カナダ留学現地レポートREPORTER
埼玉県立浦和第一女子高校出身 マウント・アリソン大学/宗教学専攻(4年制) 2010年4月
3年目のカナダ。でも実はまだ何も知らない!
ナイアガラの滝だって見たことありません。ロッキー山脈だって見たことありません。真っ赤に燃えるセントローレンスの紅葉だって見たことありません。メープルシロップだって年に数回しか使いません。あ、赤毛のアンの島PEIには行きました。でもそれだけです。 だから、「カナダってどんな所?」「好き?」って聞かれるたびに「・・・・・・わかんない」って答えてきました(苦笑)。でもついに、3年目の冬休みにして、行ってきましたょ国際都市トロント。世界で最も多文化な都市トロント。というわけで今回はトロントレポートです。 母と訪れたいろいろな街
サックビルから出て行った私にとってトロントはやはり大都会。「うわっ、ビルだ!!車だ!!っつか人多いなっ!!!」有名なCNタワーはどうだったかって?そうですね、昼のCNタワーはさびれた遊園地の展望台みたいです。かなり侘しいです。夜のCNタワーはクリスマスだからなのか緑と赤に光ります。かなりダサいです。そのくせ登るには20ドルかかります。 ちなみに東京タワーは800円です。「20ドルは高すぎるょ」「でもせっかくトロント来たんだから登らなきゃって気がしない?」なんて相談をしながらトロントまで来た私たちですが、CNタワーを見つけてからはそんな相談さえストップしました。暗黙のうちに登らないこと決定。それにしても、あのダサさはなかなかよかったですね。「わぁ綺麗。・・・でも東京タワーの方が綺麗」なんて中途半端に頑張られるくらいなら、徹底的に侘しい方がいいじゃないですか。
で、20~30分くらいしたら「寒いから室内入ろうょ」と。夏だと船に乗って滝のすぐ近くまで行けるんですけど、冬はそれは無理です。でもその代わり、水しぶきが凍りついて滝周辺の橋やベンチは北海道の氷爆祭りみたいになってます(って言ってもわからない人の方が多いのかな。雪祭りではなく氷爆祭り。内容は読んで字のごとくです)。 これはなかなか綺麗です。見る価値はあると思いますよ。 死海文書に思わず興奮!
この聖書は今の聖書と比べて同じところもあれば違うところも多くあります。「異端」として現在のユダヤ教・キリスト教では認めていない文書も入っています。これは宗教的立場からも宗教学的立場からも(宗教と宗教学は全然違います)今までの常識をくつがえす大発見です。それをまさかこの目で拝めるとは・・・。あれは素晴らしかったです。“oh thanks God, did you know I was coming to Toronto?”なんて感謝しながらじっくり拝ませてもらいました。もし同じ宗教学専攻の生徒と一緒にいたら、あの薄暗い地下で3時間はつぶせましたね。 トロントの感想
例えばバンクーバーなら(行ったことないけど)アジアンって感じがするでしょうし、モントリオールなら(行ったことないけど)フランスって感じがするんでしょう。でもトロントは・・・、母の言葉を借りれば「寒くて小さい新宿」。 もちろん私はあそこに3日しかいなかったし、「そんな事ない、トロントはとってもユニークな街だ!」って言う人もいるでしょう。ただ、今回の旅行に関してのみの個人的な感想としては、「働いたり勉強したりするにはいいだろうけど、観光として来る必要はないかなぁ」と思いました。 でもしばらくの期間住んでみたいですね。別にトロントじゃなくて新宿でもいいけど(笑)。さて今なら私も「カナダはどんな所?」って質問に答えられるでしょうか。・・・・・・無理だなぁ。 2011年3月
留学を振り返って。大変だったけど行ってよかった!
留学してどうだったか、という問いにはシンプルに答えられます。「楽しかった」、「大変だった」、そして「行ってよかった!」。比較主義で多視点主義、何についても極力断定を避ける私ですが、この3つの感想については断言します。高校の先生に反対されようとも、親の説得に時間がかかろうとも、私は海外大学に正規留学して本当によかったです。
「…一体なにから手をつければいいんだ?」その状況下で私が試みたのは一点突破です。全精力を勉強に注ぎ込み、まずそこを打破しようとしました。必死に頑張ってそこを打破したとき、友達・文化・言葉の壁といった他の問題も自然と解決していたんです。これは大きな発見でした。 一見あまり関係のないようにみえる様々なことが実はつながっていて、一点を解決すると他の問題も解決できる、もしくは解決のために何をすべきなのかが見えてくるんです。これに気づくことで、気長で楽観的で実践的になれたように思います。自信をもってマイペースに自分ができることをやっていく力をくれました。
留学して何を得るかは人それぞれです。その人の性格、経験、専攻、まわりの人達、いろんなことが影響してきます。でもきっと何かを得るはずです。どうか、あなたの財産を得てきてください。 海外大卒はウケない?日本での就職活動
「海外大卒は大企業にウケない」とか「いや、中小の方がウケない」とかバラバラな噂を耳にしていましたが、個人的な感想を述べるなら関係はなかったように感じます。欲しい人物像についても普遍の正解はありませんでした。 たとえば、ある企業は「物怖じしない」という理由で私に内定をくださり、またある企業には「生意気」という理由で断られました。また別の企業は「マイペース」という理由で内定をくださったのに対し、別の企業からは「闘争心がない」という理由で落とされました。言い方が違うだけで意味することは同じです。そして、“物怖じしない(生意気)”“マイぺース(闘争心がない)”これらは確かに私に当てはまります。「採用の仕事をする方は人を見抜く目があるんだなぁー」と感心していました。
今はけっこう楽しく働いています。家賃・光熱費・食費にあえいでいるくせに、ここに付け加えたいのは学費です。留学で得たもう一つの結論…「私は宗教学が大好きです」。仕事も意外に楽しいけれど、宗教学にはかなわない。私の中でこれはダントツです。なんとしても再開したい、続けていきたいと目論んでいます。 また直接宗教学を学ぶか、宗教学を深めるために哲学・歴史・言語学といった他の学問に手をつけるか…(本当に全ての学問は繋がっているんです。私は上記に述べたような見地から宗教を考察するのが好きですが、人によっては科学から、数字から、または経済から宗教を論じる方もいます)。通信科で大学に通おう。お金をためて院に行こう。どうなるかはわかりません。「こんなに好きなんだから続けていきたい」という思いがあるだけです。学校に戻ることになった場合、日本か海外かもわかりません。もし海外だったら…またここで留学レポを書けたら嬉しいです。 正規留学は大変ですよ。楽しいですよ。得るものいっぱいありますよ。行ってらっしゃい! |