卒業しました!
こんにちは。留学してから早4年、私も無事に大学を卒業することができました。今回でこのレポートも最後となりますが、今回は以前お話しした卒業制作について詳しくお話したいと思います。
今年のMt.Idaの卒業制作は、まず自分がデザインしたい物のテーマを決め、それについて卒論を書く事と、ショー(卒業制作展)で展示する作品を制作する事の2つのセクションに分けられていました。シニアになるとすぐに卒業制作の構想を練り始め、前期には卒論、後期にはデザイン制作に取り組むことになります。
卒論は、日本の大学で書くような物とは違うかもしれませんが、私は日本の伝統文様を使ったデザインをしたかったので、伝統文様の歴史や、それぞれの文様に込められた願いと意味、またそれらの文様をどのような時に使用するかを調べて書きました。
日本の伝統文様には日本独自の文化や習慣、時代背景や考え方などが大きく反映されており、それを英語で説明することにとても苦労しましたが、ショーでは予想以上に多くの方々が興味を示してくださり、とても嬉しかったです。
納得がいく作品を!印刷屋さんに通う日々
シニアの後期では、書き終えた論文の装丁や、ページのレイアウト、ショーで展示する作品をデザインする作業に入ります。
卒業制作と普段のプロジェクトの違う点は、デザインに使うマテリアルや印刷にとてもこだわることです。今までのプロジェクトでは、大学にあるプリンターや紙を使うことがほとんどでしたが、今回は実際に印刷屋さんに行き、紙の重さや光沢、色味、質感などを選んでいきます。
印刷にトラブルはつきもので、自分の望んだ色が中々出なかったり、裁断する位置がまちがっていたりと、私も非常に苦労しました。ただ、ボストンには街中に印刷のできるお店があるので、印刷する場所を見つける事自体は簡単です。お店によって仕事の速さや正確さ、スタッフの親切さも違うので、最初はとても神経を使いましたが、通いつめるうちにスタッフとのコミュニケーションも円滑になり、根気よく私の要望を聞いてくれたり、何気ない会話をしたりと楽しかったです。
いよいよショーの当日
ショーの当日は、私が予想していた以上に多くの方が足を運んでくださり、あっという間に時間が過ぎていきました。形態としては、広いホールに生徒のブースが並んでいて、ウォークインしてきたお客様とデザイナーが自由に会話をできるようになっています。
大学の関係者、生徒の家族や友人、デザイン業界の方々もショーに来てくださり、直接反応や意見を聞けるのがとても良かったです。制作にかかった時間や労力を考えると、ショー自体は本当にあっという間で、反省点も多くあったのですが、それも含めとても良い経験となりました。
卒業後はアメリカで働くことも考えましたが、自分の人生の最終地点はアメリカではなく日本だと思い、6月末に帰国しました。今後の希望としては、英語力を活かせるようなデザイン事務所や会社のクリエイティブ部門に勤務したいと思っています。また、今後10年ぐらいの間に再度渡米し、今度はデザイナーとして海外での経験も積みたいと考えています。まだまだ学ぶことが沢山ありますが、必ずグラフィックデザイナーとしての人生を築けるよう、頑張るつもりです。
今回でこのレポートも最後になります。皆さんに少しでも実際のアメリカや留学生活について知っていただけていたら幸いです。留学を考えている皆さん、大変な事もたくさんあると思いますが、その分留学生活は必ず価値のあるものとなって皆さんの中に残るはずなので、頑張ってください。長い間お付き合いいただき、本当にありがとうございました。