列車で国境を
十月の下旬にイギリスを飛び出してフランス・パリとベルギー・ブリュッセルへ出かけてきました。今回はそのお土産話です。上記二つの都市にはグレートブリテン島(イギリスの大部分を占める島)とヨーロッパ大陸とを結ぶ国際列車「ユーロスター」の停車駅があります。ドーバー海峡(フランスではカレー海峡)の海底にはユーロトンネルが通っていて、そこをユーロスターが駆け抜けます。
列車で国境を超えるというのは、四方を海に囲まれた日本にとって未知なる世界です。多くの場合、出発地で出国に加えて相手国の入国審査を行います。それらが済むと、カフェでのんびり列車の出発を待ちます。イギリスも海に囲まれている島国ですから、日本もいつか中国や、韓国と海底トンネルで国際列車を運行できたら面白いかもしれませんね。
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花の都?パリ
ユーロスターの始発駅ロンドン・セントパンクラス国際駅を出発してから、三時間ほどでパリ北駅に到着しました。この度二回目の上陸となったパリについて紹介します。何かと華やかで、優雅なイメージが浮かぶパリですが、現実はそんなに甘くありません。街中は落書きだらけで、ゴミもそこらへんに散らかり放題です。今回いくつかびっくりした出来事がありました。パリ市内の大きな通りを歩いていると、カフェが立ち並んでいます。この事実は皆さんもよく知っておられるかと思いますが、コーヒーを飲んでいるお客さんからお金を恵んでもらっている困窮者がそこかしこにいることはあまり知られていないかと思います。まさかフランスでこのような光景を目にするとは思ってもいませんでしたので、ただただ驚きました。
とは言いつつも、やはりフランスはフランスです。環境立国だけあって、自転車の専用道路や乗り捨て自由なレンタサイクル「velib(ヴェリブ)」という画期的なシステムが存在します。加えて、観光客の数がすごいです。パリ市の人口は愛知県名古屋市の人口とほぼ同じですが(およそ220万人)、市内の観光地は平日だというのに長い行列ができていました。
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感動したっ
ベルギーのイメージ・・・って小便小僧とワッフルですよね。僕も訪れる前はそう思っていましたが、今回新たに多くの見どころを発見しました。ブリュッセルはベルギー王国の首都であり、またEU(ヨーロッパ連合)の本部もおかれています。市民の多くはフランス語を話しますがオランダ語を話す人もいます。そのため、市内にある道路標識や公共施設などほとんどがフランス語+オランダ語の同時表記です。市内を走るトラムという路面電車が市民の足となっています。ブリュッセル市庁舎をはじめとするゴシックやバロック建築が歴史を物語る一方で、EU議会や政府機関の入る近代的な建物の二つが織り成すハーモニー・・・まさに芸術です。感動しました。ベルギーワッフルにも感動しました。
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お餅に会いたい
もう年末です、あっという間に。クリスマスムード一色なのは日本もイギリスも変わりません。今年はファーザークリスマス(サンタクロースのことをイギリスではこう呼ぶ)に何をお願いしようかな。そういえば、お節料理のない新年を迎えるのは初めてです。母が毎年作ってくれたお雑煮もいま思えば懐かしいです。「春の海」を聞かない新年か・・・今は想像したくないです。それではみなさん良いお年をお迎えください。


ロンドン・セントパンクラスの駅舎ユーロスターの車両

夕日に染まるノートルダム寺院

おなじみ凱旋門

どこにでもあるレンタサイクル「ヴェリブ」


ベルギー2大名物