カナダ留学現地レポートREPORTER
埼玉県立浦和第一女子高校出身 マウント・アリソン大学/宗教学専攻(4年制) 2009年1月
先輩に助けられながら頑張っています
【上】友達の家で勉強 カナダの大学生活・1年目だった去年は「負けないぞー」「振り落とされないぞー」という切羽詰まった感がありましたが、今年は「自分なりに全力を尽くせばなんとかなる」という自信があるので。精神的にラクなら、教科書や課題の量が多くても、「もう嫌だーー!!日本帰るーーー!!」って叫ぶことがあっても、やっぱり結局は楽しいです。なんだかんだいって好きでやっていることですから。 たとえば・・・カント(ドイツの哲学者)とか、サルトル(フランスの哲学者)とか、グノーシス主義(紀元前2~3世紀に論争になったキリスト教の異端派)とか、キリスト教の保守性と革新性の矛盾についてとか、こんなことに全力を注げるのは大学生のうちだけです。とっても貴重な時間だと思います。こーゆー事を学びたいと思ったら、調べるのに十分なだけの本があります(まぁ強制的に調べなきゃいけないわけですが)。それを一緒に考えるクラスメイトがいます。助言を与えてくれる教授がいます。まったく、大学ってばなんて素晴らしい場所なんだ!! 友だちとの付き合い
【上】Hang out 今年できた友達は先輩が多くて、彼らから得られるものはとても大きいのですが、嬉しいことは去年の仲良しさんとも付き合いが続いているということ。オフキャンパスに移った友達は、しょっちゅう「ご飯食べにおいでょー」「うちで一緒に勉強しよー」って電話をくれるし、今年は違う寮に住んでいる友達とも、なにかというとつるんでいます。 一緒に時を過ごして、くだらない事を話すだけでいいんです。それだけで最高に楽しい。彼らが頑張ってるから私も頑張れるんです。彼らと遊ぶ息抜きがあるから勉強が続けられるんです。 日本に留学中の友だちに刺激されて友達と出かける前に Mount Allison Universityに来る前の2ヶ月間、Halifaxの英語学校に通っていました。そこで一番仲良しだった、アラブ首長国連邦人の友達がいま日本にいます!英語学校にいるあいだ、「国の高校でトップの成績をとって、日本の大学に留学するんだ」って豪語してましたが、彼は本当に成し遂げたんですねー・・・。私も負けていられない。来年の夏、帰国したときに彼に会えると思います。2年ぶりの再会は、約束どおり日本で。2009年8月
宗教が混在するインドへ!
【上】化粧用の粉。鮮やかで目をひく町のお店 ジャイナ寺 宗教学を学ぶ私にとって、インドは非常に興味深い土地です。ヒンドゥー教が主ですが、仏教、ジャイナ教、イスラム教、キリスト教、ありとあらゆる宗教が混在しています。宗教だけでなくて言語の数もすごいけど・・・。これで一つの国として成立するのは無理があるんじゃないかとも思えるのですが、彼らは確かに共存しています。 好意的に「調和」とみなすか批判的に「混沌」とみなすかは、難しいところですが。インドは全てのものを受け入れる土地のようです。私は、これは彼らの根本的思想に基づいた現象ではないかと理解しているのですが、どーでしょうね?:All are attributed to one and the same. これが彼らの哲学です。全てのものは、結局は同じである、と。ヒンドゥー教だろうがキリスト教だろうが、そんなのは問題ではない! 宗教はexclusiveでintolerantになりがちな面があるので、inclusiveでreceptive, tolerantなヒンドゥー教はかっこインド人の友達といいなぁとずっと思っていたのですが、これはこれで問題があるみたいですね。極度の受容性の中では対立概念というものが存在しません。「私」と「あなた」は別の存在っていう考え方がしっくりこないようです。彼らは「私」も「あなた」も結局は一つだと考えているんですね。I am a subsystem of the whole. You are a subsystem of the whole. そうすると「個人」という存在も理解できなくて、全体主義になっちゃうみたいです。平等思想は根付きません。 インド人のお友達と外食 違法になったにも関わらずカースト制が未だに根強いのは、そのためかなぁと・・・(無知な一小娘の感想にすぎないので、あまり真面目にとらないで下さい)。実際、インド人と話すと彼らはカースト制を悪だとは全然思ってないんです。視点を変えれば答えも変わる、相対主義をまざまざと見せつけられた気がします。私自身、かなり相対主義に傾いた人間ですが、それでも混乱しちゃいますね。「それでいいのかー?!」って。「全てのものが結局は同じなら、ある種の人間は権威をふるい、ある種の人間は搾取されるーというのはおかしいだろう」と詭弁を弄してみても、これも多々ある視点のうちの一つに過ぎないのは明白です。「人間」を中心に論じている時点で、インド哲学からはズレている主張です。 今でもカースト制には反対ですが、なぜそれがダメなのかもう説明できません。見れば見るほどわからなくなります。考えれば考えるほど混乱します。なにが善でなにが悪なのかわからなくなる、そんな土地です。 Interestingな国、インド
【上】踊るシバ神 交通状況はかなり過激です。誰も交通ルールなんて守ってませんから。こっちから行く私たちを乗せたバスも、あっちから来る対向車も、センターラインの上を走ってるので絶対ぶつかるはずなんですけど・・・ぎりぎりでかわして進みます。その合間を大量のバイクやリキシャが往来してます。「死ぬ!!」って何度も思いました。でも幸いなことに生きて帰ってきました。バスからは本当に人がはみ出ています。一見するとびっくりしますが、考えてみれば日本の通勤インドの子どもたち列車(特に都内)もこんなもんですよね。 いろんなことが日本やカナダより不便です。よく排水管がつまります。よく電気止まります。インターネットはだいたい死んでます。これはもう笑って諦めるしかない。最後には、空港で警官と大喧嘩になりました。泣いてわめいて…。公的な場で、あんなに怒鳴ったのもヒステリックに泣き叫んだのも初めてです。インドが好きかと聞かれても答えられません。いろいろ大変だったけれど、日本にいる時だってカナダにいる時だって、生きていくのはやっぱり大変だった気がしますし。好き嫌いの問題ではなく、ただ状況を受け入れるだけですよね?―日本でもカナダでもインドでも。 インドに行くと、やみつきになってしまう人ともうこりごりになってしまう人と、両極端だとよく言いますが、私はどっちでもないです。勉強でも仕事でも、行く必要があれば躊躇なくまた行くでしょうし、なければ行かないかな…。今回の旅行の感想を言うなら「面白かった」です。“Funny” “exciting”という面白さではな |