芸術大学留学科 芸術留学プログラム

授業レポート
素材の学習

海外芸術大学留学コースの前期は、ポートフォリオ学習に続いて、8週間で行われる4つのユニットで、さまざまな造形表現を体験し、表現の可能性を広げ、基本的なスキルを学びます。
 
100年ぐらい前の世界を想像してみてください。人々は石や材木など、自然にある素材を加工して暮らしていました。そしてガラスなどの人工的な素材を貴重品として扱っていました。しかし現在の私たちは、あまりに多くの人工的な素材に囲まれて暮らしているために、その数を知ることさえできません。 私たちの暮らしは、人工的な素材によってもたらされる、豊かさと多様さの中で営まれています。素材の多様さは、この100年間にアートが多様に変化した重要な原因のひとつです。残念なことに、あまりに多様化した素材に囲まれている私たちは、それらにあまり注意を払わなくなってしまいました。しかし、何かを表現しようと考えたときに、素材の持つ表情の重要さに気づきます。その最初の「気づき」を体験し、素材の持つ豊かな表現の可能性を引き出すことが、この授業の目的です。
 
このユニット「素材の学習」では、身の回りにある素材やそれらとの関わり方について学びます。自然の素材や人工の素材など、様々な素材に手で触れ、加工しながら、その形状、質感、色などを変換する楽しさを体験します。学習課題「トピック」では、自分が他者と話す話題の内容を、複数の素材を加工して組み合わせることで立体作品をつくりました。学生達はお互いの作品を見ながら、同じ素材でも扱い方や加工の仕方によって、まったく異なる表情や印象が生まれることに気づかされます。

授業レポートバックナンバー

 
© Japan College of Foreign Languages